漢方薬は実は若い人の方が向いているし治りやすい
漢方薬というと、何か古臭い感じですよね。
実際に二千年前の治療なので古いのですが…
漢方のお店の構えも本格的なところほど、朝鮮人参や蛇のホルマリン漬けみたいな瓶がズラズラーっと並んでいてたりします。
逆に最近はチャラい感じの店構えもチラホラ出てきますね。
ちなみにうちは、高価な一点もののテディーベア(うさぎ)を置いていたりでチャラいです。
とはいっても、うちほど、伝統的な本来の体質治療をやっているところは、そうないと思いますが。
それはさておき、漢方薬って古臭いので、なんとなくお年寄りの薬的なイメージがないですか?
でも、実際はそれとは逆で、むしろ漢方薬は若い人のための薬ではないかと思うのです。
漢方薬がなぜ若い人のための薬?
その辺の理由を説明したいと思います。
元々、お年寄りの治療をしていた
うちの店があるのは、今は昔といった、高齢者の多いところです。
道行く人は、ほぼ高齢者です。
店を出した最初の頃は高齢者の方が多かったのですが、それもだんだんと移り変わって、今一番多いのは、30代の女性です。
とはいえ、相談に訪れる方は0歳から99歳です。
(これキャッチフレーズじゃなく実際に治療した人)
あくまで割合ですが、とにかく、だんだんと若い女性が多くなりました。
これは、僕が意図的にそうしたのではなく、そうなっていったのです。
でも、この結果も本来の漢方薬の効果や治療のことを考えると当たり前といえば当たり前なのですね。
誤解されている漢方治療
世間一般の漢方薬での治療はこのブログで再三、話していますが、とにかく誤解されています。
その誤解されている原因の筆頭が保険適用で漢方薬を処方している医者や、その病院に漢方薬を提供している漢方薬メーカーのウェブサイト。
本来、漢方薬は『東洋医学的体質や東洋医学的原因』に合わせて選ぶものですが、それをあたかも西洋医学の病名に対応しているかのように誤解させていたり、特定の症状を抑えたり無くしたりしてくれる、みたいな「なんとなく便利な薬的なイメージ」をみなさんに植えつけています。
でも、これは完全な間違いで、そもそも漢方薬に症状を抑えたりする成分なんて含まれていないし、そんな成分は医学的には、まだハッキリとは解明されていません。
漢方薬の効果は病院の薬のように〇〇成分が症状を抑える効果ではなく『調整をする効果』なのです。
この『調整』という効果が漢方薬が高齢者よりも若者の治療に向いている理由です。
漢方薬の効果と病院の効果のメカニズム
調整と言うとわかりにくいかもしれないですが、要は漢方薬というのは自然治癒力を手助けして、その人の体を元の正常の範囲へ調整していくのです。
ですので、漢方薬もその人の持っている自然治癒力を利用させてもらいます。
ここで、病院の薬と比較してみましょう。
病院の薬は、厳密な作用としては人工的に作った体内の成分に似せたものを使って、体の機能を無理やり止めます
例えば、鎮痛剤なんかがわかりやすいですが、痛みが発生するには痛みに関わる物質とそれと合体する物質が2つあって、それらが合体して初めて痛みが発生するのですね。
人間の機能は大体、こんな感じで、凸と凹の物質が対になっていて、これらが合体して初めて痛みを止めたり、胃酸を止めたりするのです。
病院の薬の効果は大体、この凸凹のうちの凹のニセモノ(薬)を人工的に作って、体内の凸(例えば痛みに関わるホルモンなど)にくっつけるのです。
そうすると、ニセモノの凹につかまったホルモンなどは、痛みなどを発生させられなくなるのです。
つまり、痛みが発生しないのです。
長々と何が言いたいかというと、病院の薬は、体内の本来の働きに横から無理やり介入して、働きを変えてしまうのですね。
言い方を変えれば、病院の薬はあなたの持っている自然治癒力とは無関係。
だから、成分が体内にいる間しか効きません。
漢方薬は自然治癒力の調整
でも漢方薬の治し方は違います。
その人の自然治癒力を利用して治します。
人間の体は元々、調整力を持っています。
例えば、暑ければ汗を出して体を冷やしたり、寒ければ、皮膚や筋肉を緊張させて温度が逃げるのを伏せだり、こういったことだけでなく、毎日、全身いろいろなところでこんな調整がリアルタイムに繰り広げられています。
実は病気というには、『ウィルスや菌、怪我、遺伝性の原因以外』は、全てこの調整力が崩れて病気になっています。
漢方薬は病院の薬のように人工的なニセモノの凹成分が含まれているわけではなく、例えば冷えている人は、漢方薬が温めて、自分でも温める機能が高くなるように促します。
もう、答えが見えたのではないですか?
そうです。
つまり漢方薬の効果を引き出そうと思えば、『自然治癒力や調整力が高い若い年齢ほど良く効く』のです。
何かを学ぶようなものです。(正しい体の機能を思い出す)
逆に歳をとると、何かの病気でなくとも、この調整力がドン!ドン!落ちていきます。
寒波がきて急激に寒くなった後とか、急に暑くなった後に葬式が多いでしょ。
あれって、調整力が弱っていて、体がついていけないのです。
漢方薬が効きにくい本当の理由
更に若い人には効きやすい有利な条件があります。
それは『病院が嫌いなこと』
先ほど、ご説明したように病院の薬は体内の自然な働きを無理やり変えることによって症状を強制的にキャンセルします。
そもそも症状というのは、体にとっては危険を知らせる警告サインですから自然治癒力から見たら、病院の薬は治療じゃないのですね。
(病院の治療はこういった構造だから根本治療できない)
なので病院の反自然的な治療を続けているほど、自然治癒は邪魔されます。
ですので、病院の薬を『長く』、『たくさん』飲んでいる人ほど治りにくい → 漢方薬が効きにくいのです。
効きにくいと当然、続けないから余計に治らない。
高齢者の人は、病院や薬がさ大好きな人が多く、病気や症状は薬や漢方薬で速攻治ると誤解している人が多いので、漢方薬がある種、向いていないのです。
ここから2つの重要なことがわかりますよね。
そう、『医者の漢方薬の出し方』
漢方薬と病院の薬を同時に出してる医者がいますよね。
こういった合わせ方が、病院の薬、漢方薬の効果やシステム上、いかにおかしなことかがわかりますよね。
わざわざ、どちらも効かないように喧嘩させているようなものです。
ちょっと誤解されるのイヤなので補足しておくと僕は西洋医学否定派ではないですよ。
『薬の使い方がおかしく互いに活かせてない』と思っているだけです。
わかりやすいキャッチな言葉を選びましたが、高齢者は漢方薬が効かないというわけではありません。
高齢者の方でも病院嫌いで、今まで薬をあまり飲んでこないで、それなりに養生を心掛けてきた人は、大変な病気になっても、漢方薬は若い人と同じようにバッチリ効きます!
病院、医者頼りで薬づけ、生活養生も、なんとなくでおざなりにし、そんな状態で年を取ってしまった人は、漢方薬は効きずらいので治るためには根気が必要ですよ。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 図説東洋医学(基礎編):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅰ):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅱ):学研
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ やさしい中医学入門:東洋学術出版社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ まんが漢方入門:医道の日本社