漢方薬相談ブログ

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慢性関節リウマチに効く漢方薬/桂枝加苓朮附湯はリウマチの漢方薬じゃない

  1. 慢性関節リウマチに効く漢方薬
ズバリ!慢性関節リウマチに効く漢方薬は、次のものになります。

  2. 病院の薬と漢方薬に対する大きな誤解
「慢性関節リウマチになったから、病院に行って治してもらわなくちゃ!」と病院に行かれる方が多いと思いますが、そもそも病院の薬は、対症療法といって、症状を一定時間だけ抑える効果で、リウマチ自体を治す効果はありません。

  3. 慢性関節リウマチの病院の薬
まずは病院の薬の効果を理解して、漢方薬との違いを知っておきましょう。

  4. 自分に合った漢方薬の選び方
漢方薬の効果とは、すなわち自分の原因に合っているものを探すことになります。

  5. まとめ


「慢性関節リウマチで桂枝加朮附湯を出されて飲んでみたけれど、ちっとも治らない」


リウマチの関節痛で漢方薬を飲んでみても、効果がよくわからない人は多いかと思います。


なぜ、よくわからないのか?


それは、リウマチという病名に対して効く漢方薬は存在しないからです。


漢方薬は、病名に対応しているのではなく、リウマチの関節痛を持っている、あなたの体質に合わせて選ばないと効果がありません。


にも関わらず、医者は、「リウマチには桂枝加朮附湯が効く」かのように決めつけてマニュアル的に出しています。


今回は、慢性関節リウマチに効く漢方薬を全て紹介したいと思います。


この動画を見ていただければ、実は、体質や原因を分析しないで桂枝加朮附湯を飲んでも効くわけがない理由がわかります。


また、あなたの慢性関節リウマチに合った漢方薬をどうやって選ぶのかがわかるようになると思います。


慢性関節リウマチに効く漢方薬
ズバリ!慢性関節リウマチに効く漢方薬は、次のものになります。


実は病院がよく出している桂枝加朮附湯だけでなく、他にも葛根湯や柴胡桂枝乾姜湯などなどがあります。

下記を参考にしてみてください。


【慢性関節リウマチに効く漢方薬】
麻黄加朮湯、葛根湯、葛根湯加朮附子、桂枝二越婢一湯、越婢加朮湯、麻杏薏甘湯、薏苡仁湯、防已黄耆湯、疎経活血湯、清湿化痰湯、桂枝加附子湯、甘草附子湯、桂枝加芍薬湯、桂枝加芍薬知母湯、大防風湯、烏頭湯、茯苓四逆湯、桂枝茯苓丸、桃核承気湯、四物湯、柴苓湯、柴胡桂枝乾姜湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、大柴胡湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、十全大補湯、五積散、当帰四逆加呉茱萸生姜湯

大体、19種類くらいあります。


ここからあなたの体質、原因に合った1種類だけを選びます。


なんでこんなにあるのか?


それは、漢方薬は、その人自身の原因に合わせて選ばないと全く効果がないからです。


漢方では、人それぞれの病気の原因のことを体質ともいいます。


原因の数が19パターンあり、それに対応した漢方薬が19種類あるのです。


「リウマチによる関節痛+あなた独自の原因」を合わせて考えて、自分に合ったものを選びます。


漢方では、慢性関節リウマチの原因のことを「体質」ともいいますので、漢方薬は原因に合わせて選ぶ。ともいえます。


例えば、慢性関節リウマチに効く漢方薬だと勘違いしている桂枝加朮附湯は、ざっくりと効果を説明すると、手足や筋肉、筋周辺に不要な水が溜まって、それが原因で、関節の痛みを起こしていて、不要な水を回収して排出し、温めてくれる効果です。


なんとなく慢性関節リウマチに効くものでもないし、関節の痛みに効く成分もありません。


リウマチによる関節の痛みは、病名が同じでも、人によって、「免疫と関係する肝の臓に不要な熱がこもっていることが痛みの原因の人」や「血の巡りが悪くなって痛みの原因」になっているなど、人によって原因が違い、原因が違えば、選ぶ漢方薬も変わってきます。


当たり前ですが、「肝の臓に不要な熱がこもっている人」に「水の巡りを巡らせる桂枝加朮附湯」を飲んでもらったところで、原因と効果が全く噛み合っていないので、何年飲み続けようが治るわけがありません。


問題は、医者やネット、AIの説明では、人それぞれ原因や体質が違うことを無視して、本当にざっくりテキトーに「慢性関節リウマチであれば、誰にでも桂枝加朮附湯が効く」と勘違いして、処方しています。


病院で漢方薬を出された人は、原因も体質も分析されずに、あらかじめ決めている桂枝加朮附湯を出されているので、あなたの原因に合っているわけがなく、効果があるわけがないのですね。


同じ慢性関節リウマチの人でも原因も選ぶ漢方薬も変わることを「同病異治」といい、これは漢方薬で治療する際の初歩中の初歩の大原則になります。


こんな感じで、テキトーにマニュアルをみて、「慢性関節リウマチ」という病名だけで漢方薬を選ぶと何が問題になってくるのでしょうか?


