漢方薬相談ブログ

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卵巣嚢腫に効く漢方薬

  1. 卵巣嚢腫の病院の治療
  2. 卵巣嚢腫に効く漢方薬
  3. なぜ体質から選ばないといけないのか

卵巣嚢腫は、徐々に大きくなっていくのですが、体の中なので、実際に大きくなっているのかどうかがわからなくて、不安がありますよね。

放っておいたら嚢腫が破裂して、えらいことになることもあります。

根本的に治してしまって、安心したいところですよね。

卵巣嚢腫は、病院では、ホルモン剤を飲んでみて、小さくならなければ手術になることが多いです。

手術となると、体に傷をつけることには変わりはないので、ちょっと抵抗を感じますよね。

実は、うちでは嚢腫の漢方治療をやっています。

『漢方薬を飲むだけで治す』ということです。

ここで漢方薬は、よく勘違いされているのですが、卵巣嚢腫に直接、効く漢方薬があるわけではありません。

ですので、ネットで「卵巣嚢腫に効く漢方薬」なんて探してみても、それを飲んでも意味がないのです。

本来の漢方治療は、嚢腫に直接、効果があるのではなく、『卵巣に嚢腫を作り出そうとする原因』を治すことが目的になります。

ですので、誰の卵巣嚢腫にも効く漢方薬は存在しないのですね。

今回は『卵巣嚢腫で使うことのある漢方薬』を紹介します。

また、最終的に卵巣嚢腫を小さくするために漢方薬ではどう治療していくのかも解説します。

卵巣嚢腫の病院の治療

病院では、嚢腫が、あまりに大き過ぎれば即、手術となりますが、最初はホルモン療法を行うことが多いです。

手術をするかどうかの目安は嚢腫の大きさが5cm〜6cmです。

ホルモン剤は、ピルである「ディナゲスト」がよく使われます。

この薬は、卵巣の機能を抑える効果がありますので、嚢腫の本体である卵巣自体の機能を弱めて嚢腫が大きくならないようにします。

これらのホルモン剤は、卵巣自体を働けなくしたり、卵巣の活性化に関わる月経リズム自体を抑えたりします。

そして、ホルモン剤の問題は、いうまでもなく、月経リズムがおかしくなることです。

病院の治療の考え方は、卵巣嚢腫に限らず、体全部のバランスをとりながら治していこうとする考えがありません。

卵巣嚢腫なら、卵巣と嚢腫だけに集中して、嚢腫を小さくするという1つのことに集中します。

確かに狭い、狭い思考で考えれば、卵巣が活発化することによって、嚢腫もその影響で大きくなるわけですから、つまりは、『卵巣の活動を停止させれば、理屈的には嚢腫は大きくはならない』わけですね。

ただ、体全体をみていないので、月経が止まったり。と『月経リズムがおかしくなること』に関しては、「嚢腫を治療しているからしょうがない」みたいな感じで切り捨てになっています。

これは実は大きな問題で、月経リズムというのは、子供を授かるためだけでなく、美肌美しい髪血圧骨の調整など、女性の体の健康全般に関わっているので、本来、月経リズムというのは、1秒たりとも止めてはいけないのです。

ホルモン剤を使ったホルモン治療というのは、「治療」という名前がついていますが、厳密には、「嚢腫を小さくしようとする効果」と「月経をおかしくする負の効果」の両方がある治療になるのですね。

卵巣嚢腫に効く漢方薬

漢方薬は、自然の薬で、病院の薬の副作用が少なそうなバージョンみたいに思われていることが多いですが、本来は、そういった違いではなく、漢方薬は、根本の治療の考え方自体が西洋医学と全く違います。

漢方薬には、ホルモンの成分が含まれているわけでもないので、病院のホルモン剤のように漢方薬によって、卵巣の働きを抑えたり、月経リズムを抑えたりする効果はありませんし、治療の目的はそれではありません。

漢方薬を使った治療の場合は、その人の体全体から「なぜ、卵巣嚢腫になったのか?」を考えて、その原因を突き止めて、その人の原因にあったものを選びます。

漢方薬は次のものを使うことが多いです。

桃核承気湯、通導散、桂枝茯苓丸、温経湯、芎帰調血飲、当帰芍薬散、四物湯、芎帰膠艾湯、三黄瀉心湯、黄連解毒湯、桂枝加苓朮湯、半夏厚朴湯、柴胡桂枝乾姜湯、柴胡桂枝湯、加味逍遙散、逍遙散、五積散、人参湯、越婢加朮湯

