
子宮筋腫を漢方薬で治療する方法
子宮筋腫の原因は、西洋医学的にはわかっていません。
45歳までに70%の女性に子宮筋腫ができると言われています。
筋腫自体は基本は良性腫瘍ですが、がんに発展する可能性がゼロではありません。
筋腫といっても、人によって数や大きさが様々なので、子宮筋腫があるから絶対に治療しないといけないとは限りません。
問題は子宮筋腫があると経血が多かったり、PMS(月経前症候群)が強かったり、月経痛がひどかったり、便秘はや尿などの症状が、子宮筋腫が関わっていることもあることです。
子宮筋腫だけが原因で起こるわけではないですが、子宮筋腫が関わっている場合は、筋腫を取り除かないと、その症状がなくならない場合もあります。
特に筋腫が大きな場合は、大量の経血と関わっていることがあります。
病院の子宮筋腫の治療
婦人科での治療は、ホルモン剤、筋腫もしくは子宮全体を取り除く手術です。
子宮筋腫の原因はわかっていませんが、エストロゲンなど、月経に関わるホルモンの影響を受けて大きくなりますので、ホルモン剤によって、ホルモンを抑えようとしますが、女性ホルモンは、『量が多いか、少ないか』で成り立っているわけではなく、また人それぞれのホルモンバランスがありますので、ピルのようなホルモン剤で月経を止めたりしてしまえば、確かに筋腫の拡大は防げますが、かなり消極的な治療になってしまいます。
大きくなりすぎた筋腫は、手術で取り除いたり、大きすぎたり、数が多かったり、筋腫ができている場所によっては、子宮全体を取り除きます。
手術は確かに筋腫自体を取り除けますが、場所によっては、手術で取り除けないこともあります。
また、筋腫は菌やウィルスが原因で作られるわけではなく、自分自身の体で作っていますので、出来上がった筋腫を取り除いても、体質が変わらなければ、また新たに筋腫ができてくる可能性があります。
子宮全体を取り除く手術は、筋腫はなくなりますが、子宮もなくなりますので、果たして、それが治療と言えるのかどうか、僕は疑問です。
治療というよりも『やむを得ない応急処置』ですね。
病院の子宮筋腫の漢方治療の方法
病院でも、漢方薬を使いますが、医者は、病気の原因である証とうものを分析できませんので、ツムラやオースギなどの漢方薬メーカーからもらったマニュアルをみてみましょう。
オースギの医療用漢方マニュアルには、子宮筋腫という項目はありませんでした。
ちょっとここで、医者が使っている医療用漢方マニュアルを説明すると、マニュアルに各病名が書いてあります。
その病名のところにいくつかの漢方薬が書いてあります。
ほとんどの医者は東洋医学的に体質を診断できないので、このマニュアルに書いてある漢方薬を出すだけです。
ツムラの漢方マニュアルをみると『子宮筋腫』という項目はありませんでしたが、近いもので『子宮内膜炎や子宮並びにその付属器の炎症』という項目がありました。
そのマニュアルから抜粋します。
ツムラ医療用漢方製剤より:
子宮内膜炎や子宮並びにその付属器の炎症:桂枝茯苓丸
これだけです。
多分、これ以外も1、2ヶ月に一度、参加するツムラの勉強会で小耳に挟んだ情報で当帰芍薬散、折衝飲などを処方する医者もいるでしょうが、結局、体質もみないマニュアルに変わりはありません。
こんな理由も根拠もない選びかたでは、治るか、治らないかは、医者と一緒に運にまかせるしかありません。
本当の子宮筋腫の漢方治療の方法とポイント
それでは、本来の子宮筋腫の漢方治療の方法を紹介します。
ここからは、マニュアルでない本当の漢方治療の方法です。
子宮筋腫は、月経周期やホルモンと関係していますが、その月経周期や女性ホルモンのリズムは、血の巡りや水の巡り、血の量、気のバランスなどなど、全身の状態が関わっています。
簡単に言えば、月経は、自分の体と別のものとして機能しているわけではないので、『全身の状態をみて、全身の不調を治さなければ、月経の不調も治りません』
子宮筋腫の治療の目標として、筋腫の塊を取り除かなければいけないようなイメージがあるかもしれないですが、腫瘍(筋腫)が大きくなっていくのは、なぜなのかを考えなければいけません。
筋腫は、漢方では血や水の巡りの悪さから起こっていると考えます。
漢方では瘀血の証と言うのですが、漢方での血や水の巡りの悪さというのは、血管の部分的な血の巡りの悪さのことではありません。
「糖で血液がドロドロになって、どこの血管かわからない血管の血の巡りが悪い」というフワ〜とした話ではなく、漢方での血の巡りの悪さは、全身、くまなく巡らないといけない血の巡りが、体のどこで偏って溜まっているのかをみていきます。
筋腫の方は、いうまでもなく、子宮や子宮周辺の卵巣、大腸あたりで血の巡りが悪くなり、月経リズムに合わせて、血の巡りが悪くなったり、血が少なくなったりというバランスの悪い状態が続いているということです。
これにイボ体質的なところがあるという要素を加えると筋腫の人のベースの体質となります。
血の巡りが悪い人が多いからといって、『だったら血の巡りを良くすればいいんだぁ〜』って、漢方はそんな単純で簡単なものではないですよ。