慢性関節リウマチの原因を解析しないで、漢方薬を選ぶと、そもそも原因と効果が合っていないので効果がないし、効かなかった時や、逆にもっと悪くなった時にどうすれば良いのか、何もわからなくなることです。


そりゃそうですよね。


「原因や体質を分析しない」ということは、桂枝加朮附湯が慢性関節リウマチに具体的にどう効くのか、全くわかってないわけですから、効かなかった時や、副作用が発生しても単なる運任せになっているのです。


では、なぜ、医者やネット、AIでは、こんな根拠のない、いい加減な処方や説明をしているのでしょうか?


それは、病院の薬に対する大きな誤解が関係しています。


病院の薬と漢方薬に対する大きな誤解
「慢性関節リウマチになったから、病院に行って治してもらわなくちゃ!」と病院に行かれる方が多いと思いますが、そもそも病院の薬は、対症療法といって、症状を一定時間だけ抑える効果で、リウマチ自体を治す効果はありません。


あくまで一時的に痛みや炎症を止めるだけしかできないのですが、痛みや炎症が一時的に治ると一見、「治った!」かのように感じますが、それは大きな勘違い!


そもそも、症状とは、体内の何らかの原因を知らせるために発生しているので、病院の薬で症状を抑えたところで問題は何も解決していません。


原因を治さない限り、症状は延々と発生し続けるわけで、病院の薬は、その都度、症状を抑えているだけなのですね。


これが、病院の薬の役割。


そして、漢方薬の役割は、症状を抑えることではなく、原因を治すことです。


関節に不要な水が滞っていることが「原因」で、関節の痛みが発生しているなら、関節の不要な水という「原因」がなくなれば、根本的な治療となります。


病院の薬は、症状を抑えるだけで原因を治しませんが、その代わり、どんな原因の人の痛みや炎症も大体、抑えることができます。


漢方薬は、すぐに症状を抑えませんが、原因を治します。


症状は原因を知らせるために体が発生させているので、結果的に、痛みなどの症状はなくなっていきます。


ただし、あなたの原因と漢方薬の効果が噛み合ってなければ、全く効果がありません。


医者は、病院の薬の役割と漢方薬の役割の違いがわかってないので、病名や症状だけをみて漢方薬を選んでもおかしくないと思い込んでいます。


それでは、もうちょっと具体的に病院の薬と漢方薬の違いについてみていきましょう。


慢性関節リウマチの病院の薬
まずは病院の薬の効果を理解して、漢方薬との違いを知っておきましょう。


病院の薬は対症療法というもので、薬の効果がある時間だけ、効果があります。


【免疫抑制剤】
・メトトレキサート:骨肉腫や悪性リンパ腫などにも使われている薬です。


免疫細胞が増えるために必要な葉酸代謝の邪魔をして免疫細胞が増えないようにします。


  • サラゾスルファピリジン:免疫の働きを抑えます。

  • タクロリムス:免疫の反応性を抑えます。

  • レフルノミド:免疫細胞のDNAを作る邪魔をして免疫細胞が増えないようにします。

  • インフリキシマブ(レミケード)など:免疫が活動するきっかけとなるスイッチを切って免疫活動を抑えます。

  • プレドニゾロン:炎症反応を抑える免疫抑制剤です。


いろいろな薬がありますが、要はどの薬も自分の関節を破壊している免疫自体を減らしたり、免疫を活動できなくしたりします。


免疫を抑えるということはバリアをなくすということです。


免疫はそもそもは、自分の体を守っているものなので、これらの薬の最もスタンダードな副作用は、ウィルスや菌による感染症です。


【抗炎症剤】
◯ロキソプロフェンなど:いわゆる鎮痛剤ですね。一定時間だけ痛みを止めてくれます。


関節を壊しているのは自分の免疫です。


ですので、免疫を抑える薬を飲むことによって、関節の破壊が和らぎます。


ただし、免疫は、ウィルスや菌から体を守ったり、体内のがんをやっつけたりと人間にとって欠かせない機能ですので、免疫を抑えるといっても、その人にとってちょうどよい免疫状態にできるわけでもないので、感染症などに弱くなり、細胞の増殖を抑えたりするので、副作用もなかなかきついです。


痛み止めは言うまでもなく、一定時間、表面の痛みだけを抑えます。


自分に合った漢方薬の選び方
漢方薬の効果とは、すなわち自分の原因に合っているものを探すことになります。


漢方薬は、体の機能を無理やりに変えることはしませんので、すぐに症状が抑えられるわけではありませんが、慢性関節リウマチになっている原因を少しずつ元の正常な状態に戻していこうとする効果があるので、続けていけば、根本的に治っていきます。


