漢方薬相談ブログ

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蕁麻疹(じんましん)を漢方薬で治療する方法

蕁麻疹(じんましん)には、いろいろなタイプがあります。

アレルゲンになるピーナッツやそば、エビ、カニなどの甲殻類などを食べた場合になる蕁麻疹。

これらの食品に限らず、食品添加物に反応して蕁麻疹を起こすことがあります。

急に寒くなったり、暑くなったりすると湿疹が出てくる蕁麻疹や薬(特に抗菌剤)が蕁麻疹を引き起こすこともあります。

薬に関しては鎮痛剤でひどい蕁麻疹を起こす人もいます。

また、昆虫やある植物がアレルゲンとなって蕁麻疹を起こすこともあります。

要するに、特定の食べ物や薬が引き起こす蕁麻疹以外は、西洋医学的には原因はわかりません。

アレルギー体質とざっくりした適当な診断で済まされます。

病院の蕁麻疹(じんましん)の治療

皮膚科での蕁麻疹の治療は、炎症を抑える抗ヒスタミン剤とステロイドです。

以上、これで終わり。

いつも、思いますが、皮膚科の医者なんて、最早、いらないんじゃないかと思います。

だって、どうせ、原因はわからないし、全国、どこの皮膚科に行ったって、抗ヒスタミン剤とステロイドの処方ですよ。

抗ヒスタミン剤とステロイドの自動販売機をおいとけば、皮膚科医の代わりができると思うのですが。

悲しいことに抗ヒスタミン剤もステロイド剤も化学的にも蕁麻疹につながる炎症を一時的に抑えるだけです。

薬の効果のある何時間が切れてしまえば、見事に再発します。

対症療法の抗ヒスタミン剤とステロイド剤でも治ることはありますが、「なぜ、治るのか?なぜ治らないのか?」医者は、どちらもわかっていません。

これって、『運』まかせ?

ピーナッツや甲殻類など、蕁麻疹のアレルゲンになっているものを取り除くということが、治療になっていますが、そんな簡単にわかるなら、最初から、病院に行ってないですよね。

病院の蕁麻疹(じんましん)の治療方法

病院でも、漢方薬を使いますが、医者は、病気の原因である『証』というものを分析できませんので、漢方薬の使い方が、まるでデタラメ、テキトーです。

要は、人それぞれの体質や病気の原因を何も考えずに、ツムラなどの漢方薬メーカーからもらったマニュアルだけみて漢方薬を選びます。

僕も医者が使っていマニュアルを持っていますので、そこから抜粋します。

ツムラ医療用漢方製剤より:
月経困難症:葛根湯、十味敗毒湯、大柴胡湯、消風散、茵蔯蒿湯、茵蔯五苓散。

医者のマニュアルって、そんなに真剣にみたことなったのですが、これはすごいです。

葛根湯は、体内に充満しているものを体の外側へ吐き出す効果があり、これを利用して、蕁麻疹を治しますが、かなり高い確率で蕁麻疹が爆発します。

もちろん、一旦、爆発させて、治すのですが、実は葛根湯を使うのは急性に限ります。

長い間、悩んでいる蕁麻疹に葛根湯を使って、蕁麻疹が爆発した場合は、それは治してるのではなく、単に治療を間違っているだけなので、葛根湯を飲んで、蕁麻疹が爆発し、1週間経っても、蕁麻疹が引かない人は、「本当に漢方のこと、わかっているのですか?」と医者を問い詰めたほうがいいですよ。

おそらく、漢方に関して、ただの無知だと思うので。

大柴胡湯もチャレンジャーですね。

これ、大黄が入っていて、頑固な便秘でなければ、下痢になります。

逆に普段、普通便や軟便気味の人が下痢にならないのであれば、漢方薬の効果が薄すぎるじゃないかと思います。

このうちのどの漢方薬を選ぶのか、その根拠はありません。

茵蔯蒿湯、茵蔯五苓散も胃の弱い人なって、絶対、使っちゃだめですが、アホでもわかるようにつくってあるマニュアルのはずなのに、どの漢方薬も一歩間違えば副作用コースで、医者もなかなかのチャレンジャーです。

通常は、その人独自の病気の原因(病気的な体質)を分析、判断して、その状態を調整できる漢方薬を選びますが、当然、医者は体質を分析できないので、多分、前の講演会で小耳に挟んだ、漢方薬を選んだり、ツムラなどの漢方薬メーカーの営業が持ってくる臨床データ(何人かの人に〇〇の漢方薬が効果的だった。という、漢方には何の役にも立たないデータ)を元に選んだりと、漢方の治療理論以外の理由で漢方薬を選んでいると思います、

蕁麻疹(じんましん)の漢方治療の方法とポイント

それでは、本来の蕁麻疹(じんましん)の漢方治療の方法を紹介します。

ここからは、本当の漢方治療の方法です。

おおまかには、赤いプツッとした湿疹でかゆみの強いものは、体内の不要な熱の滞りと肝の臓の機能が関わっていることが多いです。

膨隆疹といって、こんもりと丘のように盛り上がったり、かくとミミズ腫れ状につながる湿疹は、水の巡りが関わっていることが多く、体力がなかったり、冷えが関わっていることが多いです。

