漢方薬相談ブログ

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3年間悩んでいた過敏性腸炎の漢方体験例

  1. 病名・病気・症状
  2. 体の状態
  3. 年齢・性別・お住まい
  4. 病気の期間
  5. 当店での治療結果
  6. 当店で相談する前の病院の治療
  7. 以前の治療の問題
  8. 判断した証(体質)
  9. 治療方針
  10. 治療経過
  11. 治療経過まとめ

病名・病気・症状

過敏性腸炎、慢性鼻炎、立ちくらみ、めまい。

体の状態

1日4回の水に近い下痢。

便をする時に腹痛を伴い、普段から、なんとなく腹痛がなくならない。

学校でしょっちゅう、便に行きたくなるため、勉強に集中できない。

1年通して鼻炎。春の花粉症の時期には、かなりひどくなる。

立ちくらみ、めまいは、しょっちゅう起こる。

年齢・性別・お住まい

16歳、男性、京都府

病気の期間

元々、軟便っぽい傾向はあったが、中学生になった頃からひどくなり、以後、3年間続いている。

当店での治療結果

漢方薬を飲み始めて4ヶ月後に頻繁な下痢はなくなった。

9ヶ月後には鼻水は、なくなった。

10ヶ月後に鼻炎とめまい、下痢までいかないが、軟便
(1週間で2日ほど)が復活。

その後、2ヶ月漢方薬を飲み、合計一年で、鼻炎は若干あるが、過敏性腸炎の下痢、めまい、立ちくらみがなくなった。

当店で相談する前の病院の治療

病院で止瀉薬をもらっていたが、飲めばそれなりに下痢が治るが、下痢を止めているだけで薬の効果が切れると下痢が始まるという感じ。

薬は下痢が出ないように栓をしているだけの感じで、下痢自体はよくならない。

以前の治療の問題

病院の治療は、下痢を止めることだけをしていたよう。

病院では下痢になる原因自体に関しては何も診断も治療もアドバイスもなく、薬を飲んで下痢を止めることを繰り返していただけ。

判断した証(体質)

  • 神経の使いすぎやストレスから血を消耗している【血虚の証】
  • 膀胱と大腸の二つの便での水の巡りが悪くなる【二便の水滞の証】
  • 二便の水滞の証の影響からの体上部の【上焦の水滞の証】

以上の3つの証が混ざり合っている体質だと判断しました。

治療方針

神経の使いすぎで血が消耗しているが、その神経の消耗自体は、胸辺りの胸脇に気の滞りがあるためだと考えられるので、胸脇の気の発散を行い、同時に神経を健全に活動させるための血を補い、2つの治療を同時に行うこととしました。

治療経過

※当店は毎回、全身の状態の変化をお聞きしますが、ある程度の期間、治療された方は最初の1ヶ月目までは詳しく書いていますが、それ以降は、ポイントだけに絞って書いています。

【2週間後】
特に原因がなく夜中に目覚める状態はなくなった。

気の滞りが解消されて、巡ったのだと考えられる。

立ちくらみは減った。

通常、血の少なさを補う場合は時間がかかりますが、胃の状態は悪くなかったので、早くに血が補われたと思われます。

便はまだ5回行くが、お話を聞いているとどうも、今までの習慣でトイレに行っている部分もあるとのこと。

毎回、普通便で下痢ではなくなった。

下痢は七味の入った料理を食べた時に一度だけなった。

最初の飲まれた反応から考えると漢方薬の副作用はなく、よく効いている。

当初の治療方針通り、胸脇の気滞の証と水滞の証と考えて良さそうです。

【4週間後】
立ちくらみはなくなった。

漢方薬を飲み始めて2週間後に良くなった夜中の目覚めは再発せずに、なくなった状態を保っている。

下痢はない状態が続いている。漢方薬を飲み始めて下痢があったのは、辛いものを食べた1度だけ。

少しできすぎなくらい、漢方薬が良く効いている。

立ちくらみがなくなったので、補助の血を補うものは量を少なく飲んでもらうこととしました。

血を補うものは、体に熱を入れる部分もあるので、そのまま飲み続けると余分な熱が体内にたまり、熱の滞りから気の滞りにつながると考えたためです。

根本治療というのは、結局、本人の自然治癒力をサポートするものなので、年齢が若いと治す力も強い。

風邪をひいて喉の痛みがあったので、3日間、漢方薬を風邪と喉の痛みの対応に変更しました。

【3ヶ月後】
漢方薬の構成と飲み方は4週間後のものを続けてもらっていました。

途中、なぜか1日5回の便が全部、下痢という日がありましたが、どうもストレスの影響だと考えられる。

それ以外は、下痢は一度もなかったとのこと。

血を補う漢方薬は完全に廃止。基本処方となる漢方薬に絞りました。

【5ヶ月後】
下痢、鼻水はなかった状態が続いていたが、立ちくらみが復活。

おそらく、漢方薬に清熱といって余分な熱を冷やす働きがあったのですが、季節が12月に変わっていたので、熱を冷やす効果が外気の寒さと相まって、寒証の影響が出て、気と血の巡りが悪くなったと考えられます。

「夏にかけていた冷房のままにしていたら、冬になって、すごく体が冷えて、調子が悪くなった」といった感じなので、気の調整と水の巡りの働きは、今まで通り、役割としてあるもので、熱を冷やす清熱の部分はなくなった漢方薬に変更しました。

【6ヶ月後】
前回、漢方薬を変更して1ヶ月後、立ちくらみはやや改善された感じで巡りだけの問題ではない感じ。

季節も冬となり寒くなったので再び、血を補う漢方薬を加えることになりました。

【9ヶ月後】
過敏性腸炎の下痢、鼻水、立ちくらみ、めまいはなくなりました。

【10ヶ月後】
花粉症の影響なのか、鼻水がひどくなり、めまいも復活、下痢までいかないが頻繁な軟便になることが何日かあった。

花粉症の影響で、水と熱の巡りのバランスがおかしくなってしまったと考えられる。

漢方薬を下半身の水の巡りを整え、消化器である脾の臓を整えるものに変更しました。

【11ヶ月後】
徐々に良くはなっていたが、いまいち、治療が進まない感じなので、最初の漢方薬の構成に戻しました。

【12ヶ月後】
一度、漢方薬で良くなった影響か、軟便、鼻水、めまいはなくなったので廃薬となりました。

治療経過まとめ

途中、風邪やら、花粉症やらで一度、症状が復活したり悪化したりしましたが、漢方薬は何かの影響で一時的に再発したように悪くなっても、それまで治っていた状態までは、すぐに戻ります。

そういったパターンがよくわかる体験でした。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方処方応用の実際:南山堂
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠⅡⅢ:薬局新聞社刊
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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