漢方薬相談ブログ

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尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)を漢方薬で治療する方法

尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)には、いろいろなタイプがあります。

乾癬性関節炎は、関節に痛みと腫れを起こします。

乾癬性紅皮症では全身の皮膚が赤くなり、鱗屑(うろこ状のくず)がたくさん発生します。

膿疱性乾癬は膿の詰まった水疱(膿疱)が、体のあちこちに発生します。

掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は膿疱タイプの乾癬です。

このタイプは、膿疱が手や手のひら、足に発生します。

西洋医学は市役所のややこしい部署のように病名を細かく分けるのが好きですが、結局、治療方法はどれも変わりません。

病院だと医者は病名マニュアルをみて、漢方薬を選びますが、漢方はもともと、体質をみて治療しますので、乾癬の種類などは関係なく、『その人の体質とその体質から現れている乾癬』を分析して治療します。

病院の尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)の治療

病院や皮膚科での尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)の治療は、ステロイド剤、細胞増殖抑制剤、抗ガン剤、光線治療です。

いやー病院や皮膚科って、ステロイド、好きですよね

治療薬といえば、ステロイド。

逆に冷静に考えれば、ステロイドしか処方していない感じなんだから、医者いらないですよね。

だって、どんな皮膚病だって、どうせステロイド!

例のごとく、西洋医学的に尋常性乾癬は原因不明です。

もう一つ、西洋医学の滑稽なところは、使う治療薬の効果や作用機序が、ほとんど不明なんです。

どういうことかというと、『薬が効いた人も、なんで効いたのかわからない』ということ。

科学的に解明できていません。

ちなみに使用する薬は、ざっくり説明すれば、炎症、免疫を抑えて、細胞の増殖を抑えて、湿疹の発生を抑え、乾癬の発生を抑えます。

言うまでもなく、どれも一時的に症状を抑えるものです。

ですので、塗り続けたり、飲み続けても、根本的に治る理屈も道理もありません。

ただ、炎症を抑えることは有効ですので、根本治療のために、しっかり体質を分析し選んだ漢方薬を飲みながら、併用するのは、良いのではないかと思います。

ただし、ここでお話している漢方薬とは、東洋医学的に体質(証)を分析し選んだものです。

保険適用の医者がやっているような病名マニュアルで選んだ漢方薬なんて、適当すぎて、さすがに尋常性乾癬に対しては、運がよくても体質に合うことはないと思います。

病院の尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)の漢方治療の方法

病院でも、漢方薬を使いますが、医者は、病気の原因である『証』というものを分析できませんので、漢方薬の使い方が、まるでデタラメ、テキトーです。

要は、人それぞれの体質や病気の原因を何も考えずに、ツムラなどの漢方薬メーカーからもらったマニュアルだけみて漢方薬を選びます。

僕も医者が使っていマニュアルを持っていますので、そこから抜粋しようとしましたが、さすがに難病指定の尋常性乾癬の病名項目はなかったです。

マニュアルだのみのお医者さん、どうするのでしょう?

とりあえず、アトピーマニュアルの「十味敗毒湯とか消風散でも出しとけ!」って感じになるのでしょうか???

それとも、お得意!のツムラなどの前の講演会で、『ある先生が乾癬に〇〇の漢方薬がいいよ!』という話を鵜呑みにして、体質も分析せずに、その小耳に挟んだ漢方薬を処方するのかな?

医者って、タテマエでエビデンス(科学的根拠)とか叫びながら、結構、『近所のおせっかいなオバちゃんが勧めるサプリメント!』的なノリで処方しますからね。

尋常性乾癬の漢方治療の方法とポイント

それでは、本来の東洋医学理論に則った尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)の漢方治療の方法を紹介します。

ここからは、本当の漢方治療の方法です。

漢方は、人それぞれの体質をみていくので、基本的に〇〇タイプに〇〇漢方薬というパターン化されたものはないし、また、そういったパターン化は、漢方薬で、どんどん、治せなくなるので、パターン化はご法度ですが、かといって、いきなり、何百種類もある体質のタイプを振り分けられるわけではないので、大まかな特徴をつかんで治療方針を決めます。

大きくは、乾癬がジュクジュクタイプか?

