にきび(尋常性痤瘡)について(西洋医学的な解説)
こちらのページでは、ニキビ(尋常性痤瘡)について西洋医学的な解説をしています。
そして、病院では実際にどんな検査や診断、治療をしているのか、また実際の病院の治療はどんな結果になるのかを簡単にわかるようにまとめています。
病院に行くのを考えている人は参考にしてもらったらと思います。
尋常性痤瘡(ニキビ)
西洋医学ではニキビのことは尋常性痤瘡とよびます。
大きく2種類に分かれます。
1つは一般的な思春期にできるニキビです。
2つ目は大人になってからできるニキビです。
思春期の大半のニキビは細菌炎症が原因ですが、大人になってからのニキビは、原因が不明というか、人それぞれで、思春期のニキビの治療方法では治りません。
これはニキビの治療経験上の私見ですが、大人になってからのニキビは、顔アトピーといってよいような感じで、実際に細菌炎症と関係なく、髪の毛やマフラーなどが皮膚に触れることによって湿疹がひどくなるなどの強いアレルギー反応をもっている人が多いです。
たくさんの種類のニキビ
西洋医学の詳しい治療のガイドラインでは、痤瘡、面皰、炎症性皮疹、嚢腫・結節、炎症後の紅斑、炎症を伴わない嚢腫・硬結、(痤瘡)瘢痕など、ニキビや皮膚の状態に応じて分けていて、治療方法も微妙には違ってきますが、実際の診察現場では、細かく分けて治療していません。
それぞれの状態の原因もわかっていませんので、治療のガイドラインは理論倒れ感があります。
せいぜいが、軽度、中等度、重度に分けられて治療する感じですが、治療も結局は、どの状態であっても『抗菌薬とステロイド、プロトピックなどの免疫抑制剤、ケミカルピーリング』です。
思春期のニキビの原因
皮膚の毛包に皮脂、死んだ皮膚細胞、細菌などが詰まり、皮脂が毛孔から外に出られなくなります。
そこに普段から毛包に常在しているアクネ菌が、過剰に増殖して、皮脂を分解し、アクネ菌がアレルギー物質を作り出し、皮膚の炎症(ニキビ)が発生します。
なぜ、思春期にできるかというと、この時期はアンドロゲン(テストステロンなど)の分泌が増えることで皮脂腺が刺激され、皮脂の分泌量が過剰になるからです。
アンドロゲンは20代半ばまでには分泌が低下しますので、ホルモンとアクネ菌が原因の思春期型ニキビは自然に治っていきます。
ただし、『化粧品、洗顔石鹸、ローション』なども毛孔を詰まらせ、ニキビを悪化させることがあります。
逆に20代半ばをすぎて出てくるニキビは、思春期型のニキビではない可能性が高いということです。
思春期以外の大人ニキビ
ホルモン周期に合わせて、月経前にニキビがひどくなったり、チョコレートを食べたり、牛肉を食べ過ぎたりするとニキビが出てきたり、ストレスが強くなったりするとニキビが出てきたりします。
しかし、これらは西洋医学的には、原因がわかっていません。
原因がわかっていないというのに加えて、そもそもニキビの状態や出方も人それぞれで原因も人それぞれです。
チョコレートなどとニキビの関係は西洋医学的には何の関係もないとされているので、逆に言えば、病院では思春期以外の大人ニキビは原因を考えて、治療していくことはできないともいえます。
病院での診断
ニキビは、顔にできることが多いですが、肩や背中、腕上部にできることもあります。
病院ではニキビを4段階(軽症、中等症、重症、最重症)に分けて考えます。
これは医者がニキビの状態を診て診断します。
また、この時に『酒さ』でないかも診断します。
実際には、本人がニキビとして主張して診察に訪れれば、大体はそのまま流れでニキビとして診断しています。
病院での治療
最初の治療は治療といってよいのかわかりませんが、低刺激の石鹸で洗顔します。
毛包を詰まらせるかもしれない化粧品、洗顔石鹸、ローションも見直します。
ただ、医者は、どんな化粧品は毛包を詰まらせるなどのことはわかっていませんので、自分で見直す必要があります。
その次に抗菌薬でアクネ菌などを死滅させる方法を取ります。
抗菌剤は菌自体を死滅させますが、皮膚の常在菌というのは、悪い菌だけが取り付いて悪さをしているわけではなく、どれが良い菌とか、悪い菌だという分け方などができないほど複雑に菌同士が絡み合って存在しています。
抗菌剤で、菌を死滅させるということは、菌自体のバランスをぐちゃぐちゃに崩してリセットすることにもつながりますので、一時期は良くなっても、また悪くなってくるというのは抗菌剤を使った治療では、よくあることです。
また、大人ニキビの場合は、西洋医学ではチョコレートや油ものとニキビは関係ないことになっていますので、特に制限されないので、西洋医学的には、これらをジャンジャン食べても治っていくということになりますが、実際はひどくなります、
