漢方薬相談ブログ

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自分の汗疹、咳、鼻水、疲れの漢方治療

鼻水、咳、そして「かゆい!」自分自身の漢方治療の話です。

最近、主に腕に湿疹が出てきました。

手の甲と手首のところ。毎年っていうわけではないですが、ひどくなる年もあります。

皮膚のベース部分が赤くあり、蚊にかまれたような、やや赤みがかった肌色に近い湿疹が丘のように盛り上がります。

汗疹とも蕁麻疹ともいえそうなやつです。

その他、全身をみていくと胸から上に熱がこもりやすく、特に耳やその周辺が、のぼせやすくなってます。

汗も特にここからたくさん出てくる感じ。

水鼻がしょっちゅう溜まってきて、ひどい時は後鼻漏

喉に常に痰が絡んでいて唐突にが出てきます。

時々、高音の耳鳴り

胃が重く足は少しむくんでいるのか、ふくらはぎが張っている感じ。

体は異常に重だるく、朝から疲れている感じでよく寝た感じがしない

時々、なんとなく指や肩、股関節の関節が痛みます

普段、体のことで気になることはそれほどないので結構、辛い…

病院だったら何科に行くの?

もしも僕が漢方家をやっていなければ、今回の僕の症状、病院の場合は何科に行けばいいのでしょうか?

一番、気になるのは湿疹。これは皮膚科。

皮膚科で水鼻や後鼻漏のことを言っても多分、耳鼻咽喉科へ行ってくれと言われるでしょう。

耳鳴りも耳鼻科ですね。

風邪をひいていないのに痰が絡んで咳が出るのは、これも耳鼻咽喉科かな?内科?

胃が重いのは消化器内科。

足のむくみは内科でも診てくれるかな。

泌尿器科へ行け!と言われるかもしれません。

体が重だるいのは医者に「暑いからしょうがない」みたいな、近所のおばさんでも言いそうな、ごく普通のことを言われそう。

それとも、これまた近所のおばさんが言いそうな「ビタミン剤でも飲んでい精のつくもの食べなさい」とでも言うのかな?

睡眠の質が悪いのは、どこに行けばいいのだろう?心療内科?

内科かな?でも、これも医者に「早く寝るようにしないさい」って素人でも言いそうなことを言われそう。

指や肩、股関節の関節が痛いのは、整形外科でしょうか?

今回の僕の症状、病院だったら「皮膚科」「耳鼻咽喉科」「消化器内科」「内科」「泌尿器科」「心療内科」「整形外科」に行けば治るでしょうか?

薬がどれだけの数になるのか考えただけでも恐ろしいです。

実はバラバラの症状ではない。

これらの症状、実は漢方的に考えれば全ての症状は1つの体質につながります。

なので「皮膚科」「耳鼻咽喉科」「消化器内科」「内科」「泌尿器科」「心療内科」「整形外科」とバラバラに治しにいっても永遠に治りません。

西洋医学らしく、それぞれの症状が一時的に抑えられるだけ。

薬の効果が切れれば、また症状が再発。

秋になって落ち着くまでは、ずっとこれの繰り返し。

さすがに秋まで症状を一時的に治すためだけに7つの「科」に通ってられません。

漢方では全身の症状や生活状況、精神状態から今の病的体質を分析して、全ての症状がつながっている「証」を導きだします。

そして、今回の僕の証は実に簡単です。

何せ自分のことなので、患者さんに聞くように根掘り葉ほり質問したり、生活や仕事のことなどで聞き忘れがないかを気にする必要がありません。

今回の証は夏に起こりやすい「表寒の証」と「表の水滞の証」

この2つの証が、すべての症状の原因です。

漢方薬は症状ごとに効くものではない

漢方薬が症状を直接、抑えてくれるものだと勘違いしている先生がいますが、漢方薬にそんな西洋医学のような効果や成分、考え方はありません。

症状に漢方薬を合わせるのではなく、全身の症状、生活状況、精神状態から病的体質である『証』を割り出して「証」に合わせて漢方薬を選びます。

「証」のアンバランスが調整されれば複数あった症状は消えていきます。

漢方治療に必要なのは「表寒の証」と「表の水滞の証」の2つの証を調整する「表証を温め水の巡りを整える漢方薬」を選ぶこと。

結局、漢方薬以外のものはよくわからない

偉そうに「証に合わせた漢方薬」を選びます。なんて言ってますが、実は最初は睡眠時間を増やして疲れがとれたら治るかな?とか牛黄という漢方で「たちどころに強烈に元気する!」という名目でよく売られている高級な生薬を飲んだりしていました。

