慢性疲労、毎日の疲れ、だるさに本当にいいものとは?
「体がなんとなくだるい…」
「疲れやすい…」
となると、元気がモリモリ湧いてくるようなエネルギーを補充するような栄養ドリンクを思い浮かべるかもしれません。
マンガとかでも、エネルギーのカプセルなんかを飲んで、いきなりパワーアップする!みたいな場面があったります。
栄養補給系のものって、大体が糖分とカフェインだったりします。
それに、ビタミンとアミノ酸、それに今、流行りの漢方生薬をごく、ごく、少量だけいれて、「うちの栄養ドリンクは他とは違う!」なんてやっています。
要は、ほぼ糖分とカフェインですね。
糖はご存知の通り、活動のエネルギー源になるものです。
細胞が活動するためのガソリンですね。
火に蒔きをくべてやれば、火は勢いづくわけです。
そして、カフェインには神経の興奮作用や心臓の拍動をあげて血流を活発にしたりする作用があります。
他のビタミンやアミノ酸などは、実際に「どんな種類のビタミンやアミノ酸が、どれくらい足りていないのか」なんてわからないので、気休めだと思います。
そして、漢方生薬に関しては、『体質に合っているかどうか』が効果と関係しているため、果たして疲れの効果をとってくれていうのか微妙ですね。
どちらにしろ、良いも悪いも影響を及ぼすほどの量は入ってないと思います。
要は、疲れをとるドリンクなどは、やっぱり、ほぼ糖分とカフェインというわけですね。
実は疲れがとれないエネルギー補給
エネルギー源を補充して、それらのエネルギーを活発に回す。
気分はスーパーサイヤ人ですね。
でも、実は、糖分やカフェインって、その場しのぎのターボをかけるみたいなものなのです。
確かに飲めば元気になります。
でも、これって、無理やり糖分とカフェインで活発にしても、ある種の空元気になるわけですよ。
当然、空元気は後でしっぺ返しをくらいます。
無理して元気にしているわけですから、当然、慢性的に疲れが続くからといって、ずっと飲み続けてもいいものじゃありません。
「今日だけ!」という感じであれば、こういう元気のつけかたもアリでしょうが、それを続けるのは大問題です。
体の疲れは体内の部分的な臓器が原因ではない
最近は、「副腎が疲れているから慢性疲労がある」なんてことも言われますが、これも僕は的外れではないかと思います。
副腎疲れ、肝臓疲れ、心臓疲れ、どの部分をとっても、体の重要な機能ですので、『疲れに関係している』とこじつけることができるわけです。
では、慢性的な疲れってどうすれば、いいのでしょうか?
そもそも、疲れをとるのに、『特定の臓器』や「特定の有効成分』に絞ろうとするから、本当はちゃんとした効果もないようなものが、もてはやされるのです。
疲れというのは、何かの成分が足りていないから起こっているわけではありません。
疲れの本当の正体
東洋医学的にみれば、疲れは、体のあちこちが少しずつ、総合的に疲れているのです。
水の巡りが悪く、体がむくんで重たい。
気が滞って睡眠が安定しない。
胃気が落ちて消化が悪く、体に必要な血やエネルギーがつくれない。
女性なら、月経で血や水の巡りが悪く精神的に不安定になる。
体のいろいろな部分が、病気ってほどじゃないけれど、少しずつ、少しずつ機能が悪くなっているのです。
慢性的な疲れは、「ちょっとだけ悪い」という部分が全身何十箇所もあって、それぞれ、ー10%、ー15%と悪かったりするのです。
1つずつの体の部分は、それほど悪くないので、病気にはなりませんが、ちょっとずつ、悪い部分を集め合計すると、重い病気と同じレベルで悪いことになるのです。
副腎だけが悪いわけでもなく、肝臓だけが悪いわけでもありません。
そうしたら、慢性的な疲れは、どうやってとれるのでしょうか?
疲れは体全体の状態が関わっている
慢性的な疲れをとるには、体全体を調べて、悪くなっている部分を全部、調べあげればいいのです。
そして、悪くなっている部分を治すものを使えば疲れはなくなります。
それが、漢方薬です。
漢方は東洋医学なので、西洋医学の病名とは関係がありません。
病気を治すのも疲れをとるのも、一緒なのですよ。
疲れは、何かの病気よりも軽く見られがちですが、全身が、ちょこっとずつ、いろいろやられているので、ヘタしたら、治すのは、何かの病気よりも難儀かもしれません。
1日、2日だけ限定で元気にするなら、栄養素補給がいいと思います、
でも、疲れやすい毎日から脱出したいなら、全身を整えないと栄養補給では永遠に疲れがとれることがありません。
僕は漢方家なので、ポジショントークみたいになっちゃいますが、全身のこまかな機能低下や弱点を調べて、それを整えてくれる漢方薬で治していけば、『本当の意味で疲れから脱出できる』と思います。
この時に気をつけてもらいたいのは、漢方薬だから疲れがとれるわけではないということです。
あなた自身の細かな機能低下や弱点を調べて、それに合わせて漢方薬を選ぶことが重要です。
病院なんかは、『疲れ』に補中益気湯や人参湯みたいに、栄養ドリンクと同じ考えで、『疲れ』という、たった1つのことだけで漢方薬を選ぼうとしますが、漢方でこんな使い方は、ありませんし、こんなのじゃ効いたような錯覚に陥るだけ。
漢方に『疲れ』なんて体質はありませんので、漢方薬で慢性的な疲れをとりたいのなら、全身の状態を調べてもらって、最適な漢方薬を選んでもらってください。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 図説東洋医学(基礎編):学研
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ やさしい中医学入門:東洋学術出版社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ まんが漢方入門:医道の日本社