漢方薬相談ブログ

色々な咳のタイプのチェック方法と原因

色々な咳のタイプのチェック方法と原因

風邪をひいた時の咳は、何日かして風邪が治れば咳も自然に治りますよね。

でも、風邪をひいてもいないのに咳が続いたりすると心配になってきます。

長引く咳には色々な原因があり、その原因を突き止めて、それに合った方法を取らないと治りません。

原因でわかりやすいのが、風邪なのか、菌による咳なのか?

これは、病院に行けばわかりますが、問題は、それ以外の原因になると病院では原因不明になって、咳止めの薬を漠然と続けることになります。

東洋医学的には、長引く咳は、大きく4つの原因に分かれます。

今回は、あなたの咳がどんな原因で起こっているのかをチェックする方法と、なぜ、その原因が発生したのか、その理由とケアの方法を紹介したいと思います。

漢方では、咳などの症状や病気の原因のことを「証」と言い、「〇〇の証」と表します。

例えば、上焦の熱証という感じで表します。

基本的なチェック「最初に疑うのは風邪」

最初のチェックは、咳がどれくらい続いているかです。

基本的なことですが、まず風邪の咳かどうかをチェックしましょう。

風邪だとウィルスが原因で咳が出ますが、風邪が治れば、咳も自然に治ります。

風邪かどうかなんて、考えるまでもないと思われるかもしれませんが、風邪の症状も、その人の免疫力の度合いによって、必ずしも発熱したり、鼻水が出たりとは限らず、咳だけが出る場合もあります。

まずは、

『周囲で風邪が流行っていないか?』

『咳が出始めてから1週間以上経っても続いているか?』

『咳とともに体のだるさもあったかどうか?』

を考えてみましょう

マイコプラズマ肺炎

うちの相談でも何人かいらっしゃったのですが、マイコプラズマなどの菌が原因の咳というのが意外と多かったりします。

病院が嫌いな人は、面倒くさいかもしれないですが、病院で検査してもらいましょう。

慢性的な咳の原因

基本的な咳の原因かどうかをチェックして、そうでなければ、おそらく病院では原因不明の咳になりますし、ここからは、病院で原因不明でも対応できる漢方の出番です。

漢方では、同じ咳という症状でも、人それぞれ、色々な原因があると考えます。

また、同じ人でも、その時の季節や状況によって原因が変わってきますので、以下の原因をチェックして見てください。

【咳の原因1 上焦の熱証タイプ】
痰の絡みがあまりない、乾いた咳が出るタイプです。

咳をする時に顔に熱感を感じやすかったりします。

咳以外で体質的な傾向として、のぼせやすかったり、頭痛や耳鳴り、手の冷えなどが、普段からあまりないなどの傾向があります。

喉から上に熱がこもっていることが原因で、咳が起こります。

炎症があると起こりやすいので、喉の痛みがある咽頭炎などを起こしていると、この原因であることが多いです。

辛いものを食べすぎたりして、喉がやられ咽頭炎からこの咳につながったり、口内や喉が乾燥すると炎症が起こりやすくなります。

辛いものを食べるのは控えましょう。

足が冷えると、余計に熱が顔に昇ってくることが多いので、足が冷えている人は足を温めましょう。

その際に上半身は温めてはダメです。

【咳の原因2 上焦の水毒証タイプ】
痰が絡みやすく、湿った感じの咳が出るタイプです。

咳以外では、手足などが、むくみやすかったり、おしっこの回数が多い、軟便気味という傾向があります。

肺と気管支に不要な水が滞っていることが原因で咳が起こります。

こじれた風邪の後遺症として残りやすかったり、後鼻漏と言って、鼻が悪く鼻水が喉に落ちてきて、それがきっかけで咳が出たりします。

水が滞っていることが原因ですので、あまり水分を摂りすぎないようにすることと、一度にたくさんの水を飲まないようにすることがポイントです。

【咳の原因3 胸脇の熱証タイプ】
その人のアレルギー反応によって変わってきますが、空気の悪いところに行くと咳が止まらなくなったり、 ストレスの負担がかかると短いコン、コンとした咳が止まらなくなったりするタイプです。

咳以外では、寝つきが悪かったり、夜中の目覚めがあったり、目が充血しやすいなどの傾向があります。

アレルギー反応で起こる人は、そのアレルギーのある場所を避けるようにしましょう。

ストレスで咳が出てくる場合、気滞と言って気が滞って行き場を無くしていますので、意識的に気分転換しましょう。

普段、室内で仕事をしている人は、視界のひらけた外で過ごす時間を持ちましょう。

【咳の原因4 脾虚タイプ】
短い軽い咳が、いつまでも出るタイプです。

慢性的に胃もたれや胃痛などがあり、胃腸の弱りで、いつまでも咳が治らない傾向があります。

このタイプは、胃腸を治さないと咳が治りません。

胃腸は、治すのに時間がかかる臓器です。

すぐに効果は現れませんが、普段から消化に負担のかかる、牛肉や刺身などの生もの、冷たいものを控えて、質の悪い油を使っていることが多いお菓子や外食系の揚げ物は避けた方がいいです。

胃腸に負担をかけない状態を続けていれば、徐々に胃腸が力を取り戻して咳もおさまってきます。

【咳の原因4 寒証タイプ】
冷えると乾いた咳が出てくるタイプです。

気温が低いと咳が出やすくなり、喉の乾燥感を感じやすいです。

咳以外では、手足が冷えていたり、体力がない方だったりという傾向があります。

冷えると乾燥しやすく、気管支が縮こまりやすくなることが原因です。

首、喉の辺りを温めてあげてください。

外気温が冷え込んだ時に発生しやすいですが、秋から冷え込んで冬になるときに厚着を我慢せずにこの時に真冬並みに体を温めてあげると良いです。

まとめ

発作的な強い咳でなければ、鬱陶しいと思いつつもほったらかしがちになる方もいるかと思いますが、 肺がんで咳が続くということもあります。

咳という症状も体に何か良くないことが起きていることを知らしてくれているので、まずは「風邪でないのか?」そして「菌が原因でない」かを確認しましょう。

痰が絡む咳と乾いた咳という感じで、実際には、単純にどのタイプの原因かに分けることはできません。

他の伴っている症状や状態から、咳の状態にプラスして体質的な傾向も合わせてチェックしてみてください。

●喘息や治らない咳で、お悩みの方は、こちらの「漢方無料相談」から送信してください。

●お問い合わせは、こちらから送信してください。

●店頭相談のご予約は、こちらから、ご予約ください。(店頭も初回の相談は無料です)

【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

著者の詳細情報はこちら

FacebookTwitterInstagram