漢方薬相談ブログ

漢方薬相談ブログ

不眠症とは(西洋医学的な解説)

こちらのページでは、不眠症って何なのか?

西洋医学的な解説をしています。

そして、病院では実際にどんな検査や診断、治療をしているのか、また実際の治療はどんな結果になるのかを簡単にわかるようにまとめています。

不眠症にはいろいろなパータンがある

不眠症というと「とにかく眠れない」というイメージがありますが、 ベッドに入ってから、なかなか寝つけない『入眠障害』や一度、寝てから目が覚める『中途覚醒』、まだ起きなくてもいい時間なのに朝早く目が覚める『早朝覚醒』や睡眠自体はとれているけれど熟睡した感覚がない『熟眠障害』などがあります。

『眠れない時があった』
ということが即、不眠症というわけではありません。

誰でも、試験や大事な仕事の約束など気になることやプレッシャーがあると眠れなくなることはあります。

不眠症と診断されるのは、以下の2つの条件があてはまるかです。

e-ヘルスネット(厚生労働省)不眠症より引用:
「1. 長期間にわたり夜間の不眠が続き」「2. 日中に精神や身体の不調を自覚して生活の質が低下する」

不眠症の原因

不眠状態にもいくつかの種類があり、個人差もありますので、はっきりと不眠症の原因を特定にするのは難しいですが、以下のものが考えられます。

【ストレス】いろいろな精神的ストレスや緊張状態が不眠症の原因になることがあります。

【精神疾患】うつ病などが不眠症の原因になることがあります。

【持病】喘息やアトピー、高血圧、心臓病など、いろいろな持病が不眠症の原因になることがあります。

【飲んでいる薬】降圧剤・甲状腺製剤・抗がん剤などの薬やコーヒーなどに含まれるカフェイン、たばこに含まれるニコチンなどが不眠症の原因になることがあります。

【生活リズムの乱れ】昼夜が逆転した生活などは体内時計がおかしくなって不眠症の原因になることがあります。

【周りの騒音】寝る時に周りがうるさかったりすると不眠症の原因になることがあります。

病院での診断

医者の中には「眠れない」という一言だけで、特にあなたの不眠症のことを深く考えずに安易に睡眠薬を処方することがありますが、副作用もある薬を使って治療するのですから、受診する際には詳しく診断してもらう必要があります。

以下は医者に調べてもらわないといけない条件です。

【睡眠パターン】ベッドに入ってから寝ついた時間、起きた時間、途中で起きた時間や回数、まとまった睡眠以外で仮眠をとった時間などを調べる必要があります。これらから、不眠症の中でも、どんなタイプの不眠症かがわかります。

【就寝時刻前後の習慣】就寝前にテレビやスマホを見ている。興奮させるような音楽を聞いているなどを調べます。

【どんな薬を飲んでいるか?】睡眠に影響を与える薬を飲んでいるかどうか?を調べます。

【アルコール、カフェイン、タバコの使用のあるなし】アルコールやカフェイン、タバコを日常で使用しているかを調べます。

【ストレスの程度】精神的な影響が不眠症に関係しているかを調べます。

【病歴】現在、どういった病気があり、過去にどういった病気があったのかを調べます。

【体と睡眠の関係】エプワース眠気スケールなどを使って、体と眠気の影響を調べます。

病院での治療

病院での治療は、以下の2つが基本となりますが、実際の現場では、『ただ睡眠導入剤などを処方するだけ』というパターンが多いです。

【行動の修正】アルコールや昼以降のカフェインを控える。規則正しい生活を送るようにアドバイスする。

【睡眠薬の処方(要処方箋)】処方箋が必要な睡眠薬を処方します。

不眠症につながっていると考えられる生活のことや行動の改善のアドバイスをしてくれることがありますが、実際は個人差を考えていない一般論的なアドバイスのことが多いです。

