漢方薬相談ブログ

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病院では聞けない!めまいの7つの原因(東洋医学的)

ふわふわと地面に足がついていない感じのめまいや、景色がぐるぐると回っているようなめまい、ひどい人になるとベッドから起き上がれない人もいらっしゃいます。

病院の薬では、めまいには、血管を広げて血流を増やすものや神経路の調整作用をするものがありますが、実際には、その薬を飲んでいても効いていない人が多いようです。

病院の薬は血管を広げて血流を巡りらせる薬を使うので、めまいと血の巡りが関係してそうにみえますが、漢方的にみていくと、血の巡りの悪さに限らず、水や気の巡りの悪さ、消化器が弱いことが原因だったりと、人それぞれ、色々な原因が考えられます。

ネットなどで「めまいの漢方薬」を調べると、苓桂朮甘湯や五苓散、柴苓湯、半夏白朮天麻湯、真武湯などが、めまいに効くかのように説明されていますが、これらがどれでもめまいに効くわけではなく、その人のめまいの原因別に選んでいかないと全く効果がありません。

これらの漢方薬以外にも、原因別でみていくと40種類くらいの漢方薬を使い分けます。

現状、病院の薬は、めまいに効かないことが多く、効いたとしても、病院の薬は一定時間だけ、血流を良くするだけで、薬の効果時間が切れれば、元に戻り、次の月も、また、その次の月も同じめまいが続いていきます。

まずは、病院、つまり西洋医学が考えるめまいの原因を説明します。

そして、漢方では、めまいを根本的に治すために、どんな原因があると考えられるのかを解説していきます。

病院(西洋医学)が考えるめまいの原因

西洋医学から考えられるめまいの原因は、国際的な医学の専門サイトを見てみると次のことが書かれています。

【回転性を伴うめまいの原因】

1良性発作性頭位めまい症

寝返りなどで頭を動かした時や耳の感染症、耳のけが、耳の手術などによって耳石が剥がれてめまいが発生します。

2前庭神経炎

おそらくウィルスが原因で前庭神経炎が発生し、めまいが発生すると考えられています。

3内耳炎

内耳炎の炎症によって、めまいが発生します。

4片頭痛

片頭痛が起こる人にめまいが発生します。

【回転性を伴わないめまいの原因】

1薬の作用

一部の薬は、耳の神経や平衡器官に直接、毒性を及ぼし、めまいを起こさせます。

例えば鎮静薬などです。

2多数の要因が関与する原因

薬の副作用や加齢による感覚機能の低下が合わさったり、重度の貧血や神経疾患など、要するに複合的になってくると、西洋医学的には原因不明になります。

回転性めまいの場合は、割とはっきりした原因が考えられますので、それは病院で見つけてもらいやすそうですね。

ただし、炎症の病気や症状がめまいの原因とは限らず、炎症は炎症で、めまいはめまいの原因があって、重なっている場合もあるので、その場合は、炎症を治しても、めまいは治りません。

回転性を伴わない場合は、薬による副作用が原因であることが多いようですが、気をつけないといけないのは、意外と医者は、代表的な薬の副作用以外は、知らなかったりすることが多いです。

大半の人のめまいは、多数の要因が関係しているのだと考えられますが、つまり、それは原因不明の人が多いということになりますね。

でも、病院の治療はこれでいいのです。

なぜなら、治療として処方する病院の薬は、最初から、めまいを一定時間だけ抑えることが目的だからです。

原因が内耳炎などの炎症関係の場合は、抗菌剤などが根本治療になるかもしれないですが、それ以外は、根本治療になるのかどうかはわかりません。

痛みがあれば、痛み止めを出す。

吐き気があれば、吐き気止めを出す。

症状を抑える薬を出すことが基本なので、原因を考えたところで、根本治療とは、割と関係なかったりします。

病院の漢方薬

「じゃあ、病院の漢方薬はどうなのか」となると、確かに漢方薬は根本治療になりますが、残念ながら、病院の漢方薬に関しては、完全に間違った使われ方をしています。

病院での漢方薬を選ぶ方法は、漢方薬メーカーの会社からもらった、マニュアルのめまいの欄に書いてある漢方薬を見て渡しているだけのことが多いです。

例えば、マニュアルに書いてあるのは、苓桂朮甘湯、五苓散、半夏白朮天麻湯などですが、なぜか大体は、苓桂朮甘湯を選んでいます。

ちなみにざっくりですが、苓桂朮甘湯は、めまいの原因が、気と水の巡りが悪い人に合うもので、五苓散は水の巡り、半夏白朮天麻湯は、胃が弱く、胃に水が溜まっていて、冷えのある人に合わせ、あなたのめまいの原因と食い違っている場合は、効果はありません。

