漢方薬相談ブログ

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漢方薬で治したい人は「証」(体質)を知らなければ治らない

とても、とても重要なことを書き忘れていました。

漢方薬を処方している医者も漢方専門とかいってる薬局も「ほとんどの先生が、ちゃんとした漢方をやっていないよ」と言っておきながら、その決定的な理由である『証』のことを説明していませんでした。

『漢方薬をある程度、飲んでいるけど治らない・・・』

『漢方薬を飲んでから前の症状がより強くなった。もしくは前にはなかった症状が出てきた!』

など悩みがある人は、絶対に知っていたほうがいいことを詳しく説明しています。

他の記事は読まなくてもいいので、これだけは絶対に読んでください!

「いや、やっぱり、できれば、全部の記事を読んでほしいです」

漢方といえば『証』です。

「証」のことをわかっていなければ、漢方薬は効果を発揮しないし、下手すれば、体質と漢方薬が合っていないと、体質がより悪い状態になり、漢方薬を飲まない方が、まだマシだった!なんて状態になることもあります。

体質や証って何?

漢方薬は体質を治しますが、体質って、なんだか漠然としていますよね。

漢方は非常に理論的な医学なので、実は体質のことも詳細に説明されています。

漢方では病気的な体質のことを『証』と言います。

『その病気や症状の原因』ともいえます。

例えば、「体全体的に寒く感じる・手足の冷え、手足の痛み」などの症状は寒証と言います。

症状、そのものだけでなく冷えることによって起こる症状も「寒証」です。

例えば「夏は頭痛が滅多に起こらないけど、エアコンで冷えたり、冬の寒くなった時に頭痛が起こる」みたいなのは「寒証による頭痛」と判断したりします。

「手足の冷えがあったらカンショー(寒証)」というようなアホみたいな単純思考のマニュアル的な感じではありません。

手足の冷えることが寒証の本質ではなく、寒さの影響や寒さをきっかけにして何かの症状が発生することも寒証です。

それでは日本漢方の大先生の『証』についての定義を引用してみましょう。

証の意味

漢方の大先生である藤平先生の書籍から引用します。

漢方概論より引用:
「証とは、病人の現している自他覚症状のすべてを、漢方的なものさしで整理し、総括することによって得られる、その時点における漢方的診断であり、同時に治療の指示である」

詩のような美しい言葉です。

『証』の全てを現しています。

僕は元々、中医学から始めたのですが、西洋医学と漢方を融合させた中医学は西洋医学的な考えを応用できるので、難解な漢方の世界に入りやすかったのですが…

とにかく実際の現場では『治らない!』

理論や一般の人への説明は、西洋医学的な側面があるので、非常に説明しやすいのですが…

とにかく実際の現場では『治らない!』

「漢方治療やってます。て言っても、なんか口だけじゃん!」という自分的な悩みが、相談を受ければ受けるほどありました。

そんな時に日本漢方に出会いました。

目からウロコ。すぐに日本漢方にハマりました!

漢方薬を選ぶ時は全身を調べる

大先生の言葉は、無駄がないです。

1センテンスずつ解説します。

『証とは、病人の現している自他覚症状のすべてを』

そうです。「自覚症状の全てを」となっています。

つまり、漢方では、どんな病気を治すにしろ、全身の自覚症状を聞かないといけないということです。

問診すらとってない保険適用の漢方薬を処方している医者は、もはや漢方治療の入り口にすら立っていません。

全身の問診をとることが、まず漢方治療の第一歩ですね。

自分で漢方薬を選ぼうとする人も一緒です。

漢方薬で病気を治すつもりなら「アトピーに使う漢方薬」とか「不眠が治る漢方薬」なんて探していては意味がないということです。

まずは全身の問診をとることです。

漢方薬は漢方の分析ツールで選ぶ

次のセンテンスの引用です。

『漢方的なものさしで整理し、』とあります。

漢方的なものさしというのは『気血水弁証』『臓腑弁証』『六病位』『八綱弁証』などです。

これらを詳しく説明すると、このブログ記事が辞典みたいになってしまいますので、ごく簡単な説明になりますが、要は症状をそのまま当てはめるのではなく、例えば、頭痛なら『気血水弁証』という漢方医学理論的な分析ツールを使って「気の滞りによる原因の頭痛なのか?」「血の巡りの悪さの原因による頭痛なのか?」「水の巡りの悪さによる原因の頭痛なのか?」などを診ていきます。(実際はもっと複雑)

『臓腑弁証』はその頭痛はどの臓器と関連づいているのか?

『六病位』は、その頭痛は、どれくらいの時間が経過し、どれくらいのレベルの酷さになっているのか?

