漢方薬相談ブログ

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PMSや月経困難症の原因と根本から漢方薬で改善する方法

PMSや月経困難症、生理は毎月やってくるものなので、毎回、憂鬱感や不安感、耐え難い痛みに見舞われるのは辛いですね。

月経痛は鎮痛剤で、なんとか凌げても、結局、次の月には、何も変わらず、同じ痛みがやってきます。

PMSに関しては、精神的、気分的な問題が起こるので、病院では、抗うつ剤などが処方されますが、『精神疾患とPMSは違うもの』なのですよね。

実は、PMSや月経困難症といっても、東洋医学的にみると、人それぞれ原因が違ってきます。

PMSや月経困難症が漢方薬で根本治療や体質改善につながるのは、その原因に合わせて選ぶからです。

現状、病院の薬は、その時の痛みなどの症状に対応しているだけなので、次の月も、その次の月も同じ症状が続くことになります。

今回は、病院、つまり西洋医学が考えるPMSや月経困難症の原因を説明します。

そして、漢方では、PMSや月経困難症を根本的に治すために、どんな原因があると考えられるのか、それをどう治していくのかを解説します。

病院(西洋医学)が考えるPMSの原因

西洋医学から考えられるPMSの原因は、国際的な医学の専門サイトを見てみるといきなり『原因不明』と書かれています。

原因の可能性があるものとしては次のものが挙げられています。

MSDマニュアルプロフェッショナル版より引用
◯複数の内分泌性要因
(例:低血糖,糖代謝における他の変化,高プロラクチン血症,エストロゲンおよびプロゲステロン血中値の変動,エストロゲンおよびプロゲステロンへの異常反応,アルドステロンや抗利尿ホルモンADHの過剰)
◯遺伝的素因
◯セロトニン欠乏
◯場合によりマグネシウムおよびカルシウムの欠乏

この要素を見て貰えばお分かりになるかと思いますが、要するに「これだ!」という決定打がなく、これら全部が関わっていて、更に人それぞれの原因があるので、『原因不明』になるのです。

イライラや不安感、よくわからない焦燥感など、気分的なものは、セロトニンがどうたらこうたらと言ってたりしますが、精神、感情は、どうやって、それらが発動するのか、医学的、科学的には、実は何もわかっていないに等しいです。

そもそも、PMSは月経前や月経時に起こるので、おそらくホルモンと関わっていて、ホルモンと脳内物質となると、わからないことだらけでお手上げになります。

病院(西洋医学)が考える月経困難症の原因

次に『月経困難症の痛みの原因は、子宮の収縮と虚血から起こる』と考えられています。

更に詳しくみていくと、子宮内膜でプロスタグランジンという血管収縮と強力な筋肉層刺激物質が作られて、その影響によって起こるといわれ、子宮の筋肉層への血の巡りの不足もあると言われています。

通常の月経では、少なからず月経痛がある人は多いかと思いますので、プロスタグランジンという生理活性物質が関わっている。というのはわかるのですが、それだと、月経がある女性は、みんな月経困難症になっている。ということになり、月経前や月経後などの月経の日以外の吐き気、嘔吐、下痢や腰痛、頭痛、倦怠感などが、なぜ起こるのかの理由になりません。

