ウコンって身体にどう良いのか?
ウコンという生薬の紹介をしたいと思います。
「二日酔いにウコン」とか最近はウコンが入っているドリンクなどでウコンが有名になっています。
友達も僕が、漢方の相談やってるのを知ってるので「ウコンあったらほしいわ」って言ってくることもあります。
一般で売ってるウコン系のドリンクやサプリメントなんて業界の裏側から見たらウコン自体がスズメの涙ほどしか入ってないだろうし、質だって知れたものじゃありません。
うちの扱ってるものなら生薬で使うウコンなので、質も抜群にいいので、自信をもってオススメできますが、自信をもってオススメしません。
なぜならウコン=二日酔いの薬ではないからです。
それと漢方の生薬は摂れば摂るほど良い効果っていうわけではありません。
この前もネットでウコンがいいと聞いて飲み始めた人が3ヶ月後に肝臓の数値が6倍に跳ね上がったとか、ウコンを飲み出してから劇症肝炎を起こしたとか、ひどい人はウコンを飲んだ後に死んじゃってます。
ウコンに多く含まれているのはクルクミンです。
ポリフェノールの一種である『クルクミン』は胆汁の分泌を盛んにしてくれます。
胆汁は食べ物の脂の分解に関わっているので脂ものなどからくる胸焼けなども抑えてくれます。
ちょっと遠い気もしますが、ダイエットなどにも良いと言われているのはこんな働きからだと思います。
肝臓自体の機能も強化してくれます。
でもこれは漢方生薬を直接関係のない西洋医学からみた場合です。
本来の生薬としてはどんな働きなのでしょうか。
ウコンが持っている性質は涼です。
冷やすほどではないですが、身体が冷えている人にはあまり向きませんね。
主な漢方的な働きとしては疎肝、理気、止痛、去オですね。
疎肝とは肝の気の巡りを通す事です。
肝の機能を高めることだけでなく、肝の気が滞ることによって起こるうつ状態なども解消します。
理気は気を巡らせることですね。
先程のうつ状態を解消する状態も理気作用があるからです。
疎肝と連携して能力を発揮します。
止痛はそのまま痛みを止めてくれます。腎臓系や胆のう系の痛みを止めてくれます。
「去お」(「お」は難しい漢字)は血の巡りを整えてくれます。
これも先程の疎肝と協力して巡らせてくれます。
肝系の血の巡りなので月経関連の血の巡りに有効です。
総合的には肝炎に有効だったりするので、その辺りが「肝臓を強くする=二日酔いによい」的な感じになっているのでしょうか。
なんだか、いいことづくめですね。
ただし古来からの漢方処方の中にはなぜかウコンはあまり使われません。
多分、作用が強くてクセがあるからでしょう。
作用が強ければ良いように思いますよね。
ではなぜ、ウコンを飲んで死んだりしているのでしょうか。
それはウコンに限らないですが、漢方の原則には陰陽というものがあって、活性化することがいいことにはならないからです。
「過ぎたるは及ばざるがごとし」です。
漢方では格言的に言ってるのではなく、治療原則として理論的に考えています。
ウコンは、あなたの体質に合わせて、適量だけとれば、肝臓に良い効果となりますが、多過ぎたら肝臓の毒となるのですね。
『漢方薬が、なぜ体質に合わせないといけないのか』はここのところにあります。
漢方薬は体質にあった種類のものを選ばないといけませんが、同時に量も考えていかないといけないのですね。
漢方の世界では大が小を兼ねるわけではないし、過ぎたるは及ばざるがごとしなのです。
「あなたにとって、丁度、良い」が漢方治療が目指す理想なのです。
★当店では、全身の状態をしっかりとみて、あなただけの体質を判断して、あなたに最適な漢方薬をお選びします。
大阪在住でない遠方の方でもネット漢方相談、電話漢方相談を行なっています。お店に来れない方もぜひ、ご相談ください。
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