ハーブと漢方薬は全然、違います!
ハーブと生薬って実は読み方が違うだけで同じものもあったりします。
例えば、生薬の桂枝末はハーブになるとカタカナで「シナモン」と呼びます。
カタカナというか英語なんですが。
なんか、「桂枝末」よりも「シナモン」のほうがスマートですね。
全部が全部ではないですが、ハーブや生薬は、読み方が違うだけで、どちらも同一のものだったりします。
『そうしたら、ハーブと生薬、ひいては漢方って一緒なの?』なんて思う人もいるかもしれません。
しかしハーブと生薬は同一のものもありますが、あくまで一部だけで、やはり、ヨーロッパでできる植物と中央アジアでできる植物は違うのですね。
そもそも、ハーブは花や茎や根などですが、漢方薬で使用する生薬となると、植物だけでなく石やゴキブリも生薬になります。
誤解を与えているハーブと漢方薬
言葉の響きなのかどうかわかりませんが、特に女性で漢方をしている先生なんかが、ハーブと漢方薬が一緒のもののように説明していることがよくあります。
『漢方のお茶』と言いながら、中身を見たらハーブだったり、「あなたの体質に合わせて漢方薬を選びます」と言いながら、それもハーブと生薬が混ざった漢方風サプリメントだったり。
不妊症関連のブログサイトなんかみると、漢方薬局をやっている先生が率先してハーブと生薬が混ざっている生薬を『漢方薬』なんて宣伝しています。
なぜだかわかりませんが、不妊症やPMSなどの女性の悩み相談系の薬局は、漢方薬をハーブ的に言ってみたり、ハーブなのに漢方薬といってみたり、なんか、漢方薬だけだとおしゃれ感がないので、漢方薬とハーブをたくみに混ぜて、説明している人が多いです。
インスタなんかを見ていると女性漢方薬剤師の人は、ハーブと漢方を無理やりコラボさせている人が多いです。
女性の立場から考えると、漢方薬をキラキラおしゃれ系にしたい気持ちもわからないでもないですが、それには大きな問題があります。
漢方は医学であってファッションではない
堅いこと言うオッサンだなと思うからもしれないですが、漢方は西洋医学に対をなす東洋医学というゴリゴリの医学なんです。
医学理論は難解で泥臭いものです。
逆に西洋医学をファッション的にやっている人なんていないですよね。
「あなたがもっと輝くための西洋医学!の考えを取り入れて見ませんか?」なんてキャッチフレーズありませんよね。
西洋医学ではないですが、サプリメントはこの類ですが、サプリメントはゴリゴリの西洋医学ではありません。
「生薬とハーブは似ているから、キラキラでもいいじゃん!」
と思うかもしれませんが、漢方とハーブって決定的な違いがあるのです。
漢方薬の真髄は成分や効果ではなく治療理論
ハーブにもいろいろな成分や効果があります。
花のいい香りによるリラックス効果もありますね。
キラキラファッションケアとしては最適です。
しかし、漢方は医学なので、美容とかダイエットが目的ではなく、『根本治療』です。
そして、漢方薬の生薬は化学的な成分が効くわけではありません。
ハーブと漢方薬の決定的な違いは成分や効果の問題ではなく、漢方は漢方薬を効果的に使うことのできる『体質分析』や『体質診断』、『治療戦略』などの理論(ノウハウ)があることなんです。
漢方薬の成分が「咳を止める」とか「頭痛を鎮める」のではなく、あくまで体質を分析して、体質に合わせて漢方薬を選べば、『結果的に症状が治る』のであって、漢方薬の治療目的は、体質を調整することであって、症状を〇〇効果で止めることではありません。
漢方薬は体質を診断していなかったり、治療の方針がなく選んでしまうと全く効果を発揮してくれません。
効いたとしても、たまたま、運よく何かの症状が治っただけで、それでは漢方薬のみで根本治療にもっていくことは不可能です。
ハーブにはハーブを効果的に使うための医学理論やノウハウがありません。
「何かの成分に催眠作用がある」など、病院の薬やサプリメントのような感じです。
漢方でもハーブのような使い方をすることがあります。
それは民間療法です。おばあちゃんの知恵袋的なものです。
皮膚のかゆみに十薬を使うとか、便秘にオオバコを使うなど。
これらの民間療法は、なぜ、「民間」とよばれているかというと医学レベルではないからです。
医学レベルになると体質を分析、診断したり、副作用に注意したりと、いろいろな知識が必要になりますので、民間療法はあくまで『噂レベルの雑学医学』といった感じですね。
治るも治らないも運まかせです。
漢方薬には副作用がある
漢方薬には副作用があります。
それは『あなたの体質と漢方薬が合っていない』と副作用となり、体質と合っていない漢方薬を飲み続けると今よりもひどい病的体質になることもあります。
一方、ハーブは、そもそもそこまで詳しい医学理論がないので、体質も何も関係ありません。
漢方薬には副作用もあり、ゴリゴリの医学なので、病気や症状の治療に使わないのであれば、ハーブのキラキラノリが混ざったハーブ風漢方でいいと思うのですが、悩んでいる病気や症状を本気で治したいのであれば、ゴリゴリの医学でやっていない漢方は避けたほうがいいと思います。
「漢方」や「根本治療」はファッションではありませんので。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 医心方:出版科学総合研究所
◯ 東方栄養新書:メディカルユーコン
◯ 中医薬膳学:東洋学術出版社
◯ 薬膳素材辞典:源草社
◯ 食養生の知恵 薬膳食典食物性味表:日本中医学院
◯ 薬膳と漢方の食材小事典:日本文芸社
◯ 素問:たにぐち書店