漢方薬相談ブログ

お天気頭痛を治すために五苓散を飲んでも治らない理由

お天気頭痛を治すために五苓散を飲んでも治らない理由

  1. 結局五苓散で治ってますか?
  2. 五苓散の副作用
  3. お天気頭痛と関係する水の巡り
  4. お天気頭痛の原因は人それぞれだから五苓散が合うとは限らない
  5. 五苓散の正しい使い方

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梅雨の時期やこれからの台風、秋の長雨などがあるタイミングで頭痛が起こる人っていますよね。

一般的には『お天気頭痛』なんて呼ばれていたりします。

中には、頭痛が発生することによって、次の日の雨を当てることができるくらいの人もいます。

このお天気頭痛の厄介なところは、ロキソニンなどの鎮痛剤が効いているのか、効いていないのかが、わからないところですね。

相談で聞いている分には効いてない人が多いようです。

病院の薬はあまりアテにならないので、「それでは」と漢方薬に頼ることがあるかと思いますが、ネットで「お天気頭痛 漢方薬」と調べてみたり、AIに相談してみたら、それはそれはひどいデマみたいな情報に行き当たります。

それは「五苓散がお天気頭痛を改善してくれる」というものです。

もちろん、中には五苓散でお天気頭痛が治る人もいるとは思いますが、この検索結果の何がひどいのかというと、お天気頭痛の人に対して9割位、効くなど、平気で嘘をついているような感じになっていることです。

今回の動画では、五苓散が実際にお天気頭痛に効くのか?

効かないと感じている人は、なぜ、頭痛が改善されないのか、その理由がわかります。

そして、その五苓散の本当の効果とは何か?

五苓散の正しい使い方とはどういったものなのか?五苓散の本当の効果を解説します。

結局五苓散で治ってますか?

ネットを調べるとお天気頭痛に五苓散が効くかのように説明されているものが多いですが、実際はどうなのでしょう?

それを飲まれている方は、効いている実感はありますか?

効いていたら、この先に進まなくても良いと思います。

五苓散は副作用も強いものですが、効いているなら、それはそれで良いことです。
たまたま、体質に合っていたのでしょう。

逆にお天気頭痛に効くと思って飲んでみたけれど、効かなかった人は多いのではないでしょうか?

一般的にも病院や漢方薬局、ネットの情報でも、五苓散がお天気頭痛に効くと言われていますが、漢方薬は五苓散に限らず、特定の症状に効くものではありません。

例えば、めまいに苓桂朮甘湯、ニキビに十味敗毒散、これらは全て漢方薬を医薬品として販売するための法律上の設定であって、実際の治療とは無関係のマニュアル的な考えです。

実際の治療では、特定の病気や症状に対して、漢方薬が効くことはありません。

なぜなら、病院の薬のように有効成分などは含まれていませんし、特定の症状に効くようなメカニズムは、解明されていません。

そもそも、漢方薬は、西洋医学とは何の関係もないので、西洋医学の病気や症状に当てはめて選んでも無意味なのです。

詳しくは、初回の動画を見てください。概要欄に貼っておきます。

漢方薬は体質に合わせて選ぶもので、『お天気の悪い時に頭痛になる』というのは一見、体質っぽいですが、それはあくまで素人的な感覚の『体質に対する捉え方』であって、本来の漢方の医学理論から分析した体質とは全然、違います。

