漢方薬相談ブログ

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PMSや月経困難症に効く漢方薬

PMSや月経困難症は原因が、はっきりわからないので、病院での治療もなかなか難しいのが現状です。

結局は、その都度、鎮痛剤を飲んだりするしかなかったりしますよね。

病院によっては、ピルを処方したり、抗うつ薬を処方するところもありますが、普通に考えて、これらの薬を続けるのは抵抗がありませんか?

いずれにせよ、鎮痛剤、ピル、抗うつ薬はどれも根本的な解決にはなりません。

漢方薬では、加味逍遙散や桂枝茯苓丸、当帰芍薬散が、PMSや月経困難症に効くかのように説明されているものもありますが、ぶっちゃけ、「効かなかった」という人が多いのではないでしょうか。

うちではPMSや月経困難症の漢方治療をやっています。

その都度の痛みを止めたり、落ち込み感を誤魔化したりというものではなく、生理前や生理中にトラブルを感じなくなるような体質にもっていきます。

ここで、よく勘違いされているのですが、PMSや月経困難症に直接、効く漢方薬があるわけではありません。

あくまで、自分のPMSや月経困難症の原因が、加味逍遙散、桂枝茯苓丸、当帰芍薬散と合っていれば、その漢方薬で治りますが、原因とあっていなければ、他の漢方薬から選んでくる必要があります。

ですので、ネットで「PMSや月経困難症に効く漢方薬」を探して、それを飲んでも意味がないのですね。

ちなみに病院の保険適用で出してもらう漢方薬は、体質も原因も分析せずに加味逍遙散、桂枝茯苓丸、当帰芍薬散などを処方しています。

そこには明確な根拠がないので、ネットで自分で調べたのと大して変わらず、「漢方薬が効いていない」という感じになってしまいます。

本来の漢方治療は、PMSや月経困難症に直接、効果があるのではなく、体全体を調整して、PMSや月経困難症が発生しなように体質改善を行っていきます。

ですので、「誰のPMSや月経困難症にも効く漢方薬」は存在しません。

今回はPMSや月経困難症で使うことのある漢方薬を紹介します。

また漢方薬ではどう治療していくのかも解説していきたいと思います。

PMSや月経困難症の病院の治療

PMSや月経困難症で使う漢方薬を紹介する前に病院では、どんな薬を使うのかを解説したいと思います。

◯非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
おなじみ、イブプロフェン、ロキソニン、ボルタレンなどの鎮痛薬です。

すでによく使っている人も多いかと思います。

PMSや月経困難症、どちらにしろ、腹痛や腰痛を伴うことが多く、その痛みを一時的に抑えるために使われる薬です。

痛みは辛いものなので、一時的に痛みを抑えるのは良いことですが、飲んでから何時間かだけ限定で痛みが抑えられるだけなので、鎮痛薬を飲み続けても根本治療にはなりません。

作用の性質上、胃痛、胃もたれ、腹痛、吐き気、食欲不振が発生しやすいので、胃薬と一緒に飲む必要があります。

◯低容量ピルやホルモン補充
ヤーズやディナゲストなど、低容量のピルで、自然月経が起こらないようにする効果があります。

確かに自然月経自体がなくなれば、PMSも月経時のトラブルもなくなりますが、指が痛いから腕ごと切り落とすみたいな発想ですね。

そもそも、月経は赤ちゃんを授かるためだけでなく、血圧や肌、髪など女性の体のあらゆる働きと関連していて、止めていいものでもありません。

PMSや月経困難症は、なくなるかもしれませんが、月経を止めている間、他の問題が起こってきます。

また、ピルを続けたところで、PMSや月経困難症も根本的に治るわけではないので、、わかりやすく言えば、今だけ誤魔化して、他の体の部分に少しずつ悪影響を及ぼしていくといった感じになります。

ちなみにピルをやめたら、すぐに元の月経に戻ると思っている人が多いですが、そんな都合よくありません。

所詮、ピルは、月経リズムを騙して月経を止めているだけなので、ピルをやめたら、月経リズムは、それを飲む前よりも悪くなり、PMSや月経困難症は、より悪くなっていることもあります。

ホルモンの補充もピルと似たようなもので、わかりやすく言えば、正常なホルモンリズムを崩すものです。

まともな月経リズムや月経状態でなくなるので、つまり、月経に関わる症状などもなくなるというものです。

◯抗うつ薬
選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)という精神薬が使われます。

月経時の落ちこみや不安感などを解消するために使います。

パキシルやジェイゾロフトなどの抗うつ薬と呼ばれるものです。

精神活動に関わるセロトニンの働きを増強します。

うつ病では、脳内の神経伝達物質であるセロトニンの働きが悪いから、精神不安が起こっているとされていますが、精神って結局、意思や価値観も関わってくるので、本当にそれらの物質だけの問題なのかは、全くわかっていません。

また、PMSや月経困難症の不安感やイライラなどが、セロトニンと関係しているのかは、更にわかっていませんが、なんとなく、こういった薬が使われているようです。

ぶっちゃけ、やっつけ感のあるいい加減な治療に感じます。

いずれにしろ、セロトニンを化学薬でいじったところで、根本治療は望めませんので、なんだったら、閉経まで麻薬のような精神薬を飲み続ける必要があります。

こうった性質の薬しかないので、医者は苦し紛れに実はよくわかっていない漢方薬を処方しますが、これも本質的なことをわかっていないので、合っていない効きもしない漢方薬を処方します。

なぜ病院などで出される保険適用の漢方薬は効かないのか?