乾燥タイプか?

または、どちらも混ざっているタイプか?を分析します。

「上半身は、乾燥タイプで足はジュクジュクタイプ」とか、「手足は乾燥タイプで、その他は、ジュクジュクまでいかないけれど乾燥していない」みたいな複雑な感じが、むしろ現実では標準的だったりします。

そして、見た目だけで判断してはいけません。

そして、漢方の体質分析で重要なのは、

『尋常性乾癬はいつから起こっているか?』

発生した時はどんな生活環境で、どんな体調だったかをできる限り思い出してもらうとよいです。

起こったきっかけが、とても重要なのです。

もちろん、何か1つの原因で発生したのではなく、じわじわと、いろいろな負担が重なって、乾癬が発生した場合もあります。

その場合も、どんな原因が積み重なり、それが体にどんな負担を与えていったかを漢方医が想像しなければいけません。

うちの師匠が言ってた、日本の医者の不得意な想像です。

『尋常性乾癬はどんな時に発生するか?もしくは、どんなきっかけでひどくなるか?』

この時、季節を調べることも重要です。

ジュクジュク型は夏にひどくなるし、乾燥型は、秋から冬にかけてひどくなります。

肝臓系が弱点の場合は、春にひどくなります。

そして、これらが全部、混じっていて、年中悪いというタイプもいます。

本当に人それぞれですよね。

『体のどこの場所にどんな状態の湿疹が発生するのか?』

乾癬の発生している場所によって、主に「水が原因なのか?」「熱が原因なのか?」「どの臓器が弱いのか?」の当たりをつけることができます。

この3つは最低、知らないといけません。

もし、尋常性乾癬の漢方相談で、このポイントをしつこく詳しく聞いてこないなら、そこでは相談しないほうがよいと思います。

多分、マニュアル的に選ぼうとしているはずですので。

ここから、更に、その人独自の病気の原因である『証』を分析して、その証(原因)を治せる漢方薬を選びます。

逆に『証』(原因)がわかってないのに、漢方薬を選ぶことは不可能です。

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漢方的な尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)が起こる原因(証)