温度差やストレスなどの何かのキッカケで湿疹が出て、すぐにひいてしまう湿疹は、気の滞り(自律神経)が関わっています。

アレルゲンでない食べ物を食べても湿疹が出る人は、消化器である脾の臓が関わっています。

急性の場合は、熱や肝の臓か、水の巡りが関わっていることが多く、冷えがあったり、体力がない人の蕁麻疹は、慢性化しやすいです。

最初に調べなければならないのは、

『蕁麻疹はいつから起こっているか?』

『蕁麻疹はどんな時に発生するか?』

『体のどこの場所にどんな状態の湿疹が発生するのか?』

この3つは最低、知らないといけません。

ここから、更に、その人独自の病気の原因である『証』を分析して、その証(原因)を治せる漢方薬を選びます。

逆に『証』(原因)がわかってないのに、漢方薬を選ぶことは不可能です。

漢方的な蕁麻疹(じんましん)の原因(証)

漢方薬には、蕁麻疹の湿疹やかゆみを直接、抑える効果も成分もありません。

熱や水や血などなど、人それぞれの蕁麻疹を起こしている原因を調べます。

漢方では以下のような原因(証)で蕁麻疹(じんましん)が起こっていると考えます。

これらの原因は、人によって、それぞれです。

また、どれか1つが原因とも限りません。

普通は、複数、絡み合っています。

以下が、全てではないですが、蕁麻疹(じんましん)の原因となる原因(証)です。

【表の寒証】体表面が冷えて、体表面に不要になった水が滞り、蕁麻疹を起こす原因になります。

慢性蕁麻疹の方が、こういった原因は少なく、急性の人の原因です。

湿疹も赤い尖った湿疹は少なく、膨隆疹新になることが多いです。

【表の熱証】
体の表面に不要な熱がこもり、それが蕁麻疹を起こす原因になります。

こちらも急性の蕁麻疹で起こることが多いです。

【上焦の熱証】
肩から上の体の上部に不要な熱がこもり、それが蕁麻疹を起こす原因になります。

顔や首、肩、胸の上部、背中に湿疹が出やすく、赤くかゆみの強い湿疹が出ることが多いです。

【燥証】
先の「上焦の熱証」の時間が経つと、こちらの燥証が蕁麻疹を起こす原因になります。

汗をかいた後にさーっと皮膚が乾燥する人なんかに多いタイプです。

【胸脇の熱証】
胸あたりの熱と気の巡りが悪くなり、その熱が顔にあがっていて、気の滞りが蕁麻疹を起こす原因になります。

「気」が関わっているので、月経前や排卵期に湿疹がひどくなったり、精神的な緊張が高くなると蕁麻疹が発生したりする体質タイプです。

【裏の実証】
腹部の深く、大腸に熱がたまることによって、その熱が蕁麻疹を起こす原因になります。

便秘などが起こるタイプの人に多い体質タイプです。

【脾胃の虚証】
胃や腸など、消化器全般が弱っていることで、消化機能が悪くなり、未消化のものが増え、アレルゲンを増やし蕁麻疹を起こす原因になります。

胃の水の吸収が落ちることによって、その不要な水がアレルギー反応を誘発したりする体質タイプです。

【水滞の証、腎の虚証】
不要になった水が体にとどまり、余計なアレルギー反応を起こし、蕁麻疹を起こす原因になります。

水自体の巡りが悪いタイプと腎の臓の機能が低下して水の巡りや処理をうまくできない体質タイプがあります。

【瘀血の証】
血の巡りが悪くなると血熱といって、余分な熱を生み出し、それが蕁麻疹を起こす原因になります。

月経リズムが悪かったり、生理や排卵、高温期のタイミングで湿疹がひどくなったりする体質タイプです。

【気証】
漢方では気はいろいろな捉え方がありますが、ここでは自律神経やストレスと関係します。

寝不足やストレス(主に精神の緊張)がきっかけが蕁麻疹を起こす原因になります。

寝つきが悪かったり、ストレスが体が硬く緊張したりします。

漢方を勘違いしたイタイ先生が、よく『あなたの蕁麻疹は陰虚タイプ』など、何か1つの原因で蕁麻疹が発生しているかのように説明することがありますが、現実は、【水滞の証】に更に【胸脇熱の証】と【上焦の熱証】が合わさったりと上記の証が3つ、4つ、合わさっていることが多いです。

気になる漢方薬の効果は?

漢方薬の効果は、つまりは、その「証(原因)」を治すということです。

ややこしいですが、例えば、水滞の証なら、水が滞っているので、水の巡りを促し、瘀血の証なら、血の巡りを促します。

なので、蕁麻疹(じんましん)の漢方治療で重要なのは、体質をどれだけ正確に診断できるか

これにかかっています。

体質さえ正確に診断できれば、使える漢方薬は自ずと決まってくるのですね。

ということで『蕁麻疹(じんましん)だったら十味敗毒湯や大柴胡湯j』というのはあまりに低レベルで浅いマニュアルの選び方なので、そんな方法では、都合よく治らないことがわかっていただけると幸いです。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
じんま疹 メルクマニュアル(家庭版)
蕁麻疹(プロフェッショナル版)
蕁麻疹診療ガイドライン:日本皮膚科学会ガイドライン
◯ 今日の治療指針:医学書院
◯ 治療薬マニュアル:医学書院
◯ 今日の治療指針:医学書院
◯ 治療薬マニュアル:医学書院
◯ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯漢方方意辞典:緑書房
◯漢方診療医典:南山堂
◯漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯中医処方解説::神戸中医学研究会
◯平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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