漢方薬相談ブログ

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めまいに効く漢方薬

  1. めまいで使う漢方薬
  2. 医者の漢方薬の選び方
  3. 僕の漢方薬の選び方
  4. 症状だけを当てはめて漢方薬を選ぶのは不可能
  5. 適当に漢方薬を選ぶと副作用が待っている

めまいは厳密には病名ではありません。

脳卒中などの取り返しがつかないかもしれない病気に付随する症状や更年期などに付随する症状として出ることもあります。

また立ちくらみを患者さん自身が「めまい」と捉えることもあり、本当に「めまい」だけの問題なのか? を見極める必要もあります。

漢方の場合は、よくあるマニュアルで選ぶのではなく、本来の漢方治療の方法で体質に合わせて漢方薬を選ぶ場合は、そもそも『めまい』という症状だけに合わせて漢方薬を選ぶなんてことはありえません。

患者さんが主に訴えておられる症状が『めまい』だったとしても、全身の状態を調べて、病的体質である『証』に合わせて漢方薬を選びます。

とはいえ、何百種類もある漢方薬全部から選ぶのは、さすがに困難ですので、ある程度、『めまいを起こしやすい体質に使う漢方薬』というものは先人の経験などから知ることができますので、以下の漢方薬群の中から選ぶことが多いです。

めまいで使う漢方薬

めまいが主訴である場合、僕は以下の種類の漢方薬の中から、患者さんの体質に合わせて選びます。

西洋医学的にも「めまい」は病名ではなく何かの病気の症状の1つの可能性もあるので、医者お得意の「めまい」という病名のみで漢方薬を選んだ場合は、それは最早、治療のプロが行うレベルのものではありません。

医療を知らない人だって選べます。

漢方薬を知らないあなたでもできるようなマニュアル治療ですので『めまい、耳鳴り、頭痛、目の状態』以外の問診をとらずに漢方薬を選んだ場合は、漢方治療ではありません。

ただ漢方薬を販売しているだけですので、ラッキーで効くかどうかとなります。

【めまい、メニエルでよく使用される漢方薬】
桂枝湯、苓桂朮甘湯、五苓散、澤瀉湯、真附湯、半夏瀉心湯、呉茱萸湯、四君子湯、炙甘草湯、麦門冬湯、竹葉石膏湯、半夏厚朴湯、女神散、桂枝加竜骨牡蠣湯、鈎藤散、七物降下湯、抑肝散、抑肝散加陳皮半夏、桃核承気湯、桂枝茯苓丸、当帰芍薬散、連珠飲、十全大補湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、柴苓湯、加味逍遙散、逍遥散、柴胡桂枝乾姜湯、三黄瀉心湯、黄連解毒湯、白虎加人参湯、白虎加桂枝湯

僕は32種類の漢方薬からめまい、メニエルを治す際の漢方薬の候補として頭の中にリストアップします。

この時に「あっそういえば前に苓桂朮甘湯で治った人いたな」なんて自分の勝手な思い込みで選ぶのではなく、リストアップ後、冷静に体質を詳しく分析して上記の候補処方の中から、その人独自の体質的に合うものを選びます。

また、漢方薬は病名や症状を当てはめて選ぶものではないので、他の病気があったり、体質によってはここにあげた他の漢方薬も候補として考えられます。

次に医者が使っている漢方薬マニュアルから見てみましょう。

【医者が使っているマニュアルにある、めまい、メニエルで使う漢方薬】
五苓散、半夏白朮天麻湯、苓桂朮甘湯

3種類!やはり医者の方は仕事がシンプルでいいですね。

漢方の理論的な知識がなくマニュアルをみて選んでいるだけですから候補リストを多くされても困りますよね。

医者どころか、漢方の医学理論を全く知らない素人でも選べるやさしい設定です。

この3種類の漢方薬を知っていれば、大げさでなく、あなたも医者と同レベルの漢方の知識を持っていることになります。

病院のサイトなんかでは「当院では、おひとり、おひとりの体質に合わせて漢方薬を選びます」みたいなことが書いてありますが、保険適応の漢方薬を処方している病院で体質に合わせて漢方薬を選べる医者なんて、ほぼ聞いたことがないです。

実際は、この3種類ほどの漢方薬の候補からマニュアル的に選んでいるだけです。

医者の漢方薬の選び方

医者はマニュアルに書いてある中から漢方薬を選ぶというよりは、例えばツムラの営業さんや勉強会などで「推奨されている漢方薬」を事前に処方すると決めていることが多いです。

ですので、病院にいろいろな体質の患者さんが来ているはずですが、大体、同じ種類の漢方薬を処方していると思います。

そもそも、医者は東洋医学的な問診すらとらないので、いろいろな漢方薬から選ぶ能力がありません。

医者の中にはちょっと勉強したきになって、2、3個の症状があてはまるかどうかを問診?して選ぶようですが、そんな『なんちゃって問診』すら、する医者はめずらしいです。

そもそも、漢方薬を選んでいる医者自身が裏では漢方薬が効くと思っていないってご存知でした?