漢方薬には、尋常性乾癬のかゆみや湿疹を直接、抑える効果も成分もありません。

漢方では、本来の正常な体内の働きが何らかの影響で邪魔されて、その体内の不調を知らせるために乾癬のような症状を引き起こしていると考えます。

乾癬の体質分析のポイントは、下記の人それぞれの原因にプラス、『肝臓系の調整』を同時に行わないといけません。

漢方では以下のような原因(証)で乾癬が起こっていると考えます。

これらの原因は、人によって、それぞれです。

また、どれか1つが原因とも限りません。

普通は、複数、絡み合っています。

以下が、全てではないですが、乾癬の原因となる原因(証)です。

【表の水滞の証】
肌などの体表面に不要な水が滞って、それが湿疹をつくります。

ジュクジュクタイプに多い原因です。

注意しないといけないのは、時期によって、体表面の水の巡りが悪くなり、逆に水分不足になって、乾燥がひどい場合もあります。

漢方は、水が多いからジュクジュクとか、少ないから乾燥ではなく、皮膚表面の調整不足と考えるのですね。

それが漢方的発想です。

【表の熱証】
体の表面の炎症がひどかったり、不要な熱がこもり、それが乾癬を起こす原因になります。

乾燥タイプに多いです。

皮膚が黒ずんで、うろこ状の皮膚がポロポロはがれたり、皮膚の熱感が強かったりします。

【上焦の熱証】
肩から上の体の上部に不要な熱がこもり、それが乾癬を起こす原因になります。

顔や首、腕、肩、胸の上部、背中に乾癬が出やすく、かゆみが強かったりすることが多い体質タイプです。

【燥証】
上記の「上焦の熱証」で時間が経つと、こちらの燥証が乾癬を起こす原因になります。

皮膚が黒ずんで、うろこ状の皮膚がポロポロはがれたり、皮膚が割れて出血しやすくなったりする体質タイプです。

【胸脇の熱証】
胸あたりの熱と気の巡りが悪くなり、その熱が顔にあがっていて、熱と気の滞りが乾癬を起こす原因になります。

「気」が関わっているので、睡眠障害があったり、精神的な緊張が高くなると乾癬がひどくなったりする体質タイプです。

【血虚の証】
上焦の熱証や胸脇の熱証と同時に併発したり、これらの状態が長くなると血が不足していき、それが乾癬の原因となります。

落ち込み感が激しかったりと精神障害的なものが出てきたり、立ちくらみやめまいなどが起こることが多くなる体質タイプです。

【脾胃の虚証】
胃や腸など、消化器全般が弱っていることで、消化機能が悪くなり、未消化のものが増え、炎症反応が高くなることが乾癬を起こす原因になります。

胃の水の吸収が落ちることによって、その不要な水がアレルギー反応を誘発したりと水滞の証とも併発しやすい体質タイプです。

【水滞の証、腎の虚証】
不要になった水が体にとどまり、余計なアレルギー反応を起こし、乾癬を起こす原因になります。

体の水気が多いので、ジュクジュク型の乾癬が多かったりします。

水自体の巡りが悪いタイプと腎の臓の機能が低下して水の巡りや処理をうまくできない体質タイプがあります。

【瘀血の証】
血の巡りが悪くなると血熱といって、余分な熱を生み出し、それが乾癬を起こす原因になります。

乾燥タイプに多いです。

女性だと月経リズムが悪かったり、生理や排卵、高温期のタイミングで乾癬がひどくなったりする体質タイプです。

【裏の実証】
腹部の深く、大腸に熱がたまることによって、その熱が乾癬を起こす原因になります。

便秘などが起こるタイプの人に多い体質タイプです。

【気証】
漢方では気はいろいろな捉え方がありますが、ここでは自律神経やストレスと関係します。

寝不足やストレス(主に精神の緊張)がきっかけが乾癬を起こす原因になります。

寝つきが悪かったり、緊張しやすい人に体質タイプです。

漢方を勘違いしたイタイ先生が、よく『あなたの乾癬は陰虚タイプ』など、何か1つの原因で尋常性乾癬が発生しているかのように説明することがありますが、現実は、【上焦の熱証】に更に【胸脇熱の証】と【血虚の証】が合わさったりと上記の証が3つ、4つ、合わさっていることが多いです。

また、乾癬の場合は、こういった人それぞれの体質タイプ【上焦の熱証】+【胸脇熱の証】+【血虚の証】にくわえて、炎症を鎮めることと、肝臓機能を調整することを合わせて『5つの要素』を考えていく必要があります。

この時に注意してほしいのは、何種類も原因があるから、何種類も漢方薬を飲むのではなく、原因は1つの体の中で起こっているので、なるべく、総合的に調整してくれる1種類の漢方薬を選びことです。

気になる漢方薬の効果は?

漢方薬の効果は、つまりは、その「証(原因)」を治すということです。

ややこしいですが、例えば、上焦の熱証なら、熱が上半身で滞っているので、上半身の熱を体の下方へと巡らせます。

瘀血の証なら、血の巡りを促します。

なので、乾癬の漢方治療で重要なのは、体質をどれだけ正確に診断できるか

これにかかっています。

体質さえ正確に診断できれば、使える漢方薬は自ずと決まってくるのですね。

ということで乾癬だったら〇〇の漢方薬と決めつけで選ぶのは、あまりに低レベルで浅いマニュアルの選び方なので論外!

そんな方法では、都合よく治らないことがわかっていただけると幸いです。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
乾癬 メルクマニュアル(家庭版)
乾癬(プロフェッショナル版)
尋常性乾癬:東京医科大学
◯ 今日の治療指針:医学書院
◯ 治療薬マニュアル:医学書院
◯ 今日の治療指針:医学書院
◯ 治療薬マニュアル:医学書院
◯ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯漢方方意辞典:緑書房
◯漢方診療医典:南山堂
◯漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯中医処方解説::神戸中医学研究会
◯平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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