これだと、なぜ自分だけが、他の人よりも、月経痛がひどく、頭痛や吐き気などの他の症状もあるのかの根拠にならないのですね。

でも、病院の治療はこれでいいのです。

なぜなら、『病院の薬は、最初から、症状を一定時間だけ抑えることが目的』だからです。

そもそも根本治療とは関係がないのです。

痛みがあれば、痛み止めを出す。

吐き気があれば、吐き気止めを出す。

症状を抑える薬を出すだけなので、原因を考えたところで、実際の治療と何も関係なっかったりします。

病院の漢方薬

「じゃあ、漢方薬はどうなのか」となると、確かに漢方薬は根本治療になりますが、残念ながら、病院の漢方薬に関しては、完全に間違った使われ方をしています。

病院での漢方薬を選ぶ方法は、漢方薬メーカーの会社からもらったマニュアルの月経困難症の欄に書いてある漢方薬を見て渡しているだけです。

残念ながら、これだけ。

こんなのは、日本語が読めれば誰でもできます。

本来の漢方では、東洋医学のルールに乗っ取って、使うものなので、東洋医学的な体質を判断して、その体質に合わせて最適なものを選びます。

人それぞれの月経困難症の原因

本来の漢方薬は、その人の体質に合わせて選びます。

『体質というのは、PMSや月経困難症の原因ともいえます』

使う漢方薬としては、44種類以上ありますが、原因は大きく分けて10パターンあります。

1つの原因のパターンの中に、微妙な体の状態の違いで4種類くらいの漢方薬があります。

細かな条件で漢方薬を使い分けていくので44種類も漢方薬があるのですね。

それでは、原因のパターンを紹介していきます。

【血の巡りが悪いタイプ】月経周期が長くなりがちな人が多く、経血が粘っていて、血の塊が多い場合もあります。

足は冷えているけれど、のぼせがあったりと上半身は暑かったりします。

月経前に頭痛が起きやすく、月経前に特に理由なくイライラ感がわきあがったりしやすいです。

血に不要な熱が宿りやすいことが原因でピーマンやセロリはこの内熱を取ってくれるのに役立ちます。

【胸脇熱のタイプ】
西洋医学での肝臓に近い、肝の臓に不要な熱がこもって症状が出ているタイプです。

みぞおちの痛みやつかえている感じがあり、胃痛や胸焼けを起こしやすいです。

寝つきが悪かったり、睡眠が浅かったりします。

月経前に頭痛が起きやすく、こちらもイライラ感が起こりやすく、加えて焦燥感や腹がたちやすくなったりします。

肝の臓は、酸のもので癒やされるので、酢の物や果実酢などを摂るようにすると良いです。

お酒は、肝の臓を傷つけるので、こちらのタイプの人は、月経の1週間前あたりから控えたほうがよいかもしれません。

【便秘が強いタイプ】
便秘が強いと、漢方では大腸に熱がこもり、大腸の近くにある子宮は熱を帯びて、炎症を起こしやすくなったり、血の巡りが悪くなったりします。

まる3日間、自然に排便がなかったり、少量のコロコロ便であることが多い方は要注意です。

月経前に頭痛が起きやすく経血が黒ずんでいたり、経血の粘りが強かったりします。

精神症状はこちらも、イライラ感や怒りの感情がわきあがってきやすいです。

月並みですが、食物繊維を多くとることが重要ですが、長年、便秘の方の治療をしてきて思うのは、腹筋が弱い方が多いので、腹筋を鍛えるようにしましょう。

【消化器が弱っているタイプ】
胃と腸が弱っていて、体力もなく疲れやすいタイプです。

胃もたれやゲップがあり、軟便や下痢になりやすい人が多いです。

月経周期や月経自体の期間が短かったり、経血が少なく、色が薄かったりします。

月経後は疲れやすく、気分的には落ち込みや不安感が大きくなりやすいです。

牛肉などの消化に負担のかかるものはさけて、肉は魚か、鳥がおすすめです。

【腎の臓が弱っているタイプ】
漢方では、腎の臓は、根本的なホルモンの元がためられているとされています。

月経周期に2ヶ月ほどの間があったり、夜中のおしっこがあったり、頻尿があったりします。

冬の寒い時期でも足がほってて冷やしたくなる症状があります。

経血は少なく、色が薄いです。

こちらのタイプの場合は、子を成す力が弱いので要注意です。

月経時期には、不安感やビビり性が強くでやすくなります。

わかめやしじみ、ひじきなどを摂るようにすると良いです。

【冷え性タイプ】
手足の冷えが強く、自分で体温を作ることができない典型的な冷え性タイプです。

月経中は、より冷えやすくなります。

外気の冷えによって関節の痛みや肩こりなども強く出てきます。

月経周期が短くなりがちで、精神症状としては、不安感や落ち込み感が強く出やすくなります。

温めるグッズで温めることは重要ですが、自力で温められないことが問題なので、筋トレで少しでも筋肉を増やして代謝を増やすことも重要になります。

【気の滞りや気の上衝などがあるタイプ】
気の巡りが滞りやすかっり、気が顔だけに集まって滞ったりしているタイプです。

気の巡りは、西洋医学的に例えれば、自律神経やホルモン分泌にも関わってきます。

のぼせ、頭痛、耳鳴り、めまいが起こりやすく、寝つきが悪かったり、やる気が全く起きないなどの症状があります。

月経周期は長かったり、短かったりと一定しません。

月経時には、言いたいことが言えないようなモヤモヤした気分になりがちです。

気の発散が必要な人が多いので、シソを使った料理やミントティーなどを飲むようにしてみてください。

【血が少ないタイプ】
血液量というよりも活動に使う血と作られる血のバランスが崩れている、血が少ないタイプです。

立ちくらみや疲れやすさがあったりします。

月経周期は短めで、経血量も少なめなことが多いです。

虚血性のだるさを伴う頭痛や月経痛だけでなく、だるい腰痛なども伴うことが多いです。

月経時は、より血がなくなっていくので、やる気がなくなりがちで、不安感も強くなりやすくなります。

プルーンなどが血の補充をしてくれますが、血を作り出す消化器が弱い場合や、腎の臓が弱ってる場合もあります。

【水の巡りが悪いタイプ】
体の水の巡りが悪いタイプです。

「水の取りすぎ」とかそういった問題ではなく、全身にバランスよく水が巡らずに偏っています。

むくみやすく、頭痛や耳鳴り、痰のからみなどを起こしやすいです。

水の巡りと卵巣は深い関係があるので、排卵期にも腹痛があったり、月経時には腰痛も強かったりします。

1日の水分量をあまり多くとらないようにして、寝る前には水分を控えたほうがよいです。

【気と筋肉の緊張が強いタイプ】
ストレスを受けると緊張しやすいタイプは、筋肉も緊張してかたくなりやすいです。

月経痛がひどい場合は、そもそもの原因がこの体質タイプであることが多いです。

焦り感は、緊張を増すので、リラックスできる時間を作ることがポイントです。

まとめ

今回、いくつかのPMSや月経困難症の原因を簡単に紹介しましたが、実際は、こんなわかりやすい1つの原因ではなく、3、4個の原因が重なってPMSや月経困難症を発生させています。

例えば、血の巡りの悪さ+胸脇の熱+水の巡りの悪さといった感じで、この3つの原因を全部、調整できる漢方薬を選ぶと治ります。

PMSや月経困難症といっても本当に人それぞれ原因が違い、原因が違えば、当然、選ぶ漢方薬も変わるのです。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
月経前症候群(PMS) - 18. 婦人科および産科 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
月経困難症 - 18. 婦人科および産科 - MSDマニュアル プロフェッショナル版
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方処方応用の実際:南山堂
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠⅡⅢ:薬局新聞社刊
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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