漢方薬相談ブログ

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パニック障害の漢方治療の方法

パニック障害は漢方で治療する場合、心療内科のように薬の効果だけで治すわけでありません。

漢方では精神的な原因も一緒に探しながら、体と心の両方を治療していきます。

病院のパニック障害の治療

病院では、抗うつ薬,ベンゾジアゼピン系薬剤などの薬を使って治します。

薬の他に曝露療法や認知行動療法などの薬とは違う治療方法もあります。

曝露療法は、パニックやパニックの発端となった恐怖と向かい合わせて、逃避しないようにして、恐怖に慣れさせたり、恐怖と症状が関係のないことを認めさせたりする。

認知行動療法は、「その状況を避けないこと」「自分の心配に根拠がないことを理解すること」「ゆっくりとした一定のペースでの呼吸,またはリラクゼーションを促す他の方法で対処すること」をすすめる。

現実の治療は、ほぼ、薬物療法で、一般論的な役に立たなさそうなアドバイスをちょこっとされる程度です。

今のところ、曝露療法や認知行動療法など、投薬以外の治療方法に真剣に取り組んでいる病院や医者の話は聞いたことがありません。

精神疾患系の薬は、吐き気などの症状を一時的に抑えることはできますが、まさか、薬物がパニックの元となどの原因に対する考えを変えてくれるわけでもないので、薬物療法で根本的に治ることはありません。

病院の蕁麻疹(じんましん)の治療方法

病院でも、漢方薬を使いますが、医者は、病気の原因である『証』というものを分析できませんので、漢方薬の使い方が、まるでデタラメ、テキトーです。

要は、人それぞれの体質や病気の原因を何も考えずに、ツムラなどの漢方薬メーカーからもらったマニュアルだけみて漢方薬を選びます。

僕も医者が使っていマニュアルを持っていますので、そこから抜粋します。

ツムラ医療用漢方製剤より:
精神不安:加味帰脾湯。

他にもパニックとはうつとか関係なく、ざっくりと精神疾患には、マニュアル的に抑肝散を使います。

ツムラ自身が、体質なんか関係なく、勧めているようです。

ちなみに加味帰脾湯は、上焦の熱証、脾胃の虚証、虚証という3つの原因をもっているものに使います。

簡単に説明すると胃腸が弱く、胃もたれ、吐き気があり、貧血があり、体力がなくて、不眠気味で、のぼせや動悸などがある人です。

こちらの症状が、あてはまるかどうかではなく、体上部に熱がこもっていて、消化器が弱って、血が少なくなり、その結果、体力がなくなっているという流れがある体質に人に使うものです。

パニック障害の人に加味帰脾湯を使うか、抑肝散を使うかは医者は体質をみませんので、特に根拠なくどちらかを使うと思います。

通常は、その人独自の病気の原因である証(病気的な体質)を分析、判断して、「証」全部を調整できる漢方薬を選びますが、当然、医者は体質を分析できないので、多分、前の講演会で小耳に挟んだ、漢方薬を選んだり、ツムラなどの漢方薬メーカーの営業が持ってくる臨床データ(何人かの人に〇〇の漢方薬が効果的だった。という、漢方には何の役にも立たないデータ)を元に選んだりと、漢方の治療理論以外の理由で漢方薬を選んでいると思います、

パニック障害の漢方治療の方法とポイント

それでは、本来のパニック障害の漢方治療の方法を紹介します。

ここからは、本当の漢方治療の方法です。

西洋医学では、精神と体は別々に考えますが、漢方では別々に考えません。

各臓器には、精神的な感情などが関連づけられています。

例えば、肝臓は、怒りや焦り、緊張の感情がと関連しています。

心臓は喜びや怠惰などの感情と関連しています。

脾の臓は、思い悩んだり、憂えたりする感情と関連しています。

肺は悲しい感情と関連しています。

腎臓は、恐怖や恐れなどの感情と関連しています。

漢方では、心と体は関連していますので、心を治すことによって、体が治ります。

また、体を治すことによって、心も癒されます。

パニックとなると恐怖が元になることが多いですが、かといって、恐怖と関連している腎臓を治せばよいとは限りません。

ことはそんな単純ではありません。

なぜなら、パニックの人は、発作のきっかけは、何かのものや行動だったりするのですが、パニック状態が長くなったり、ひどくなったりすると、何か1つのことがパニック発作を引き起こすきっかけになるとは限らないのです。

中には、何がパニックの原因なのか、本人もわかっていないこともあります。

例えば、昔にうちで治したことのあるパニック障害の方は、スーパーに行くとパニック発作を起こしていました。

その他にも人混みが多いとパニック障害を起こしていました。

病院の曝露療法、認知行動療法からすると、『スーパーや人混みにいって、それに慣れさせて治療する』ということになるかもしれませんが、実は、スーパーでも人混みでも、嫌なことが起こったことがないのです。

では、何が原因だったのか?

