塩について
塩は絶対に外せない調味料ですね。
美味しいお肉など素材のいいものなんて塩だけの素朴な感じで食べるのが一番、ウマかったりします。
漢方では食べ物でも生薬と同じような食性があると考えます。
むしろ漢方薬の原点は食べ物ですね。
当然、塩にも漢方薬のような薬性というか、食性があるのですね。
塩は冷やす性質と潤す働きがあります。
臓腑は胃や腎、大腸、小腸などに働きかけます。
清熱涼血といって少量で身体にこもった余分な熱をしずめ、出血傾向を防止します。
解毒作用ももっています。
塩は味を楽しむだけでなくナトリウムイオンとしての働きがあります。
ナトリウムイオンは血中の水と細胞の調節を行います。(ナトリウムポンプ)
これは血圧などにも関わっています。
身体はナトリウムイオンがないと細胞内に効率的に吸収されません。
なので水分補給をする場合、少量の塩と一緒に飲むと吸収率が上がります。
ポカリスエットがこれですね。
しかし、これはナトリウムイオンの化学的な話しですね。
塩とナトリウムは一緒ではありません。
自然界にある本来の塩はナトリウムイオンだけでなくいろいろなミネラルも含まれています。
「塩は摂りすぎてはいけない」なんて言われていたりしますが、自然の塩はバランスよくいろいろなミネラルが含まれているので一概に摂りすぎてはいけないと言えないのです。
本来の塩はにがりが含まれる塩ですね。にがりって要するにミネラル部分です。
以前からだんだんと「塩も自然に近いものじゃないといけない」というような考えが浸透してきたので、販売業者も自然塩をして売るようになりました。
しかし、その塩の実際は、後からミネラルを添加したものや、国産でもない輸入塩なのに国産と偽ったりを法をすり抜けてきました。
そういった詐欺まがいの商売が続いていたので、2004年以降、公正取引委員会が塩の規約をつくりました。
それが以下の条件です。
- 「自然塩」「天然塩」およびそれに類する用語は使用できない。
- 「海洋深層水使用」により品質が優れていることを表示するにはその合理的な根拠を示す必要がある。
- ミネラル豊富を意味する表記は不当表示となる。(ナトリウムはミネラルである)
こんな品質条件を作り直さないといけないということはいかに塩が騙し売りされていたかという証拠ですね。
普段、塩を買ったりはしないので、今はどんな塩が売られているのかわかりませんが、以前は天然塩がたくさん売られていました。
伯方の塩が流行っていた頃ですね。
今、天然塩などが塩の取引規約の変更で少なくなっているのなら、やはり、今まで適当に販売していた証拠ですね。