睡眠時間は増やしても質が悪い感じが変わらずに疲れは残っていました。

牛黄は普段の疲れややる気のなさには効く実感はあるのですが、今回は全然ダメ。

それどころか湿疹は牛黄のエネルギーを高める効果でひどくなっている感じ。

なんか、こういう時って元気を睡眠で確保したり、元気の出るものを飲んだら治るのじゃないかと、つい低レベルなことを考えちゃうのですね。

漢方薬の効果は?

睡眠時間を増やしたり、サプリのノリで生薬を飲んでいてもダメでした。

わかっていたのですが、最初はそんなに重く考えてなかったんですね。

ちゃんと漢方薬で治療しなくちゃと思って、反省しつつ選んだ漢方薬を飲みました。

ビンゴ!漢方薬は当て物ではありませんが、見事、命中!

分析した「証」に合わせた漢方薬も正解!

関節の痛みはなくなり、すぐに腕の湿疹もなくなりました。

肘裏の汗疹みたいな湿疹は黒ずんでいましたが、それもやや赤みのある肌色になり、ほぼ治りました。

滝のように出ていた鼻水もピタリと止まったわけではないですがマシに。

耳鳴りもしなくなりました。

なによりも異常に重だるい疲れがとれたのがうれしい!

漢方らしい治り方

ほぼ、最近、悩んでいた症状は5日ほどの漢方薬の服用で治りましたが、漢方らしい治り方だなと思ったのが、実は地味に苦しかった痰の絡み、後鼻漏、咳。

これが治ったことに自分で気づかなかったこと。

かれこれ12年ほど漢方薬を飲み続けていますが、未だに治ったことに気づかずに初めから症状がなかったと思い込んでしまうことがあります。

あんなに気持ち悪かったのに。

でも漢方薬って実際、そんな治り方も多いのです。

症状が全身、複数にわたっている場合は特に漢方薬は、西洋医学の薬のように飲んでいる間だけ、症状を抑えるわけではありません。

証と漢方薬が合っていれば、全身の複数の症状それぞれが同時に少しずつ良くなったり、少し戻ったり、また更に良くなったりと少しずつ症状が弱くなっていくので、気にしていないと治療効果に気づかないで、もともと、そんな症状なかったんじゃない?なんて感じになることもあります。

ちょうど毎日、少しずつ痩せていくと自分も近くの人も気づかないが、久しぶりにあった人には「随分、痩せたね」と言われる感じに似ています。

わかりにくいか。

現在の体質の本当の原因

自己診断ですが、僕の不調の原因は「表寒の証」と「表の水滞の証」。

なぜ僕は「表寒の証」と「表の水滞の証」の証になってしまったのでしょうか?

僕はもともと持っている持病などはありません。

これは、夏によって作られた一時的な体質なのです。

それはエアコンと冷たい水分の取りすぎによってつくられた病気。

たった、これだけの原因で西洋医学だったら「皮膚科」「耳鼻咽喉科」「消化器内科」「内科」「泌尿器科」「心療内科」「整形外科」と7つの病院に通って薬を何種類も飲まないといけない体質になってしまっているのです。

幸い、漢方薬で治療したので、『たった1種類の漢方薬』で治りましたが、鼻水、汗疹は引き続き夏が終わるまでは完全に治すのは難しいです。

今年の夏は暑すぎるので。

自分の漢方治療はおもしろい!

それにしても、自分の体を漢方薬で治すのは、おもしろいです。

東洋医学の知恵を動員して、あれやこれやと証や治療戦略を考え、最初の漢方薬でいろいろな症状がとれると症状が治ったことよりもスナイパーライフルで射抜いたような爽快感があります!

これだから。漢方はやめられない。

他の病院や漢方薬局の先生は、さしずめ、汗疹や蕁麻疹なら十味敗毒湯やら消風散なんかを素人でもできそうなマニュアル処方で選ぶのでしょうか?

漢方は自分で体質を分析し治療戦略を考え、実践できるのだから、素人でもできそうな病名や症状のマニュアルで漢方薬を選ぶなんてやめれば、漢方っておもしろい医学になるのにって思います。

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ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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