漢方薬は、「関節の痛み」などと1つの症状だけに注目して選びません。


ここにざっくりと大きく、どういった原因にどの漢方薬が合うのかを解説します。


どの原因にも何種類かの漢方薬がありますが、どれでもいいわけではなく、全身の問診やその症状が起こったきっかけ、症状が強くなる因子などを細かく分析して、より最適なものに絞り込んで選びます。


この絞り込みが細かいほど治療の精度が上がっていきます。


医者のように「慢性関節リウマチ→桂枝加朮附湯」という選び方は、何も考えていない、いい加減でテキトーな選び方になります。


大きくは、「体の水の巡りが悪いことが原因」、「肝臓に不要な熱がこもっている原因」、「冷えが強いことが原因」というものがあり、水の巡りが原因の中心の場合もあれば、この3つの要素が全部絡んでいる場合もあります。


水の巡りが悪いという状態にも強さがあり、水の巡りが悪いから、とにかく巡らせれば良い。とうものではなく、その人の水の巡りの悪さのレベルと、漢方薬が水を巡らせることができるレベルを合わせていきます。


さらに慢性関節リウマチを患った経過時間も考慮します。


慢性関節リウマチ初期に使う水を巡らせる漢方薬と何年か慢性関節リウマチを患っている人では、使う漢方薬は変わってきます。


【水の巡りの悪さが原因(初期)】
麻黄加朮湯、麻杏薏甘湯、越婢加朮湯、葛根湯、葛根湯加朮附子、茯苓四逆湯


【水の巡りの悪さが原因】
桂枝二越婢一湯、薏苡仁湯、防已黄耆湯、清湿化痰湯、五積散


【肝臓の不要な熱が原因】
柴苓湯、柴胡桂枝乾姜湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、大柴胡湯、小柴胡湯、柴胡桂枝湯


【冷えが原因】
桂枝加附子湯、甘草附子湯、烏頭湯、大防風湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、桂枝加朮附湯


【血の巡りが原因】
疎経活血湯、桂枝茯苓丸、桃核承気湯


【筋肉の緊張】
桂枝加芍薬湯、桂枝加芍薬知母湯


【血の不足や虚弱(体質改善)】
四物湯、十全大補湯


大きな治療の目的別にはわけてみましたが、例えば麻杏薏甘湯は、関節部分の水の巡りだけでなく、全身の水の巡りの悪さも関係していたり、越婢加朮湯は強い水の巡りの悪さプラス炎症の状態が強いという場合に使います。


また、水の巡りの悪さのレベルだけでなく、他にも原因となっている要素に合わせて漢方薬を使い分けます。


例えば、柴胡桂枝乾姜湯などは、肝臓の不要な熱、水の巡りの悪さ、下半身の冷も原因でもあり、大きく3つの原因が重なっていたりします。


細かく見ていけば、こういった感じで、大きな原因以外にも、他にも原因となる要素が関わっていたりして、それらの原因を調整できるものを選びますが、1つの漢方薬だけでもかなり長い解説になるので、ここでは割愛します。


まとめ


慢性関節リウマチといっても、患った年月が違っていたり、痛む箇所やダメージの度合いなど、関節だけをみても人それぞれ違っています。


それに他の病気もあったり、他の慢性的な症状などがあったりすると、全体の体質として見た時は、全然、違う病気みたいになります。


例えば、あるAさんが、最近、指と手首が痛むということで慢性関節リウマチの診断を受けました。


またあるBさんは、10年前から慢性関節リウマチを患っていて、指などが変形している場合、AさんとBさんは、漢方の体質的に見た場合は、もはや、違う病気の人みたいになります。


表面上に見えている、関節の痛みなどは、一緒でも、体全体を細かく分析していくと、AさんもBさんも全く違うことになります。


体質が違うということは、原因が違いますので、先の説明のように大きな原因を特定して、原因に合わせて漢方薬を選びます。


病院の薬のような誰の慢性関節リウマチにも効く漢方薬というものは存在しません。


病院では、関節の痛みや免疫の状態しか見ないですが、漢方薬は、関節の痛みをみながら、かならず、全身の状態をみて体質を判断していきます。


そして、その体質に合わせて漢方薬を選びます。


漢方薬のマニュアルやネットに「慢性関節リウマチに効く漢方薬」と書いてあって、そんなものを選んでも、それは、嘘の情報といっても差し支えありません。


また病院は、体質や原因などを全部、無視して、あらかじめ、勝手に慢性関節リウマチに効く漢方薬として桂枝加朮附湯、疎経活血湯、防已黄耆湯を設定して出しますので、こんな出し方では効くほうがおかしいです。


本来は、全身の状態を分析して、体質と原因を判断し、その体質に合わせて漢方薬を選ばないと全く効果はないといえます。


当店では、人それぞれの体質を分析して、その人独自の原因に合わせて漢方薬をお選びします。


ご希望の方は、概要欄にネット相談や店頭相談の予約カレンダーを貼ってありますので、ご相談ください。


あなたの現在の体質や原因を判断して、治療方針をご提案いたします。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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