時折、健康的な食事をするようにアドバイスされることがありますが、『野菜をたくさん食べましょう』的な『中身のない曖昧なアドバイス?』が多いです。
ニキビで使われる病院の薬
尋常性痤瘡(ニキビ)の治療ガイドラインでは、ニキビを4段階(軽症、中等症、重症、最重症)にこと細かに分けて、それぞれの段階に応じて、診断、治療するように薦めていますが、実際の現場では、最も多いパターンは抗菌剤を処方し、それで治らなかったら、免疫抑制剤であるプロトピッック、ステロイド剤を処方するという感じです。
【塗り薬】
○ディフェリンゲル:皮膚の角質の分化を防ぎ、角質が詰まらないようにします。
つまり、思春期型のニキビには効果があるということです。
【塗り薬(免疫抑制剤)】
○プロトピック:免疫と炎症反応を抑えます。
免疫は外の病原菌とも常に戦っている体内の守りの要なので、諸刃の剣です。
ニキビを治すために免疫を抑制して、もっと重大な病気になるいかもしれない可能性も出てくるということです。
ちなみにニキビの原因にもなっている細菌を殺すのも免疫の役割です。
○ステロイド剤:ステロイドは、いろいろな強さのものや種類があります。
プロトピックと同様に免疫と炎症を抑えます。諸刃の剣になります。
ステロイド剤は、免疫抑制だけでなく、他に様々な副作用があります。
【塗り薬(抗菌剤)】
○ダラシンTゲル:抗菌剤です。
つまり、これも思春期型のニキビには効果があるということです。
○アクアチムクリーム:抗菌剤です。
つまり、これも思春期型のニキビには効果があるということです。
【飲み薬(抗菌剤)】
○ミノマイシン:抗菌剤です。
つまり、これも思春期型のニキビには効果があるということです。
○ルリッド:抗菌剤です。
つまり、これも思春期型のニキビには効果があるということです。
【漢方薬】
漢方薬がニキビに効果があるかのように処方する医者がいますが、漢方薬は直接、アクネ菌を殺菌したりする効果や免疫を抑えたりする効果は、一切ありません。
漢方は体内の臓器や血や水の巡りの不調を整えることによって、その不調によって出ている症状を治します。
よって、体質がどういう状態なのかを調べて、その不調になっている体質を調整します。
ニキビに効く漢方薬というものは存在しません。
そもそも、ニキビだけに効くのであれば、抗菌や免疫抑制などの具体的な効果があることが必要となりますが、そんな西洋医学的な効果はありません。
○桂枝茯苓丸加薏苡仁:肝の臓に熱を持ち、血も余分な熱を持つことによって血の巡りが悪くなり、上半身には余分な熱がこもり、下半身は熱が抜けて冷えるという体質で湿疹などができる体質に人に選ぶ漢方薬です。
病院で治療する際のポイント
西洋医学の薬の成分は効果が良いも悪いもはっきりとしているので、原因に対して効果のある薬を選びます。
病院の治療では、主に思春期に起こるニキビに対してアクネ菌に対する抗菌剤を使用し、アクネ菌が増殖するきっかけになる角質を減らす薬があります。
しかし、これらは、アクネ菌に対するものですから、背中や胸の上部などにもできる人も顔のように10代のようなホルモン過剰による皮脂があるわけではないので、20代半ば以降のニキビには的外れな治療になっていると思います。
大人ニキビには、ピーリングやプロトピック、免疫抑制剤を使いますが、これは、すでにできてしまったニキビの炎症をストップすることで、無くしますが、免疫という反応は人間が生きていく上で必須の機能なので、一時的にストップしたところで、意味があるのかと思います。
ピーリングに関しても、その時にできてしまったニキビはなくなるかもしれないですが、皮膚が常に体内からつくられるので、ニキビが体内の問題だった場合は、ピーリングし続けないと治りません。
漢方薬は医者は「ニキビに使うとされているものを使えば治る」と曖昧にしか理解していないようなので、そんな根拠のない適当な理論では漢方薬の効果を引き出せませんので、これも意味がないと思います。
全体的に病院の治療は、「10代の思春期のニキビだったら治るかもしれない」でも大人になっていれば、どれも的外れな治療という感じです。
漢方薬はとても有効的だと思います。
ただ、うちのように東洋医学的な体質を判断し、原因を割りだし、それに合わせた漢方薬や養生方法をとっている専門家を選ばないと治らないと思います。
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【引用先及び参考図書、Webサイト】
◯尋常性痤瘡治療ガイドライン
◯にきび(ざ瘡)メルクマニュアル家庭版
◯尋常性ざ瘡 メルクマニュアルプロフェッサー版
◯今日の治療指針:医学書院
◯治療薬マニュアル:医学書院
◯各種薬の添付文書