実は実際の医療現場では、体質を分析されることなく、単にボヤーとしたイメージだけで、頭痛に効く漢方薬みたいな感じで五苓散が選ばれています。

実はお天気頭痛といっても、正しい漢方の理論で見てみると20パターンの体質があり、それに合わせて20パターンの漢方薬があります。

五苓散はその中の1つでしかないので、治っているわけがないのですよね。

だって他の19種類の中の漢方薬が合うのかもしれないですから。

五苓散の副作用

漢方薬で見逃されがちなのが、『漢方薬の副作用』です。

漢方薬は自然の生薬で構成されているので、まるで副作用がないかのように誤解されている方がいらっしゃいますが、漢方薬も副作用があります。

では、どんな副作用があるかというと、体質と漢方薬によって、いろいろな副作用が考えられるのです。

簡単に言うと、体質と漢方薬が合っていなければ、副作用になります。

ですので、病院やネット販売などの「お天気頭痛に効きます」みたいなノリだけで勧めているものは、当然、体質分析なんてしていませんので、それだけで、かなり副作用と隣り合わせの状態です。

漢方薬で副作用を起こすことを『誤治壊病』と言います。

これは、読んで字の如く、誤って診断して、それによって元の病がもっと拗れるという意味です。

一般的には病院であろうと漢方薬局であろうと、大体のところは、実際は体質を診断して選ぶことがないので、かなり誤治壊病になりやすい状態だと考えられます。

おまけに漢方薬は、きつい作用から穏やかな作用まで、ランク分けされているのですが、その中でも五苓散はきつい作用に入ります。

きつい作用の漢方薬は体質と合わさずに出したときに、副作用も強く出ます。

五苓散は、きつい作用とされている漢方薬ですから、合わなかった時に副作用もより強く出ます。

五苓散の副作用に関しては、誤って飲んでしまって副作用に見舞われた場合、それを他の漢方薬で治す設定まであるくらい、慎重に選ばないといけない漢方薬になります。

お天気頭痛と関係する水の巡り

五苓散の効果は、「水滞の証」というものと「気の上衝の証」を改善するものです。

どちらも何のことかわからないですよね。

「漢方薬のなんちゃら成分が、頭痛の元になる成分を抑えて〜」なんて感じで説明をしたいところですが、五苓散に限らず、漢方薬に有効成分なんてものは含まれていませんし、漢方薬は病院の薬と違って、有効成分が症状を抑えるわけでもありません。

このことは医者だけでなく、漢方の専門の先生でも勘違いしている人が多いです。

小学生でもわかりそうなことですが、漢方は「東洋医学」であって「西洋医学」ではないので、西洋医学の「なんちゃら成分が〜」というメカニズムの考え方とは何の関係もないのです。

もし、ネットで「五苓散の何かの成分が治す」みたいに説明されているものがあるのであれば、それは詐欺だと言いきれます。

じゃあ、何の根拠で治すのかということです。

漢方薬は、症状そのものを抑えるわけではなく、症状を起こしている原因を治します。

例えば、お天気頭痛、梅雨時期に頭痛になる人は、湿気と外気の熱が関係しています。

湿度が高くなると、水の巡りが悪くなって、濡れた衣服を着ている時みたいに体の中の水の巡りや血の巡りが鈍くなります。

漢方では、血も水も粘りのあるドロドロな感じで流れるイメージで表現されることが多いです。

「湿気や熱が高くなるとなぜ、水の巡りが悪くなるのか?」はわかりませんが、漢方の2千年の経験から、「結果としてそうなる」ことがわかっているのです。

考えてみれば、湿気の高い部屋で過ごせば、健康な人であってもジトーッとした汗をかいて、体の動きも鈍くなって、やる気もズーンと落ちますよね。

乾燥している環境と比べて、明らかに気持ち悪くなります。

漢方の「水の巡りの滞り」という考え方は、『全身の細胞に必要なだけ巡っていかないといけない水が満遍なく巡っているか?』

流れが早いとか遅いとかではありません。

例えば、夕方に足が浮腫んでくるのは、夕方にかけて、下に落ちながら巡ってきた体内の水が、だんだんと体の上の方に戻れなくなって起こります。

この時、全身の水の比率のバランスをイメージしてもらいたいのですが、昼頃なら、体も元気で、足に巡った水もスムーズに戻ってくるのですが、筋肉も疲れてくると力がなくなって戻せなくなってくるのですね。