ここから更に、人それぞれ熱がこもりやすい、いや熱はこもらないけれど足が冷える。
手も足も冷えて、胃腸が弱いなどなど、本当に、人それぞれ状態が違ってきますので、ベースの傾向にプラスして、人それぞれの状態を分析していきます。
筋腫の状態や体質によったら、出血の多い月経中は止血の漢方薬を使い、月経後半は、血を巡らせる漢方薬に変えて、排卵期以降からは、血を補いつつ、巡らせていく漢方薬に変えてと合計3種類の漢方薬を期間を区切って入れ替えていく方法をとったりもします。
いずれにしろ、『子宮筋腫に良い漢方薬』なんてざっくりしたものはなく、全身を理論的に分析して、原因をはっきりさせて、原因に対応できる漢方薬をステージごとに選んでいきます。
次に子宮筋腫の人の原因にはどんなものがあるのかを紹介します。
漢方的な子宮筋腫の原因(証)
漢方では、子宮筋腫という病名に効く漢方薬というものはありません。
ホルモン値なども関係なく、人それぞれの原因を調べます。
漢方では以下のような原因(証)で子宮筋腫が起こっていると考えます。
これらの原因は、人によってそれぞれです。
また、どれか1つが原因とも限りません。
通常は、複数、絡み合っています。
以下が、全てではないですが、PMS(月経前症候群)の原因となる原因(証)です。
【瘀血の証】血の巡りが悪くなると、子宮や卵巣に巡る血が、うまく巡らなくなるので、子宮、大腸周辺に血が滞るようになり、古い血が残るようになります。
新鮮な血の入れ替えがのペースが遅くなると、それは月経の遅れや乱れにつながり腫瘍(筋腫)ができやすくなる原因(体質)となります。
【裏の実熱証】
瘀血による血の巡りの悪さは、大腸にも及びます。
血は臓器を活動させるためのエネルギー源なので、血の巡りのペースが遅くなると、大腸の活動が弱くなり、便が出し辛い便秘になります。
便秘になると不要な熱もこもるようになり、便は、ますます硬くなり、血の滞りを高め、腫瘍(筋腫)ができやすくなる原因(体質)となります。
【上焦の熱証】
血の滞りは不要な熱を生み出し、不要な熱は、体の上へ上へと上がっていき、のぼせ、特に理由のないイライラ、頭痛や耳鳴り、めまいを起こします。
これらの症状がある人は、上焦の熱証が腫瘍(筋腫)ができやすくなる原因(体質)につながっています。
起こるタイプの人に多い原因(体質)です。
【脾胃の虚証】
月経時の出血が多い人は、出血は多いのですが、体全体で使える血が徐々に少なくなっていく血虚の証となります。
胃や腸など、消化器全般の調子が悪ければ、血をつくれないので、ますます、子宮筋腫による症状が、いろいろと起こってきます。
脾胃の虚証があると、筋腫の治療の速度が、ものすごく遅くなるので、これらの症状がある人は、脾胃の虚証という原因を取り除いておく必要があります。
【血虚の証】
月経時に出血が多いと血が不足していきます。
血が少なくなると子宮周辺の血の巡りの活性化がなくなり、ますます。子宮周辺の血の巡りが悪くなり、子宮筋腫がひどくなります。
腫瘍(筋腫)ができやすくなる原因(体質)としては、こんな感じです。
漢方を勘違いした先生が、よく『あなたの子宮筋腫は瘀血が原因』など、何か1つの原因で子宮筋腫になっているかのように説明することがありますが、現実は、【瘀血の証】をベースに【上焦の熱証】が合わさっていたり、【瘀血の証】も強さの段階があり、ものすごく血の巡りの悪い人や中くらいの血の巡りの悪さなど、血の巡りを1つとっても、いろいろなタイプがあります。
また、これらの原因を解決する漢方薬だけでなく、破血といって、血の塊を潰す生薬を体質のタイプを見極めて使うことも多いです。
気になる漢方薬の効果は?
漢方薬の効果は、つまりは、その「証(原因)」を治すということです。
瘀血の証なら、血の巡りを促します。
なので、子宮筋腫の漢方治療で重要なのは、体質をどれだけ正確に診断できるか
これにかかっています。
体質さえ正確に診断できれば、使える漢方薬は自ずと決まってくるのですね。
ということで『子宮筋腫だったら桂枝茯苓丸や折衝飲』というのはあまりに低レベルで浅いマニュアルの選び方なので、そんな方法では、都合よく治らないことがわかっていただけると幸いです。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 月経前症候群 メルクマニュアル(家庭版)
◯ 子宮筋腫、平滑筋種(プロフェッショナル版)
◯ 子宮筋腫の診断と治療 公益社団法人日本産婦人科学会
◯ 子宮筋腫 公益社団法人日本産婦人科学会
◯ 今日の治療指針:医学書院
◯ 治療薬マニュアル:医学書院
◯ 今日の治療指針:医学書院
◯ 治療薬マニュアル:医学書院
◯ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯漢方方意辞典:緑書房
◯漢方診療医典:南山堂
◯漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯中医処方解説::神戸中医学研究会
◯平成薬証論:メディカルユーコン
