漢方薬相談ブログ

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お米はすばらしい健康食品

食べ物の栄養は現在は栄養学というものを元に説明されています。

いわゆる最三大栄養素などです。

タンパク質、炭水化物、脂質ですね。

それにミネラルとビタミンを足したものが五大栄養素。

ダイエットなどで気にされているカロリーなどもこの栄養素の考え方が元になっています、

どんな食品がどれくらいのエネルギーをもっているか。

ダイエットや糖尿病の人などが病院で食事指導を受けるときはこういった栄養学を元にメニューなどが考えられたりします。

そこからいくと僕らが普段、食べているお米や小麦はどっちも同じ栄養素ということになりますね。

でも、これはあくまで栄養素から考えた時の話で、東洋医学的には食べ物は栄養素とは全然、違う効果や考え方があります。

米と小麦は同じもの?

ダイエットや糖尿病などで「炭水化物を控えましょう」となると、お米も小麦も同じ仲間なので控えないといけないみたいな感じになってしまいます。

栄養学の炭水化物は太りやすい。という理論からすれば、炭水化物である米ばっかり食べてる日本人は肥満が多そうに思いますが、世界をグルーッと眺めてみると肥満の多い国はお米をたーーーくさん食べているアジアの人ではなさそうですね。

ではどこでしょうか?

そう、アメリカです。

アメリカはダントツの肥満国。

これは同じ炭水化物である小麦であるパンを食べているからでしょうか?

それだったらヨーロッパの人々もヤバそうですね。

食べ物の効果はそんな単純じゃない

アメリカは肉や油のものが多いから太るのでしょう。

となると三大栄養素は全て太る原因なのか?となりますね。

漢方では食べ物の栄養を三大栄養素とか五大栄養素とかにわけません。

そんなざっくりとした分け方でもないし、ビタミンやミネラルがどれくらい入っているかといった分け方でもありません。

食品1つ1つに身体に及ぼす作用がありそれを1つずつ説明しています。

漢方には薬膳があるように食べ物に何の成分が含まれているかなどは関係なく東洋医学独自の効果を解明しています。

お米は栄養学的な分析をしてみると主な成分はでんぷん、つまり炭水化物ですね。

でんぷんがお米の中の主成分で多く、それが特徴的なのであれば、お米と小麦やジャガイモはどれを食べても同じものとも言えそうです。

そんなわけないですが…。

その他に亜鉛やマグネシウム、カルシウムやナイアシン、ビタミンB2やナイアシンを含んでいます。

繊維なども含まれていますが、このあたりのビタミン、ミネラルはお米に限ったことではないので、どんな食品にも含まれていますね。

さて漢方的にはお米はどんな効果があるのでしょう。

お米の効果

漢方的には寒熱という体を温めたり、冷やしたりする効果は平というものです。

これは温めも冷やしもしないので、「冷え性の人」でも「熱がこもっている人」でもどちらのタイプの体質でも食べてもOKということです。

次に昇降、収散、潤燥は特にありません。

昇降は体内の要素(気血水など)をを体内で昇らせたり降ろしたりする効果。

収散は収で体内の要素を集めて留まらせたり逆に散で外側に発散、分散させたりする効果。

潤燥は身体を潤したり乾燥させたりする効果です。

お米が効く臓腑は脾胃といって消化器に効果があります。

五味という味の配当は甘いと苦いに分類されます。

東洋医学的な効能は補中益気といって胃腸のエネルギーを高めます。

補中益気湯という漢方薬がありますが、これはお米とは関係ありません。

その他の効果として健脾和胃といって消化機能を調整します。

除煩渇といって喉の渇きなどを解消します。

止痢といって下痢を止めます。

漢方薬の治療などと一緒にこういった効果と対して食すれば、助けになるといったものです。

ここで1つおもしろいのは同じお米のなのにその「とぎ汁」は性質が「寒性」つまり冷やす性質となることです。

体内の余分な熱を抑え、利水といって水を巡らせてオシッコで出しやすくしたりするのですね。

漢方の師匠が悪酔いし、のぼせた人に居酒屋で米のとぎ汁とショウガの擦ったものをもらって、たちどころに治したのを今でもおぼえています。

そういった風に漢方では『炭水化物』とか『タンパク質』とかそんなざっくりとしたもので、分けるのではなく1つ1つ細かくわけてみているのです。

漢方は食べ物1つとっても深いですね〜

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 医心方:出版科学総合研究所
◯ 東方栄養新書:メディカルユーコン
◯ 中医薬膳学:東洋学術出版社
◯ 薬膳素材辞典:源草社
◯ 食養生の知恵 薬膳食典食物性味表:日本中医学院
◯ 薬膳と漢方の食材小事典:日本文芸社
◯ 素問:たにぐち書店

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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