水を飲んで、身体中を巡って、それがまた腎臓に回収されるという巡りのバランスが崩れることを「水の巡りの悪さ」と言います。

お天気頭痛は、僕が漢方治療してきた結果から考えると、水の巡りを調整してやれば、治っていくのですね。

そして、五苓散は、水の巡りを巡らせてくれるものです。

「だったら、やっぱ五苓散で良くなるんじゃ?」と思われるかもしれませんが、漢方治療って、そんな単純な話ではないのです。

お天気頭痛の原因は人それぞれだから五苓散が合うとは限らない

確かに純粋に「水の巡りが悪い」という水滞の証だけなら、五苓散は効くと思います。

というのも、人間の体は、1つの原因だけで症状が発生しているわけではないのです。

五苓散は、水と気の証を調整します。

例えば、うちの患者さんでお天気頭痛で悩んでいる人たちを見てみると、『水の巡りが悪い』という状態は共通していますが、女性の場合は、月経前に浮腫みやすい人が多く、女性ホルモンとお天気頭痛の関係がありますが、男性は当然、そんなものはなく、男性の場合は、血の巡りの悪さっが合わさっている人が多いです。

こんな感じで、お天気頭痛は、『水の巡りが悪い』というベースに人それぞれ違う要因が重なって起こっていますので、当然、五苓散が合う人もいれば、合わない人もいるわけです。

「水の巡りが共通しているから五苓散でもいけるんじゃない?」と考える人もいるかもしれませんが、漢方の場合は、その人の体質に合わせるので、その人自身の状態がどうなのかを見極めて、それにピッタリ合わせていかないと治りません。

水の巡りの悪さを調整するものに女性ホルモンの調整も同時にしてくれる漢方薬を男性に選んでも何の意味もないのです。

それどころか副作用が強くなって害すらあります。

五苓散の正しい使い方

人それぞれの原因に合わせるというものにプラスして、病気の発生時期や病気の強さにも合わせる必要もあります。

五苓散は割と急性的に起こった症状に合わせます。

急性というのは、何ヶ月も前から雨の日に頭痛がするというものではなく、「初めて、雨の3日前から頭痛を感じるようになった」といった感じです。

要するに何ヶ月も前からとか、何年も前から雨の前の日や雨の日に頭痛になる人には使いません。

また、漢方薬は1種類の漢方薬の中に3、4種類の体質を同時に調整する効果があることが多いのですが、五苓散はほぼ、「水の巡りの悪さの調整」に特化しています。

ですので、本当に純粋に水の巡りの悪さしか要因としてない人に対してよく効きます。

逆に先ほどお話ししたように、血の巡りの悪さが関わってきたり、月経の問題が関わってきたりすると途端に全く効かなくなります。

ちなみに僕は、血の巡りの悪さから頭痛を起こすことが多いので、頭痛の時に五苓散を飲んでも全く効きません。

一度だけ五苓散がよく効いたのは、中国で強烈な食あたりにあった時の下痢に効きました。

しかし、その後の日本での下痢の時に五苓散は効いたことがないので、五苓散は飲むのをやめました。

僕の場合は、下痢を治すのに五苓散を使いました。

その時に頭痛はかけらもなかったですが、水様下痢で、『水の巡りがかなり悪かった』ので効きましたし、五苓散は、本来の漢方的には、お天気頭痛の薬でもなんでもなく、あくまで『強く水の巡りを整える薬』なので、頭痛に使わなくてもなんらおかしくありません。

むしろ、全身の状態を調べもせずに、ギャンブルのように「五苓散が当たるかも?」って、勝手にお天気頭痛に効く漢方薬かのように扱っているのが間違っているのです。

特に女性の場合は、お天気頭痛とホルモンが関連していることが多いので、五苓散以外で探した方がいいと思います。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方処方応用の実際:南山堂
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠⅡⅢ:薬局新聞社刊
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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