漢方薬相談ブログ

「なぜ、自分だけがこんなにも疲れやすいの?」を漢方的に考える

「なぜ、自分だけがこんなにも疲れやすいの?」を漢方的に考える

  1. 病院では健康か、そうでないか?でしか考えない
  2. 若い頃はなんとなく病気はカバーできる
  3. 自分の体質を知っておく
  4. 病院の検査では体調不良はわからない
  5. 漢方薬は病気にならないよう体質を整えるもの

患者さんから、ものすごく良い質問をいただきました。

それは、『なぜ、自分だけが周りの人よりも疲れやすいのか?』

何人かで、旅行や遊びに行った時に、他の人と同じようなことしかやっていないのに、自分だけがグッタリと疲れたり、その後、頭痛が続いたり、蕁麻疹がしばらく出ている。なんて人もいたりします。

もちろん、持病はなく、毎年の病院の検査では何も問題ありません。

これは一言で言ってしまうと『もともとの体質の差と老化』の影響なのです。

体のこととなると、皆さん、無意識に「西洋医学的な病気ではないか?」と考えがちですが大体はそうではないのです。

今回のお話では、人それぞれの体質差の正体を探っていきます。

この話を読んでいただければ、自分独自の体をどう付き合っていけばよいのかもわかるようになると思います。

病院では健康か、そうでないか?でしか考えない

西洋医学の感覚では、『健康か? 病気か?』の2つに1つ。

血液検査などをして、検査数値に何も問題がなければ、あなたがいくら辛いと訴えても『健康』ということになります。なんでやねん!

でもね。大半の人は、30歳を過ぎてくると、毎年の病院の検査で何も異常がなくても、体になにかしらに症状が続いたり、強い疲れが出てきたりするのです。

何かした時に体がダメージを受けやすいかどうかは『その人の生まれ持った体質』と関係しています。

西洋医学の理論からいけば、病気にさえならなければ、健康な状態でいられると思いがちですが、生まれつきの体質が弱い人は、何かの病気がなくても体の調子が悪くなったり、疲れがとれなかったりし、どこかで取り返しのつかない病気になる可能性もあります。

これは、逆に「ピアノが上手い」とか、「野球が上手い」というのと一緒で、変な言い方ですが、『病気になる才能』だって親や血縁の中から引き継ぎます。

体質というのは、良いことばかりではなく、悪いことも含めて全部が体質なのです。

なので、疲れやすい家系、病気の多い家系は、健康で丈夫な家系の人から見ると『そんなちょっとのことで疲れたり、体がおかしくなったりするの?』と不思議に思われたりしますが、何かの病気でなくともそんな体質の人もいるのです。

若い頃はなんとなく病気はカバーできる

若い頃は、例え、体質的に弱くともカバーができます。若さってすごい!

その分、若い時は逆に自分の体質の弱点に気付きにくいです。

そして早いと30代くらいから、老化の影響で今まで若さでカバーしていた体質の弱点が、ジワジワと出てきます。

これが出てくると、みんなと同じことをしていても、自分だけが「いつも遊んだ翌日から3日間ほど不調」みたいなことになったりします。

ですので、本当の意味で末長く健康で活動しようと思ったら、早く自分の体質に気づく方が得なんですね。

「自分だけが疲れやすいのが嫌だ」と落ち込まず、気持ちを切り替えて『自分の体質にはどんな弱点があるのか?』を知るようにして、それに対応した生活や行動をとれば、未来に何かの病気になることも防ぐことができます。

自分の体質を知っておく

ちなみに僕は「肝熱の証」というのと「気の上衝の証」という体質的な弱点を持っています。

ブログでも漢方薬での体質改善日記を書いていますが、春の陽の気が上がってくると体の中の気が高まり、気、血、熱が、頭に集まり、そこで留まります。

やる気はなくなり、頭はぼーっとします。背中が張って、手がほてります。

今は、自分の体質のことがわかっているので、「あー、またこの季節がやってきた」みたいな感じなので、そんな時期は不要な内熱がたまらないように気をつける生活を心がけます。

そしてその時期は、その体質に応じた漢方治療をします。

難儀なことに年々、この病気的な体質の期間が延びています。まさに『体質+老化』ですね。

病院の検査では体調不良はわからない

こういった弱点は、年齢とともにジャンジャン出るようになってきます。

残念なことに西洋医学の検査では、こういった弱点がわかることはありません。

検査は、もっと極端に悪くならないと表に出てこないのです。

病院で診断される病気というのは、「なんか、しんどい状態」を長く放っておいて、それが壊れた時に表に出てきます。

いわば、病院で診断される病気というのは、やや手遅れな状態なのですね。

病院でやっていることは、治すというよりも、これ以上悪くならないようになんとか現状維持ができるようにする応急処置をする感じです。

漢方薬は病気にならないよう体質を整えるもの

病気じゃなくても、誰でも30〜40歳になってくると『体質+老化』の体の不調やしんどさが出てきます。

この状態を病院では病気じゃないので、特に治療はできません。

(壊れてませんから「壊れてから来てください」って感じですね)

漢方薬の本当の治療の目的は、ちょっとずつ病気に向かっている病気的な体質を整えることです

すでに病気を持っている場合は、体質が整うことで結果的に治ります。

漢方薬は体質を整えるものなので、病名があろうとなかろうと、あなた自身が辛ければ治療ができます。

漢方薬の本当の使い方は『病気になって、手遅れにならないようにすること』なのですね。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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