ちなみに他にも条件は多数あります。

こんな感じで、本来の漢方では、東洋医学的な体質を判断して、その体質に合わせて最適なものを選びます。

人それぞれのめまいの原因

本来の漢方薬は、その人の体質に合わせて選びます。

体質というのは、めまいの原因ともいえます。

使う漢方薬としては、40種類以上ありますが、原因は大きく分け『7パターン』あります。

1つの原因のパターンの中に、微妙な体の状態の違いで4、5種類くらいの漢方薬があります。

細かな条件で漢方薬を使い分けていくので40種類以上も漢方薬があるのですね。

それでは、原因のパターンを紹介していきます。

【水の巡りが悪いタイプ】
主に肩から上の部位である、上焦といわれる部分の水の巡りが悪い状態が原因で、めまいが発生しています。

回転性めまいが主に起こりやすく、症状としては、オシッコの回数が多かったり、逆に少なかったり、むくみなどがみられます。

この原因にプラス気の巡りも悪かったり、炎症熱があったり、体全体の冷えなどがあったりすると、選ぶ漢方薬も変わってきます。

夏以外は、あまり水を取りすぎないようにするのが良いです。

【胃が弱く胃に水がたまるタイプ】
胃の機能が弱く、胃に不要な水が溜まってしまうことが原因で、めまいが発生しています。

症状としては、胃もたれや吐き気、ひどいと吐いたり、食欲がなく、軟便から下痢になりやすいなどがみられます。

胃腸の機能が弱い原因には、冷えの場合と熱の場合があり、原因に応じて、漢方薬を使い分けていきます。

この原因にプラスして、体全体の冷えがあったり、胃自体が冷えていたり、体力低下も激しいなどで、選ぶ漢方薬も変わってきます。

一度に水分を摂りすぎると、胃の弱りが強くなるので、水分は少量ずつ飲むのがよいです。

牛肉などの消化に大きなエネルギーを使うものはさけて、消化のよいものを食べるのが良いです。

【ストレスや自律神経が関わっているタイプ】
漢方では、気が滞ったり、気が不足したり、気がおちている原因によって、めまいが発生しています。

症状としては、のぼせや、寝つきの悪さ、夜中の目覚め、落ち込み感やイライラ、焦燥感などがみられます。

これらの精神や自律神経系の問題にプラスして、不要な熱がのこもりがある人や、逆に冷えがあったり、水の巡りの悪さなどが加わってくることで、10種類ほどの漢方薬を使い分けます。

めまいの原因が「気」だった場合は、本当に人それぞれ、選ぶ漢方薬がわかれてきますね。

睡眠時間や食べる時間を、一定させて、体を動かしていない人は、運動をとりいれるのが良いでしょう。

【血の巡りが悪いタイプ】
血の巡りの悪さが、原因でめまいが発生しています。

症状としては、頭痛やのぼせ、足の冷えや手の冷え、肩こり、便秘などがみられます。

冷えに関しては、足だけが冷える人と、手足ともに冷える人とは、選ぶ漢方薬が違ってきます。

漢方においての血の巡りの悪さは、血がサラサラかどうかではなく、体全体を偏りなく巡っているかどうか、体の部分、部分で血が滞っていないかをみていきます。

血の巡りを良くするのは運動です。

特に下半身の血の巡りの悪さが強くなりがちなので、スクワットなどが良いです。

【血が不足しているタイプ】
血が不足して、脳血流が不足していることが原因で、めまいが発生しています。

こちらのタイプは、脳血流だけが不足しているのではなく、作り出す血と消費する血のバランスが崩れているとみます。

漢方では、血は思考や悩み、運動で消費すると考えられています。

症状としては、立ちくらみ、息切れ、手足の冷えや疲れやすさなどがみられます。

漢方では血の増やし方は、鉄分を補給するわけではなく、血を作り出す消化器や、作るのに関わる腎臓など、その人の血の不足の原因を見極めて治療していきます。

鉄分だけでなく、漢方的には、ひじきやわかめなどが血の補充に役立ちます。

【胸に気と熱の滞りがあるタイプ】
胸にモヤモヤと気が滞り、胸を中心に不要な熱の滞りのあることが原因でめまいが発生しています。

症状としては、のぼせ、胸焼け、胃痛、胃もたれ、寝つきの悪さや夜中の目覚め、月経異常などがみられます。

肝臓が不要な熱をもっていることが原因で、これは酢の物で癒されます。

【肩から上に熱がこもっているタイプ】
肩から上に熱がこもっていることが原因でめまいが発生しています。

症状としては、のぼせやあから顔、鼻血が出やすいなどがみられます。

長い間、めまいを患っている人に、このタイプの人は滅多にいません。

熱がこもっているとはいえ、頭を冷やせば、治るわけではないので、こちらは、自分で養生するのは難しいです。

まとめ

今回、いくつかのめまいの原因を簡単に紹介しましたが、実際は、こんなわかりやすい1つの原因ではなく、原因が3、4個重なってめまいを発生させていることが多いです。

また、その原因から見られる症状は、あくまで一例で、この症状がかならずあるとか、この症状があれば、この原因にあてはまるというわけではありません。

漢方では全身から原因を判断していくので、全く他の部分の症状と組み合わせて分析もします。

実際に原因を分析すると、水の巡りの悪さ+気の巡りの悪さ+胃腸の弱さといった感じで、この3つの原因を全部、調整できる漢方薬を選ぶと治ります。

めまいといっても本当に人それぞれ原因が違い、原因が違えば、当然、選ぶ漢方薬も変わるので40種類以上の漢方薬が候補してあるのですね。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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