僕の漢方薬の選び方

うちは「めまい」に限らず、1つの病気(病的体質)を治す場合、1つの病気(病的体質)に対して30種類〜40種類位の漢方薬の候補から、その人の体質に合う漢方薬を考えます。

ある程度、漢方の先人達が使ってきた漢方薬群を参考にはしますが、最終的に何種類の漢方薬からあなたのための薬を選ぶのかは決まっていません。

本来、漢方薬はマニュアルで選ぶわけではないので、その先生の治療ポリシーによって様々です。

僕は、基本は病名に惑わされないようにして『なるべく純粋に体質だけをみて体質に対する漢方薬』を選びます。

だって、病気や症状が、1個ならいいですが、詳しく聞いていくと「めまい」以外に「貧血」「アトピー」「更年期」「高血圧」もある。みたいなことは別に珍しくないので、この場合、いちいちその病気で使う漢方薬群から選ぶのか? という話になります。

そんなことしたら、漢方薬が何種類にもなる可能性があります。

漢方にそんな医学的な理屈はありません。

これだったら、根元の体質を分析して、『その体質だけに合わせる漢方薬』1種類だけ選べばこと足ります。

症状だけを当てはめて漢方薬を選ぶのは不可能

漢方薬はその漢方薬を選ぶ条件となっている症状が当てはまるかどうか? で選びませんが、仮に症状だけで選ぶとしても、その漢方薬が合う条件に設定されている症状は1つの漢方薬につき20位の症状の設定があります。

また、ある漢方薬と他の漢方薬の条件に設定されている症状は非常に似通っていたりします。

めまいに効く漢方薬の候補には全種類に「めまい」という条件があるわけです。

それに加えて、それぞれの漢方薬に異なる症状や似通った症状がありますが、全部がピッタリはまることはありません。

漢方は症状がピッタリ当てはまるかどうかで選ぶわけではありません。

症状だけで漢方薬を選ぼうとすると『症状だけでみると、どれも当てはまるし、どれも当てはまらないし…』という状態に陥ります。

症状だけで選ぶ場合は、医者がやっているように体質ではなく事前に処方する漢方薬を決めているほうがやりやすいとは思います。

それが例え、漢方薬を効かせられない方法だとしても…しょうがないですね。

適当に漢方薬を選ぶと副作用が待っている

実は初回に漢方薬を選ぶことは誰にでもできます。

だって、何の漢方薬を飲んだって自由だから。制約はありません。

問題は、最初の漢方薬を飲み終わってからです。

2回目からは自由勝手に選ぶわけにはいきません。

2回目からは答え合わせが待っています。

【漢方薬服用後の2回目の確認事項】
1 選んだ漢方薬は合っているのか?治っているのか?

2 何も変化がないのは、なぜなのか?

3 選んだ漢方薬で副作用を起こしていないか?

この3つのいずれかの反応があり、これを再検討する必要があります。

漢方の治り方は症状の抑制や遮断ではないので、「めまい」に対しても「完全になくなった」というのは、よほどラッキーでないとそんなケースはありません。超レアです。

ほとんどが、「めまい自体が弱くなってきた」とか「起こる頻度が減ってきた」とか、そして、その他の症状は良くなったものもあれば、悪くなったものも出てきます。

それらを総合的に評価して、今の漢方薬を続行か、違う漢方薬に変更します。

この時に漢方薬の副作用に気をつける必要があります。

漢方薬の副作用は漢方薬と体質が合っていなければ起こりますので、『めまい』だけがどうなったかを確認するのではなく「めまい」以外の他の全身にある症状や状態もどうなったかを同時にみないと、実は体質と漢方薬が合っていなくて、良くなったと思っていためまいがある日、ひどくなったり、他の症状がひどくなったり、新しい症状が出てきたりして、今とは違う病的体質になるリスクもあります。

漢方薬の副作用の怖いところは、病院の薬と違って、徐々に悪くなるので医者もあなたも漢方薬のせいだとは気づかないことがあることです。

漢方薬の副作用と思わずに体質と合っていない漢方薬を飲み続けていたら、いつのまにか取り返しのつかない変な体質になっているということもあるのが漢方薬の怖いところです。

副作用を避け、選んだ漢方薬が本当に効いたかどうかを確認するためにも、やはり、事前に病的体質である『証』を診断し、たくさんの候補となる漢方薬の中から、じっくりと選んだほうがいいと思います。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方処方応用の実際:南山堂
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠⅡⅢ:薬局新聞社刊
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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