病院で慢性病は治せないが漢方では治せる理由
漢方の歴史は2千年です。
中国3千年とか4千年とか言われていますが、ちゃんとした医療としての形がつくられたのは2千年前からです。
歴史的な勉強はさておいて現在医学に比べて漢方って古臭い感じがしますよね。
果たして、科学が発達した現在に漢方って通用するのでしょうか?
答えは通用します!
むしろ『慢性病には西洋医学は通用しない』と僕は思っています。
漢方をやってる人間が書いてるのだから、そう言うのは、当たり前だと思われるかもしれませんが、そうではありません。
その理由を説明します。
漢方治療のはじまり
漢方のルーツは自然治療としてはじまりました。
西洋医学と違うところは、このルーツです。
「漢方薬には直接的に症状を抑える効果があって、その効果で病気が治るよ」というものではありません。
漢方の治療原則は『自然に逆らわずに調和していれば、病気にはならない』といったものです。
そうはいっても猛暑のように自然自体がキツ過ぎたり、のんびり暮らそうと思っても、仕事しなくちゃ食べていけないので、いくら自分が「自然に逆らわない!」と頑張っていても、そこには、それなりのバランスを崩す原因があるのですね。
自分の生活に目を向けてみると、ストレスだったり仕事の生活リズムの中で睡眠時間が不安定だったり、食事のバランスが良くなかったり。
そんなこんなで、普通に生きていくだけで自然の調和を乱す原因って山のようにあるのです。
だから、完璧に自然と調和して生きていることなんて実際には、誰にもできないのです。
つまり、『体に何ら悪いことをしていなくても、普通に生活しているだけでも誰でも病気になる』可能性があるということですね。
漢方薬は自然と体の調和を橋渡しする効果
そこで登場するのが漢方薬。
漢方薬は、その乱れたリズムを自然と調和できるように調整してくれます。
そもそも、自然との調和が乱れる原因は人それぞれ。
生活パターンやストレスの感じ方が全く一緒の人なんていませんよね。
だから体質もそれに合わせる漢方薬も人それぞれ。
バラバラなんですね。
西洋医学は科学的な部分と一緒に発達してきました。
漢方ではできない、身体の中を見たり、飲み薬だけでは到底治療できない体内の手術をしたり。
化膿したり感染病の原因も細菌だったとわかったのも西洋医学の功績です。
大昔にはわからなかったことがたくさんわかるようになりました。
確かに急性病や感染症、外科的手術は西洋医学にしかできない貴重な治療です。
しかし、その西洋医学も現代の慢性病には全く太刀打ちできないのです。
現に慢性病の治療で処方される薬は、ことごとく対症療法といってその場の症状を誤魔化すだけの薬です。
説明書きにもはっきりと、
『症状を抑える対症療法薬ですので病気の原因そのものは治せません』と書いてあります。
慢性病の原因は科学的に分析できません
科学がこれだけ発達している西洋医学が慢性病は治せない?
治せないんです。
なぜなら、慢性病の原因は1つじゃないから。
そして、その原因はウィルスや菌、怪我などのわかりやすい原因ではないから。
人それぞれ、複数の原因が複雑に絡み合って、いろいろな症状が現れたり病気になったりしているのです。
天気を完全に予想できないのと同じで、晴や雨の発生する理屈は大気の流れで起こるということは、わかっていますが、世界中の大気の流れを読むことはできません。
あまりにいろいろな要因が絡みすぎているからです。
慢性病の原因も複雑さでいえば同じなのです。
漢方は昔の医学だから治すことができる
では、古臭い漢方なら、なぜ病気を治すことができるのでしょうか?
それは人間の身体の構造は大昔から何も変わっていないから。
生活環境や使う道具などは、変わりましたが、相変わらず寝て、食べて、働いて、食べて、寝て…なんですね。
科学が進んだからといって、体の一部がロボットになったりしていません。
人体は、現在もほとんどが神秘に満ちていて、わからないことだらけなのです。
漢方は症状の構造を研究して、その症状を止めることを目的にしてません。
西洋医学のミスは、病気の構造ではなく、病気で起こる症状のメカニズムを解明しただけで、病気になる真の原因は全く解明できていません。
漢方は、2千年前から一貫して、体全体のバランスを分析して、どのバランスがおかしくなったかを見極め自然と調和させ、体内のバランスをとることを治療の目的としています。
漢方は身体全体をみないといけないというのは、そういう理由なのですね。
昔は何もわかっていないから、現代の科学で漢方を分析し、西洋医学のような漢方に進化すべきだと考える人もいますが、漢方の歴史や漢方の背景を勉強すれば、治療の根元の考え方が違うことに気づくはずです。
文化は変わりましたが、人間の身体そのものや人間の生活は2千年前から、なんら変わらないのです。
2千年前から相変わらず、目は2個、口は1個、手足は2本ずつなんですね。
ちなみに伝承レベルですが、漢方でも三国志の時代に脳梗塞の外科的手術を行っているようです。
つまり、その時代に西洋医学的な発想はあったんですね。
漢方の古典にある解剖学を見ても明らかに「解剖したよね?」っていう詳細な挿絵があります。
ましてや漢方ってゴキブリや石膏という石を薬にし、昔から刀で切りまくりの戦争の繰り返し、それだけの好奇心と環境の中で解剖してないわけがないですよね。
実は解剖してわかっていたこともあったけど「わかったからなんやねん。漢方治療には関係ないわ」という感じだったのではないでしょうか。
なぜなら、解剖を手術以外で生かそうと思ったら、普通に生活したままで解剖して研究しないと意味がないのですね。
でないと、薬を飲んでいる時、普段の生活のままだったら、どんな風に効いているのかが、また違うからです。
漢方の治療の目的は、自然と体の調和を橋渡しするものです。
ですので、病名や症状だけを当てはめて漢方薬を選んでも効果がありません。
全身の症状や状態、現在の環境(自然の状態)を考え合わせて、体質を分析し漢方薬を選びます。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ まんが医学の歴史:医学書院
◯ 医学の歴史:丸善出版
◯ 人類と感染症の歴史:丸善出版
◯ 医療の歴史:創元社
◯ 医学の近代史 苦闘の道のりをたどる (NHKブックス) :NHK
◯ 漢方の歴史:大修館書店
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社