『八綱弁証』は、その頭痛は暑さの影響か?寒さの影響か?などを分析していきます。

漢方薬を選ぶ時は漢方的な診断を行う

次のセンテンスの引用です。

『総括することによって得られる』というのは、全身の症状を漢方医学理論的な分析ツールを使って分析すると、「この体質かもしれない?」「これが原因かもしれない?」「この漢方薬もあの漢方薬も合うかもしれない」と何がなんだかわからないような状態になってきます。

総括というのは、これを漢方薬を選ぼうとする先生か、選ぼうとしている人が、自分で体質を分析して、診断名を決定しないといけないということです。

漢方薬のメーカーからもらったマニュアルや漢方のWebサイトに書いてある『症状や病名があてはまるから、この漢方薬でいいや』というものでは決してない!ということです。

こういった証の診断を他の本では推断と言っておられました。

なぜ、推断になるかというと、漢方は、人それぞれの体質に合わせていくので、ある漢方薬が絶対に良くなるかどうかは、一定期間、飲み終わるまで、わからないからです。

鎮痛剤は痛みの体内物質を遮断することがわかっているので、どんな体質であっても”人間”であれば、痛みが止まりますが、漢方の場合は体質に合わせて治療しますので、頭痛の本当の原因が水の巡りの悪さなのに、血の巡りを促す漢方薬を飲んでいたら、体質と漢方薬が合っていないので、いつまで飲んでも治らないということです。

体質は常に動いている

次のセンテンスの引用です。

『その時点における漢方的診断であり』

「その時点における」ってどういうこと?

そう、体質は一定ではないのです。

『夏には体の余分な熱の影響で頭痛が起こっていたのに、冬には寒さの影響で頭痛が起こっている』なんてこともあります。

体質というと生まれつきの体質を思い浮かべるかもしれません。

確かにそれはベースにあります。

生まれつきの体質というのは生まれつきの体の弱点みたいなものです。

生まれつきの体の弱点があって、それにその時点の何かの影響があって『現在の体質』があります。

体質は常に変わっていくのです。

だから『その時点における漢方的診断』しなければいけないのです。

漢方薬の効果と診断はセットになっている

次のセンテンスの引用です。

その時点における漢方的診断であり、『同時に治療の指示である』

同時に治療の指示である

漢方独特の考え方です。

日本漢方では方証相対と言います。

病院の鎮痛剤は、痛みを止める効果というメカニズムが科学的に証明されています。

漢方の場合は、そういったあらかじめ決まった効果や効果の有効成分なんてものはありません。

漢方薬のメーカーからもらったマニュアルや漢方のWebサイトに書いてあるいろいろな症状は、その漢方薬の『証』として設定されているもので、その症状自体を治すという意味ではありません。

例えば五苓散の適応症状に頭痛がありますが、黄連解毒湯の適応症状にも頭痛があります。

「どっちも頭痛と書いてあるからどっち飲んでもいいの?」って漢方はそんな単純に選びません。

全身を調べた時の「証」が水滞症だと判断し、なおかつ、その頭痛が、水の巡りの悪さが原因だったら五苓散で、その頭痛が治ります。

五苓散は頭痛を治す薬ではなく、厳密には「水滞証」「気の上衝」「表虚証」「表の寒証」という4つの証が五苓散に設定されていて、それら4つの証(原因)が一致すれば、その頭痛は五苓散で治るというものです。

なので、体の病的な状態と漢方薬の効能が一緒なので、「同時に治療の指示」となります。

体質とは証とは何か?(まとめ)

最後にもう一度引用。

漢方概論より引用:
「証とは、病人の現している自他覚症状のすべてを、漢方的なものさしで整理し、総括することによって得られる、その時点における漢方的診断であり、同時に治療の指示である」

1漢方は全身の自覚症状を知る必要がある

2漢方は全身の症状を『気血水弁証』『臓腑弁証』『六病位』『八綱弁証』と言ったような分析ツールで分析する

3漢方は分析ツールでわかった、たくさんの体の情報を漢方薬を選ぶ先生が病的体質である「証」として推断する※推断とは推測する診断です。

4漢方の病的体質である証は流動的で状況によって体質は変わっていく

5漢方薬に設定されている症状はその症状を治すというものではなく、その症状から証が一致すれば、同時に治療になるというもの

ちなみに、おそらく証の意味もわかっていないであろうツムラの漢方薬を処方している医者が使っているツムラのマニュアルには『患者の証を考慮して投与すること』って書いてあるのですよ。

だから、今度から漢方薬を処方されたら『私の証って何ですか?説明してください』と聞くようにしましょう。

漢方薬は『証』という診断結果がなければ選べないはずです。

漢方薬は、すぐれた薬なので、病名や症状だけをあてはめてもラッキーで治ることもあります。

でも、それって、逆に運悪く体がより悪くなることもあるということですね。

東洋医学専門の科、漢方専門医なんて、肩書きがあっても、あなたの現在の証を説明できなければ、結局、ニセモノ漢方医です。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 図説東洋医学(基礎編):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅰ):学研
◯ 図説東洋医学(湯液編Ⅱ):学研
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ やさしい中医学入門:東洋学術出版社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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