漢方薬が効かない!それ処方した先生が間違ったのを出してるかも!?
そもそも漢方薬や漢方治療とは何でしょうか?
病院に行った時、普段から処方される化学薬品である病院の薬以外に、漢方内科、東洋医学科などで漢方薬が処方されることもあります。
かと思うと、漢方専門の薬局もあったりと漢方薬は病院で処方されることもあるし、漢方専門の店で売られていたりもします。
一般的に漢方薬のイメージというと、
『自然のものでできている副作用がない薬』
『じっくりと時間が経つと効いてくる薬』
というのが漢方薬のイメージではないでしょうか?
大半の病院では、西洋医学の薬を処方して同時に漢方薬も処方したりします。
また、大半の病院は、漢方薬を処方する際に東洋医学的な問診をとらず、東洋医学的な体質も分析、判断せずにマニュアルだけ見て漢方薬を処方することが多いので、患者さんの中には西洋医学の治療の補助的な薬と考えている人もいるかもしれません。
しかし実際は、そんなものとは全然、違います。
大半の病院、医者は僕ら専門の漢方家からみると、『実は、全く漢方の医学理論をわかっていない素人同然の状態』で漢方薬を扱っているようにみえます。
病院の素人くさい漢方薬の使い方
内容を読み進めてもらう前に知っておいてもらわないといけないのは、病院や医者が漢方薬を処方しているのだから「病院や医者の漢方薬の処方の方法が間違っているはずがない」という考え。
しかし、現実は残念ながら全く違います。
医者になるまでに医大で漢方の治療理論や<漢方薬のことは、ほぼ勉強しません。
ということは、医者であっても漢方のことに関しては『ほぼ知らない』患者さんと同じレベルだということです。
医者は、例えばツムラなどが開催する講習会に仕事の休みの日などに、たまに参加して勉強したりします。
その「たま」というのは何ヶ月に1回だけ。
医者の中には、漢方薬を扱っていてもツムラやクラシエのたまの講習会にも参加せずに、これらのメーカーからもらったマニュアルや資料をみるだけで漢方薬を処方している先生もたくさんいます。
ヘタすると、このブログを読んでいるあなたのように漢方に興味をもって自主的に勉強している人のほうが、現時点で医者よりも漢方の事に関して詳しいかもしれません。
漢方業界の実際の裏事情は、そんな、とても専門家とは呼べない先生が詐欺まがいのことをしている悲惨な状況です。
漢方と西洋医学は一切関係がない
なぜ、そんないいかげんな状態になってしまったかというと、西洋医学と漢方は同じ医学という名前がついていますが、両者の医学は元より何の関係もないにも関わらず、西洋医学を知っていたら『なんとなく漢方もできそう』という曖昧で適当な感覚で漢方をしていたりする先生が多いからではないかと思います。
自分が『東洋医学理論や治療哲学、体質診断方法や本来の漢方薬の選定方法を知らない』ということすらわかってなかったりします。
もしくは無知なのをわかっているけれど、儲けのために医者という権威でゴリ押ししているか。
残念ながら、医者になって西洋医学に関してどれだけ詳しくなっても、漢方と西洋医学は何の関係もないので、医者であろうが一般の人であろうが漢方は一から勉強するしかないのです。
西洋医学はヨーロッパーを中心に解剖や手術、伝染病の克服などで発展してきました。
今のような化学合成品の薬で治療するようになったのは約2百年位前からです。
一方、漢方、東洋医学とも言いますが、これは2千年前に中国で発展してきたもので、漢方薬のような飲む薬だけでなく鍼灸や按摩、薬膳、食養生などで治療してきています。
西洋医学と何よりも違うのは、西洋医学が2百年位前から行なっている「薬を飲んで治す治療」は漢方ではすでに2千年前の発祥時から行なわれている点です。
ここで誤解されることが多いですが、「病院の化学合成品は、科学的な実験などによって、効果がわかっているものだけど漢方薬は古臭いので今の科学で分析しなければわからない」と考えられていたりすることがあります。
そういった勘違いの考えから、漢方薬の主要成分を科学的に分析したり、西洋医学の病名を元に漢方薬を処方していますが、残念ながら、西洋医学と漢方薬は何の関係もありませんので、それは的外れな使い方なのです。
漢方は分析、診断、漢方薬処方がセットになっている
漢方薬は2千年前にすでに東洋医学的な体質を分析、診断して体質に合っている漢方薬を処方する理論や方法は決まっていました。
加えて、体質に合わせた生活養生方法もありましたので、病気が一度、治れば、病気にならない方法も教えてくれていたのです。
仮に「2千年前に漢方薬という(薬)のみしか存在していなくて、2千年間、漢方薬をどうやって使えばいいのか皆目わからないまま現代に至る」というのであれば、今の西洋医学の診断や科学の分析で漢方薬がどんな成分で、どんな効果があるのか調べたりする必要がありますが、
2千年前からすでに、
- 漢方薬をどんな体質の人に処方すれば、良いのか?
- その体質はどうやって分析、診断すれば良いのか?
- 体質に合わせた生活養生はどうすれば良いのか?
これらの治療に必要な理論や方法、全てが東洋医学の医学理論として決まっていたのです。
今さら西洋医学の理論で研究しなくても、漢方の医学理論を正しく学び実行すれば、正しい治療できるようになっているのです。
ですから、医者がやっているような西洋医学の検査や診断しかしないで、全身の症状や状態を東洋医学的に調べもしないで漢方薬を処方しているのは、漢方薬で治療しようとしているのではなく、テキトーに自分が勝手に良さそうだと思い込んでいる漢方薬を処方しているだけという、よくわからない医療素人のようなデタラメな方法なのです。
漢方治療を希望の方は、例えば「頭痛」などの症状が1つを治療する場合でも、かならず、『体全体の症状』、『体全体の状態』、『生活リズム(睡眠・食事)』、『生活環境』、『精神状態(ストレス)』、『親族の病気』など、体全体や体や自分を取り巻くもの全体を調べて分析、診断してくれるところで漢方薬を処方してもらわないと、あてずっぽうの遊びレベルの占いみたいな漢方治療になってしまうかもしれません。
本当の漢方薬の力を使って治療したければ、病院とか漢方専門店など関係なく、本質的な使い方で漢方薬を扱っているところで相談されたほうがいいと思います。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方の歴史:大修館書店
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社