冷えると頭痛がひどくなる
体が冷えると頭痛がひどくなる方の漢方治療体験例です。
患者さんの年代・性別
患者さんは30代前半の女性。
患者さんの状態
背丈は160cm前後で、ややしっかりした体つき。
以前はフルタイムで仕事をしていましたが、今は子育てに専念しています。
お酒は週に4回くらいで結構、好きなようです。
悩みの症状
足が冷えてくると、だんだんと頭痛も伴ってきます。
その時には手もすっかり冷えて、全身冷えてきます。
これらの症状とは別にひどいめまいがして、布団から起き上がれない日が時々あります。
症状をまとめると『頭痛、冷え性、めまい、吐き気』が悩みの症状です。
病院での治療
病院では頭痛の原因は喉の炎症だと診断されていたようです。
医者は抗炎症剤(薬の名前は忘れたとのこと)を1ヶ月ほどは、飲み続けたが状態は何も変わらないとのこと。
頭痛がある時は鎮痛剤を飲みますが、根本的に治ることはなく、頭痛が発生するたびに鎮痛剤を飲む感じです。
このまま、病院に通い続けても、治療の進展がないと感じて病院の治療はやめられました。
体質判断(証の判断)
全身の状態から特に目立っていたのは胃痛や胃もたれなど、胃の状態が弱く、あまりよくないこと。
頭痛、めまいが起こる時は、特に胃腸の状態は悪くなるようです。
もともと、きつい冷え性で、冷えとともに頭痛があり、吐き気などもあるのは、漢方では結構、スタンダードな体質で、『胃寒の頭痛の証』といいます。
選択する漢方薬
『候補として考えられる漢方薬』は2つです。
1つは気が肩から上に留まってたまってしまい頭痛を起こす「気の上衝の証」と消化器の気が落ち込んで消化機能が衰えてしまった状態の「脾虚の証」という体質に合わせる漢方薬。
もう1つは、胃が冷えて機能がおちてしまう「胃寒の証」と胃寒の証や体全体が冷えやすい、冷え性の寒証によって、イメージ的には血管が締まって細くなり頭痛が起こる「上焦の瘀血の証」によって、起こるタイプです。
どちらか迷いましたが、めまいを合わせて考えると、後者の「胃寒の証」で胃の機能が落ちて、胃に水がたまる胃内停水の影響があると考え、選ぶ漢方薬は、後者にしました。
養生アドバイス
お酒はビールが好きでビールはモロに胃を冷やしますので、こちらは温かい焼酎などに変更してもらうことにしました。
刺身などの生モノも温めて食べることはないので、こちらは控えるようにしてもらいました。
1ヶ月後の経過
漢方薬を飲んで数日後から胃の周辺が温まる感じがあったとのこと。
その後、手足も徐々に温かくなってきました。
頭痛はなくなってはませんが、鎮痛剤を飲まなくても耐えられるようになりました。
漢方薬を飲み始めてからはめまいは時々、ありましたが、以前のように寝こむことはなくなりました。
ご本人は、寝込むことがなくなったのが、生活的に一番、助かったとのことでした。
ちなみに漢方薬を飲み始めてから病院の薬は全てやめて飲んでいません。
漢方薬のみです。
2ヶ月後の経過
頭痛はほぼ、起こらなくなりました。
めまいは、なくなっていませんが、滅多に起こらない感じで頻度が減りました。
手足の冷えはなくなってはいませんが、以前のように常に気になる感じではなく、冷えていることを意識しないと忘れるような感じです。
胃の調子は、時々、食べたものによって、痛くなったりもたれたりしますが、それでも常におかしな感じではなくなりました。
3ヶ月後の経過
『頭痛はなくなりました』
めまいも、この1ヶ月は1度も起こっていません。
手の冷えは感じないようになりましたが、足の冷えは気にはならなくなりましたが、なくなってはいません。
胃の調子は、食べ物の種類に気をつければ、だいたいは快調です。
考察
漢方薬らしい治り方です。
徐々に徐々に頭痛やめまいの頻度がなくなって、良くなっていった感じです。
手足の冷えに関しては、運動との関係もあります。
筋肉が少なかったり衰えていると、冷えは内服の漢方薬だけでは、なかなか難しいこともありますので、
これからも、時々、軽くても良いので、運動を取り入れると冷え性体質も改善されてきます。
★当店では、全身の状態をしっかりとみて、あなただけの体質を判断して、あなたに最適な漢方薬をお選びします。
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