漢方薬相談ブログ

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漢方治療の考え方

西洋医学で診断し、補助的に新薬よりも副作用が少ないと誤解して漢方薬を使ったり、東洋医学的に体質をみないで漢方薬を西洋医学的な効能効果で考えて処方するなど、全く漢方薬を活かせていない意味のない治療になっています。

漢方は、治療の考え方自体が西洋医学とは全く違うものです。
漢方治療の本質は漢方薬を使うことではありません。

自然環境(冬の厳しい寒さや夏の異常な熱さ)や生活リズム、人間関係の関わりの中でバランスを崩した体質を漢方薬だけでなく、季節との関わり方、食事や睡眠、ものの考え方などを整えて、病気にならない。薬に頼らなくても体調が悪くならない。強い体質を目指すものです。

漢方治療は、体質を分析することが最も重要です。
なぜなら、漢方薬は効能効果ではなく、人それぞれのあなたの体質に合わせるからです。

体質がわからなければ、どの漢方薬が良いのかもわからないし、それがちゃんと効いているのかもわかりません。

体質がわかれば、あなたに合った最適な漢方薬だけでなく、どんな風に生活に気をつけていけば良いのか、また何が原因なのかも見えてきます。

体質にあわせた生活方法に整えていくことは漢方では1つの治療だからです。

また、漢方薬は徐々に効いてくるものではありません。
「漢方薬は3ヶ月や6ヶ月くらいたてば徐々に効いてくる。だから飲み続けなければいけない。」みたいな話を聞きますが、あれはウソです。
あやしげなマニュアル的な漢方の本以外のまともな漢方理論の本には、そんなことは一言も書いていません。

漢方薬は体質に合わせますので、体質ごとに治療が変わります。
当然、期間も変わりますので、どんな病気や体質の人でも効くまでに3ヶ月や6ヶ月かかるなんてことはありません。

漢方薬が効果を発揮するのは体質に合うか合わないかです。
体質に合えば1ヶ月もかからないこともありますし、体質に合わない漢方薬であれば、1年飲もうが効かないどころか、体質と合っていない漢方薬であれば、より体質を悪くすることもあります。

体質に合っているかどうかや効き方もあなたの体質と合わせた漢方薬によって変わってきます。
漢方薬は効能効果が決まっているわけではないので、実際に順調にいっているかどうかも一緒に確認していかないといけません。

ある漢方薬で身体に変化がなかったり、悪くなったりすれば、漢方薬を変更する必要があります。これを漢方では転方とか変方と呼びます。

僕は大体1ヶ月で区切りをつけてその漢方薬が体質に合っているかどうかを検討していきます。

いずれにせよ、漢方治療とはマニュアル的に漢方薬を選んでそれをしばらく飲んでもらうものではなく、あなた独自の体質を分析し、それに合わせた漢方薬を選び、飲まれた後に、その漢方薬がうまく体質を調整してくれているかを確認しながら、治療を一歩一歩、すすめていくものです。

同時、あなたに最適な養生方法の実行方法を考えていくことも重要です。
身体にいいことを聞けば誰でも実行できるわけではありません。

生活方法は人それぞれ違います。
現実には、どうすれば、実行できるかも一緒に考えていく必要があります。

漢方治療は、一方的に漢方薬を処方してもらうものではなく、毎回、いろいろな事を相談しながら、カウンセリングを受けながら一緒にすすめていくものだとお考えください。