単体の処方だけで19種類くらいあります。

漢方薬の場合は、ホルモンを加えたり、ホルモンバランスに効果を与えるわけではありません。

『嚢腫ができる原因』を考えていきます。

そして、その原因は、血の巡りの悪さと水の巡りの悪さ。両方が同時に関係していることが多いです。

また、嚢腫は卵巣にできるものですから、月経リズムと深く関係しています。

ですので、「月経リズム」、「月経の状態」、「血の巡り」、「水の巡り」の4つの調整を行います。

人によって、この4つの要素の悪さのウェイトが変わってきます。

ある人は、血の巡りの悪さが50%、水の巡りの悪さが50%だったり、またある人は、血の巡りの悪さが30%、水の巡りの悪さが70%だったりするので、悪くなっている、血と水の割合で漢方薬も変えていく必要があります。

月経周期も長い人や短い人。

月経時の状態も腹痛が強かったり、頭痛がきつかったりと人それぞれ変わってきます。

月経リズムや月経の状態が良くない原因は、冷えの人もいれば、血の不足の人、ストレスなどで自律神経系の影響からリズムが狂う人もいますので、その人の原因に応じて、漢方薬を変えていきます。

「卵巣に嚢腫ができている」という状態は同じでも、人によって、『嚢腫ができていく過程や原因、体全体の状態』が全く違ってきますので、より細かに、それに合わせて、2つの漢方薬を合わせいったりもします。

ですので、候補となる漢方薬は、実際は19種類より、多くなり、そこから自分に合った漢方薬を選んでいく感じです。

婦人病や月経に関わるから、なんとなく、当帰芍薬散を選んでも意味がありません。

『誰の卵巣嚢腫にも効く漢方薬』なんてものはありません。

『卵巣嚢腫で使うこともある漢方薬』があるのです。

全身の症状や状態などから原因の分析もしないで、卵巣嚢腫に効きそうな漢方薬を調べてもそんなものは本来は存在しないのです

「漢方薬を飲んでいるけど、効果がよくわからない」とよく思われるのは、『そもそも医者などが、漢方薬をちゃんと選んでいないから』なんです。

いわば、あてずっぽうで選んだ漢方薬を飲んでいるから効果がないのは当たり前。

本来は、19種類の中から、たった1つの漢方薬に絞らないといけないし、漢方薬で卵巣嚢腫を治療する場合は、ピルのようなホルモンを補充するわけではなく、「月経リズム」、「月経の状態」、「血の巡り」、「水の巡り」を整えていくから、結果的に嚢腫が小さくなっていくのですね。

その人の原因を考えずに19種類の漢方薬の中から選べるわけがありません。

それだと、もはや、「どれでもいいじゃん!」ってレベルになってしまいます。

これだけの数の中から、あなたにあった1種類の漢方薬を選ぶためには、卵巣嚢腫の状態だけでなく、全身の状態、全部から体質を分析して、原因からでないと漢方薬を選びようがないのです。

なぜ体質から選ばないといけないのか

病院の治療は、微妙なトレードオフになっています。

嚢腫を小さくしていこうとする代わりに、『月経リズムや女性ホルモン』が狂わされます。

治療といっても半分は悪いことが起こるわけです。

また、ピルなどの服用は、現実的にはそれほど、嚢腫が小さくなった例を聞きません。

そうこうしているうちに嚢腫が大きくなって、手術をすすめられる。という感じになります。

卵巣嚢腫は嚢腫だけが大きくなっているのではなく、体全体の血の巡りや水の巡りも深く関係しています。

嚢腫だけをホルモンバランスを崩してまで、小さくしようとしても根本的な解決にはならないのです。

漢方薬は、『嚢腫を小さくすることだけ』目的ではありません。

月経リズムを含めて、体全体の調整を行います。

月経リズムや体全体の問題を含めて考えていくと、本当に『人それぞれ体の状態』が違ってきます。

19種類も使う漢方薬があるわけですから、どの漢方薬が自分に合っているのかを決めるのは、人それぞれの状態の違いがポイントになってくるのですね。

ですので、卵巣嚢腫も、人それぞれの体質をしっかりと分析して、それに見合った漢方薬を選んでいかないと意味がありません。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方処方応用の実際:南山堂
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠⅡⅢ:薬局新聞社刊
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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