それをこれから説明します。

PMSや月経困難症に効く漢方薬

漢方薬は、根本の治療の考え方自体が西洋医学と全く違います。

たまに漢方薬に、ホルモンの成分が含まれているかのように勘違いしている人がいますが、漢方薬では、ホルモンを操作して治療はしません。

漢方薬を使った治療の場合は、その人の体全体から「なぜ、PMSや月経困難症になったのか?」を考えて、その原因を突き止めて、その人の原因にあったものを選びます。

漢方薬は、次の44種類の中から選びます。

桃核承気湯、通導散、大承気湯、防風通聖散、桂枝茯苓丸、温経湯、芎帰調血飲、当帰芍薬散、六君子湯、四物湯、八珍湯、帰脾湯、加味帰脾湯、四君子湯、人参湯、補中益気湯、十全大補湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、苓姜朮甘湯、女神散、折衝飲、芎帰膠艾湯、三黄瀉心湯、黄連解毒湯、温清飲、芍薬甘草湯、半夏瀉心湯、甘草瀉心湯、桂枝加苓朮湯、半夏厚朴湯、香蘇散、大柴胡湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、柴胡桂枝乾姜湯、柴胡桂枝湯、小柴胡湯、加味逍遙散、逍遙散、桂枝加竜骨牡蠣、五積散、抑肝散加陳皮半夏、八味丸、六味丸

単体の処方だけで44種類くらいあります。

加味逍遙散や桂枝茯苓丸、当帰芍薬散は、こちらの一部でしかありません。

それらの漢方薬で効果がなかったとしても、後、41種類はあるわけです。

漢方薬の場合は、一時的な痛み止めだったり、ホルモンを加えたり、ホルモンバランスに効果を与えるわけではありません。

その人の体全体をみて、PMSや月経困難症の原因を考えていきます。

PMSや月経困難症には、月経に関わる血の巡りやホルモン分泌に関わる神経、血の巡りを邪魔する冷えや血を作り出す胃腸の調子などなど、色々な要素が関わっていますので、根本的に治そうと思ったら、全身の症状や状態をみていかないといけません。

そして、全身の状態をみていくと、チェックする要素が多くなり、同じPMSや月経困難症の人でも、体の状態は全く変わってきます。

漢方薬はその人それぞれ違う状態の人に合わせて、選ぶので、これだけ種類があります。

また、その原因は、人によって複雑なので、2種類の漢方薬を合わせないといけない場合もありますし、体質によっては、段階的に漢方薬を変更していく必要もあります。

例えば、月経や気分の落ち込みに血の不足が原因の人も、最初の2ヶ月は血を作り出す胃腸を整えて、ある程度、血を増やせたら、次に血を巡らせていく。

期間をわけて段階的に治療しないといけない場合もありますので、これになると段階的に使用する漢方薬が変わり、紹介したどれかの漢方薬を飲み続ければ治るといったものでもありません。

例えば、PMSや月経困難症に使われる漢方薬の中には、温める性質のものと冷やす性質のものがあります。

月経リズムや月経時の痛みには、血の巡りが深く関わっていますが、人によって、不要な熱が原因で血の巡りが悪くなっている人と、逆に冷えて血の巡りが悪くなっている人がいます。

つまり、治療の方法は正反対になります。

漢方薬は、体質を分析して、その原因に沿うように選ぶ必要がありますので、不要な熱がこもっている人に、温める漢方薬を選ぶと逆にとんでもない副作用に見舞われますので、しっかりと体質や原因を分析して、的確に選ぶ必要があります。

PMSや月経困難症で漢方薬を飲んでみたけれど、効果がよくわからないのは、自分の体を分析して選んでいないからなのです。

いわば、病院やネットの説明は、何の根拠もないテキトーな漢方薬を進めているだけなので、むしろ効く方がおかしいのです。

本来は、44種類の中から、たった1つの漢方薬に絞らないといけないし、漢方薬でPMSや月経困難症を治療する場合は、ピルのようなホルモンを補充するわけではなく、その人の原因をしっかりと分析して、「体全体」「月経リズム」、「月経の状態」を整えていくから、体質改善につながるのですね。

その人の原因を考えずに44種類の漢方薬の中から選べるわけがありません。

これだけの数の中から、あなたにあった1種類の漢方薬を選ぶためには、月経の状態だけでなく、全身の状態、全部から体質を分析して、原因からでないと漢方薬を選びようがないのです。

なぜ体質から選ばないといけないのか

病院の治療は、トレードオフになっています。

どの薬にも共通しているのは、『その時だけ誤魔化す』ということと、病院の薬は大なり小なり、副作用があり、何かが良くなれば、何かが悪くなるという『トレードオフの治療』になっています。

その中でも最悪なのは、ピルです。

治療といっても半分は悪いことが起こるわけです。

PMSや月経困難症は、血の巡りや水の巡り、体全体の状態が深く関係しています。

ピルで月経を一時停止させても何の解決にもなっていません。

漢方薬は、月経リズムを含めて、体全体の調整を行います。

月経リズムや体全体の問題を含めて考えていくと、本当に人それぞれ体の状態が違ってきます。

44種類も使う漢方薬があるわけですから、どの漢方薬が自分に合っているのかを決めるのは、人それぞれの状態の違いがポイントになってくるのですね。

ですので、PMSや月経困難症も、人それぞれの体質をしっかりと分析して、それに見合った漢方薬を選んでいかないと意味がありません。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方処方応用の実際:南山堂
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠⅡⅢ:薬局新聞社刊
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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