漢方Q&A
漢方薬を1ヶ月服用しましたが、症状が改善しません。続けた方がよいでしょうか?(体質と漢方薬)
漢方薬を飲んでいても、症状が改善しない場合、最も大きな問題は、『体質と漢方薬が合っていない』ことですが、その他にも『どれくらい飲み続ければ良いのか?』『 品質が悪くて効果が弱いのか?』『 ちゃんと飲み続けているか?』『生活養生を整えているか?』など、全部で5つの問題があります。
今回は、漢方薬と体質の問題についてお答えしたいと思います。
漢方薬は、人それぞれの体質に合わせて選びますが、漢方薬には症状を直接、抑える成分が含まれているわけではありません。
漢方薬は、体質と漢方薬が合っていなければ、永遠に体質を改善することがありませんので、1ヶ月どころか、何ヶ月飲もうと、症状は改善しません。
つまり、漢方薬の場合は、体質と合っていなければ、飲む期間の問題ではないということです。
逆にあなたの体質と漢方薬が合っていれば、あなたが気になっている症状からとは限りませんが、何かしら症状の改善があります。
漢方治療は、病院の薬のように症状を抑えることが、第一の目的ではなく、体質を調整することによって、結果的に症状が改善していきます。
あなたの体質や合わせる漢方薬の種類によっては、あなたが気になっている症状から治ってくるとも限りません。
「あなたが気になっている症状以外から治り、最終的に自分の気になっている症状が治る」というパターンもあります。
これも決まっているわけではなく、全ては、あなたの体質と選ぶ漢方薬で決まります。
そして、それを判断するのが、漢方医の仕事です。
漢方治療では、漢方薬を選ぶ前に、かならず、全身の症状や状態などを分析して、あなた独自の体質を判断してから、最適な漢方薬を選ぶことがルールなのですが、保険適応の漢方薬を処方する医者など、体質を一切、分析、診断しないで、マニュアルだけで処方する先生が、たくさんいます。
この場合は、漢方薬で、何がどう良くなるかの治療の指針や方針がないため、症状の改善は「運まかせ」にするしかありません。
また、症状が改善しない場合に、ツムラなどの漢方メーカーのQ &Aなどに「症状の改善がない場合は、医師にご相談ください」とありますが、初めの体質分析や体質診断、東洋医学的な体質のことや治療方針のことが説明されていなければ、漢方薬を処方した当の先生もマニュアルをみて漢方薬を処方しているだけなので、再度、相談したところで、「納得のいかない、言い訳のような、論点をずらしたモヤモヤした説明」をされるだけです。
漢方薬でも、風邪や膀胱炎など、急性の病気に使う場合は、その該当する症状を患者さんの方が、確認すればよいですが、慢性病の体質改善の必要がある場合は、全身の症状と状態から体質を診断することは必須ですので、ちゃんとみてもらえる先生を探したほうが、話が早いです。
そうでないと延々と治りもしない、そういった先生の言い訳がましい漢方薬を飲み続けることになります。
残念ながら、漢方の治療理論を医者は医大で勉強しませんので、厳密には、漢方の医学理論を医者は知りませんので、ツムラやクラシエなどに書いてある「医師にご相談ください」は全くの建前になってしまっていると思います。
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