また薬の治療では以下のように長期に渡る薬の処方でも不眠治療のガイドラインでは、薬を飲んだ効果定期的に調べもせず、なんとなく長期で睡眠薬を処方するのはやめるべきで、薬の治療だけでなく、行動療法や心理的にも治療するべきであると書かれています。

睡眠薬の適正使用ガイドライン 睡眠学会Online版:治療途中で薬物療法の妥当性を適宜評価することなしに、漫然とした⻑期処⽅をすることは厳に戒められるべきである。このような観点から、不眠治療においては、薬物療法と平⾏して、できるだけ早期から睡眠衛⽣指導や認知⾏動療法(Q4を参照)などの⼼理・⾏動的介⼊を⾏うことが推奨される。

不眠治療のための行動療法

月並みな一般論的な自分で取り組むことのできる行動療法です。

【行動療法】

  • 就寝・起床時間を一定にする。
  • 睡眠時間にこだわらない。
  • 太陽の光を浴びる。
  • 適度の運動をする。
  • 自分流のストレス解消法をもつ。
  • 寝る前にリラックスタイムをもうける。
  • 寝酒はしない。

行動療法が、なぜ、月並みな一般論的になりがちかというと、理想論がわかったところで、人それぞれ違う生活パータンに合わせてマネージメントしないと結局、続けることができないからです。

不眠症で使われる病院の薬

睡眠薬とよばれるものは鎮静薬と抗不安薬です。

以下のものがよく処方されます。

【入眠困難な場合】
マイスリー錠、アモバン、レンドルミン、ハルシオン、デパス錠、エバミール、ロラメット。

【中途覚醒や早期覚醒がある場合】
ドラール錠、ベンザリン錠、ユーロジン錠、ロヒプノール錠。

【眠りが浅い場合】
デジレル錠、テトラミド錠。

使用される薬の作用は、BZD1受容体に結合し、GABAA系の抑制機構を増強し鎮静、催眠 、抗不安、陶酔、抗けいれん、筋弛緩を強くするものや脳内でのセロトニンの再取り込みを邪魔するものであったりと、精神疾患でも使われることの多い、神経に関わる物質を薬の力で変えてしまいます。

不眠症の原因の項でも書いたように、不眠症は脳がおかしくなって眠れなくなったわけではありません。

薬はあくまで脳内を無理やり薬で変化させて眠らせるものなので、薬だけに頼らずに睡眠に関係する原因全部を医者と一緒に考え、その対策を考えないと薬には慣れや副作用もありますので、薬だけで治そうとは思わない方がいいです。

例えば、脳の中枢などは何の関係もない『アトピーのかゆみが強すぎて眠れない不眠症』などがあります。

この場合、中枢神経を変化させる病院の薬で強制的に眠ることはできますが、原因から考えると的外れなわけです。

病院は「科」が分かれているため、アトピーと不眠症を関連づけて治療しないこともありますが、こういった場合は、明らかに『持病と不眠症』が関係していますので、アトピーはステロイド、不眠症は鎮静剤とバラバラに考えずに、どちらも一緒に考えないと根本治療にはなりません。

結局、薬を飲まないで眠れるようにならなければ、『本当に治った』ことにはなりませんので、常に、薬をいつやめるか、その見通しを医者に相談するようにしないと、現実の治療現場では、漠然と薬を処方し続けることが決まったパターンですので、『薬をやめても本当に治ったかどうかの状態を確認できるよう』常に治療期間と経過を医者に相談してください。

患者さん側から積極的に根本治療の相談をしていかないと、ずっと薬を処方し続けることが多いです。それでは薬の力で一時的に眠れるようになっているだけで、『治った』ことにはなりません。

【引用先及び参考図書、Webサイト】
不眠症 e-ヘルスネット 情報提供
睡眠薬の適正使用ガイドライン 睡眠学会Online版 140828改訂
不眠症と日中の過度の眠気 MSDマニュアル家庭版
◯今日の治療指針:医学書院
◯治療薬マニュアル:医学書院
◯各種薬の添付文書

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

著者の詳細情報はこちら

FacebookTwitter