漢方薬相談ブログ

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根元から間違えている漢方薬や薬膳の効果の説明

よく雑誌の漢方薬の宣伝なんかを見ていると、「当帰芍薬散は、女性の冷えや月経不順に効果があります」みたいな説明があります。

一見、おかしくないように思うのですが、実は、漢方的に考えるとアレって、すごくおかしな表現なのです。

「冷えや月経不順によい」とうのであれば、当帰芍薬散に限らず、温経湯も桂枝茯苓丸も加味逍遥散も、その他でも、30種類くらいの漢方薬が同じように女性の冷えや月経不順に良いものです。

だからといって、「その30種類から好きなのを飲んでもいいのか」というと当然、そんなわけありません。

同様に薬膳でも、冷えに良い食材とか、不眠に良い食材とか、『特定の症状に効果がある』ような説明があります。

冷えだったら、「温める食材や生薬を使った薬膳を使えば良くなりますよ」という感じになっていますが、あれも、漢方薬と同様、すごくおかしな表現なのです。

薬膳だって、温める性質の食べ物だったら、自分の好きなものでいいのか?もしくは、薬膳教室で教えてもらった食材を使い続ければいいのか?そんな問題ではないのです。

こういった漢方薬や薬膳の考え方には、ある1つの視点がスッポリと抜けていて、効果が台無しになっています。

西洋医学と漢方は違うもの

西洋医学やサプリメントなどは、「なんちゃら成分」が冷えに良いとか、説明されていますが、そもそも漢方薬も薬膳も「冷えを改善するなんちゃら成分」が含まれているわけではありません。

漢方薬や薬膳の世界では、症状を治すことが目的ではなく、症状を起こしている根本的な原因を治すことが目的です。

例えば、月経不順になる原因やその体質には、「血虚の証」「瘀血の証」「寒証」「気の変調の証」などなど、人それぞれ、いろいろな原因があります。

自分的に大きな目立った症状は、「冷え」と「月経不順」で、その症状自体は、みんな一緒かもしれないですが、原因は、人によって、「血が足りていない」だったり、「体は冷えすぎている」だったりするわけです。

症状も、その人的に特に目立った症状は「冷え」と「月経不順」かもしれないですが、うちのように細かく問診をとっていけば、ある人は、便秘だったり、ある人は下痢だったり、また、ある人は眠れなかったりと、細々した症状や状態までみていくと、誰一人、同じような感じの人がいなくなってしまいます。

そういった細々した症状の中に、「冷えや月経不順」もあるというだけなんですね。

漢方薬や薬膳というのは、こういった人それぞれの状態に合わせて、細かく調整する効果が設定されているので、その人の複雑な状態にあったものを選びます。

本来、症状だけを頼りに漢方薬も食材も選べない

逆にいえば、「冷え」と「月経不順」だけで漢方薬を選ぶことも、薬膳を作るための最適な食材を選ぶことはできません。

うちの問診を例にすれば、「たった、これだけでは、原因も体質も判別できないので、あと、200ほど、いろいろと聞かせてもらえますか?」という話になります。

つまり、自分の体を治してくれる漢方薬や薬膳の食材を探す場合、最初にしなければいけないことは、自分の状態が東洋医学的にどんな状態なのか?を調べないといけないのです。

例えば、ある薬膳セミナーで、「今日のメニューは不眠を良くし、胃腸を健やかにする効果があります」と言われても、別にその食材が、どんな原因の不眠でも胃腸でもよくするわけではありません。

漢方的には、「熱を冷まして不眠を解決してくれるのか?」「肝臓系の熱を冷まして不眠を解決してくれるのか?」その食材の持っている東洋医学的で専門的な効果が決まっています。

先生が説明しているような、『どんな原因の不眠にでも効く』なんて都合の良いものは漢方に存在しません。

雑誌にのっているような漢方薬の紹介の場合も同じです。

『どんな原因の月経不順や冷えにも効く』なんて漢方薬は存在しません。

あなた自身の月経不順や冷えは、どんな原因ですか?という考えが重要です。

食材や生薬、漢方薬には、専門的な効果があって、同じ症状でも治しかたが、それぞれ違うのです。

だから、何百種類とあるのですね。

なので、細かく原因を考えずに適当な宣伝や説明で、漢方薬を飲んだり、薬膳メニューを作ったところで、体は良くなりません。

なぜなら、原因と生薬や食材の効果がズレているからです。

漢方においては、症状は、病気の原因を考えるためのヒントでしかないのです。

病院の薬のように直接、症状を抑えることが目的ではありません。

事前に薬膳のメニューが決まっていて、『今回のメニューは、〇〇効果、△△効果のある食べ物です』というような持っていきかたは、薬膳ではなく、薬膳っぽい効果で説明してみただけで治療にはなりません。

本来は、来る人、来る人の体質を調べて、それぞれ、その人のためにバラバラにメニューを考える必要があります。

事前にメニューが決まっているなんて、本来はありえないわけです。

実際は、全員に合わせてメニューを考えることができませんので、せめて、月経不順で良くある東洋医学的体質や原因に対応したいくつかのメニューを用意するくらいが限界ですね。

漢方薬も同様に、『飲む相手がどんな人がわからないような状況(雑誌で宣伝する)』で漢方薬を売ることなんてできないはずです。

なぜなら、その雑誌の宣伝を読んでいる人が、どんな体質かはわからないわけです。

さりとて、当帰芍薬散は、どんな人の月経不順や冷えでも治すわけではありません。

世の中、漢方薬や薬膳に対する効果の考え方の根元がおかしいのです。

だから大して効かないと思われている。

まず、『良さそうな効果のものを探す』のではなく『自分はどんな効果のものが必要なのか?』それを調べることが治療の第一歩です。

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ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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