原因は、本人も自覚がなかったのですが、病院でした。

ある病院の治療で、薬で、よりひどくなり、治療を重ねるほど、体の状態がひどくなるという経験があってから、徐々にパニック発作が出るようになりました。

確かに恐れや恐怖が、きっかけですが、この場合は、腎臓が悪いわけではありません。

体全体をみて体質を調べると肝の臓の熱がひどい状態になっていました。

また、体質の分析だけでなく、オープンクエスチョンで質問いて、その人の一番気になることを拾ったり、発作が起こるまでのいろいろな状況、状態を聞くことによって、真の原因が見えてきます。

最初は病院の治療経過の不安から、それを基点にいろいろな症状が出ていて、日々、悩まされている症状が一向に治らない状況が、更に不安を煽り、恐怖に発展していったのです。

漢方的には肝臓の熱を中心に治療をしたら、症状がなくなっていきました。

病院に行かなくなったので、不安の原因が消え、不安だった症状は、徐々に良くなって切ったので、症状がなくなると同じくして、パニック障害もなくなっていきました。

このように、かならずしも、本人が自覚している不安の原因があるとは限りません。

漢方の場合は、体全体を分析し、体の症状とリンクさせて考えながら、パニックの発端となった時期から、患者さんと一緒に調査しないと、『患者さん自身も何が不安なのかわからない』場合があるのです。

うちでパニック障害の治療でこられた人は、結構な数の人が、『不安の原因が本人もわからない』状態でした。

例えば、仕事の環境が大変だったことが、きっかけなんて人もいらっしゃいましたが、仕事の環境が良くなってからも、パニック障害は、どんどん進行していきました。

重要なのは、何かの漢方薬を処方することよりも、オープンクエスチョンなどを利用して、患者さんも自覚していない不安の根源を探ることです。

不安の根源が、わかれば、漢方では、どの臓器がダメージを受けているのかがわかります。
(ただし医者みたいな体質をみれないマニュアル処方ではわからないと思います)

原因となった感情、弱点となる臓器、そして、体全体の状態を合わせて考えていけば、治すべき原因である「証」がみえてきますので、その証(原因)を治せる漢方薬を選びます。

逆に『証』(原因)がわかってないのに、漢方薬を選ぶことは不可能です。

漢方的なパニック障害の原因(証)

漢方薬には、脳に関わるセロトニンやアドレナリンなどを、何とかする効果も成分もありません。

不安の原因となる臓器を探し、体全体をみて、体の不調を探し、それを考えあわせて、治療できる漢方薬を選びますので、精神疾患であっても、他の病気と同じように『証』を分析します。

漢方では以下のような原因(証)でパニック障害が起こっていると考えます。

これらの原因は、人によって、それぞれです。

また、どれか1つが原因とも限りません。

普通は、複数、絡み合っています。

弱点になる臓器は肝の臓、脾の臓、腎の臓であることが多いです。

もちろん、それだけでなく五臓六腑の肝臓、心臓、胃腸、肺、腎臓、胆、小腸、大腸、膀胱の可能性もあります。

【上焦の熱証】肩から上の体の上部に不要な熱がこもり、それがパニックを起こす原因になります。

のぼせや頭痛や耳鳴り、めまいなどの症状が出やすく、不眠に陥ることも多い体質のタイプです。

関わっている臓器は肺が多いです。

【胸脇の熱証】
胸あたりの熱と気の巡りが悪くなり、その熱が顔にあがっていて、気の滞りがパニックを起こす原因になります。

血の巡りとの関わりがあるので、月経前や排卵期に特にひどくなることもあります。

関わっている臓器は肝臓、肺が多い体質のタイプです。

【裏の実証】
腹部の深い部分の大腸に熱がたまることによって、その熱が気を滞らせてパニックを起こす原因になります。

関わっている臓器は大腸で、便秘などが起こるタイプの人に多い体質のタイプです。

【脾胃の虚証、血虚の証】
胃や腸など、消化器全般が弱っていることで、消化機能が悪くなり、精神を支える気や血が少なくなりパニックを起こす原因になります。

関わっている臓器は胃や小腸です。

胃もたれなど、胃の吸収が落ちることによって、パニック症状が長引く体質のタイプです。

【気証】
気のコントロールができなくなりパニックを起こす原因になります。

肝臓系、腎臓系、肝臓も腎臓もどちらも関わっていることとがあり、腎臓が関わっていると病のレベルはより深いです。

【瘀血の証】
血の巡りが悪くなると血熱といって、余分な熱を生み出し、気の上焦につながり、それがパニックを起こす原因になります。

月経リズムが悪かったり、生理や排卵、高温期のタイミングでパニックが起こりやすい体質のタイプです。

漢方をちょっと知っていると勘違いした先生が、よく『あなたのパニックは陰虚タイプ』など、何か1つの原因でパニックが発生しているかのように説明することがありますが、現実は、【瘀血の証】に【胸脇熱の証】と【上焦の熱証】が合わさったりと上記の証が3つ、4つ、合わさっていることが多いです。

気になる漢方薬の効果は?

漢方薬の効果は、つまりは、その「証(原因)」を治すということです。

ややこしいですが、例えば、胸脇熱の証なら、熱と気が滞っているので、熱と気の巡りを促し、瘀血の証なら、血の巡りを促します。

なので、パニック障害の漢方治療で重要なのは、体質をどれだけ正確に診断できるか

これにかかっています。

体質さえ正確に診断できれば、使える漢方薬は自ずと決まってくるのですね。

ということで『パニック障害だったら加味帰脾湯や抑肝散j』というのはあまりに低レベルで浅いマニュアルの選び方なので、そんな方法では、都合よく治らないことがわかっていただけると幸いです。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
パニック発作とパニック症 メルクマニュアル(家庭版)
パニック発作とパニック症(プロフェッショナル版)
暴露療法}
パニック障害、不安障害:厚生省
◯ 今日の治療指針:医学書院
◯ 治療薬マニュアル:医学書院
◯ 今日の治療指針:医学書院
◯ 治療薬マニュアル:医学書院
◯ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯漢方方意辞典:緑書房
◯漢方診療医典:南山堂
◯漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯中医処方解説::神戸中医学研究会
◯平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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