自分に合った漢方薬のお店や漢方の病院の選び方
このサイトに良い漢方のお店や病院の見分け方というページがあります。
こちらに書いてあるのは、真面目にできるだけ正しく漢方治療を行うおうとしている病院や漢方薬局をあなたが見分けられるようになるポイントを書きました。
その記事では漢方治療を実直に誠実に行う場合、漢方は東洋医学の医学理論で考えて治療を行うので、西洋医学の理論や西洋医学の病名や症状は関係ないことや漢方薬は病的体質である『証』を分析、診断して、その『証』に合わせて、漢方薬を選ぶことが必要である。という『漢方治療をやるからには最低限、必要なこと』を書きました。
その記事に書いてある、漢方の良い店や病院の条件は最低限やらないといけないことですが、今の日本の漢方業界は、むしろ逆で9割が誠実に漢方治療に取り組んでいません。
その元凶となっているのが、多くの医者が行なっているマニュアル漢方です。
漢方治療においては医大卒や医者というライセンスは実は何の関係もないのですが「医者なら漢方薬も知ってるはず」という、一般的な西洋医学も漢方医学も一緒という思い込みで、当の医者も実は、東洋医学理論を理解していないのにわかっているフリして漢方薬を処方しているという異常な状態が常識になっています。
『漢方』って長年、漢方薬を扱っている医者や漢方薬局の先生すら、よくわかっていないくらい謎の医学なのです。
9割がおかしな漢方がまかり通っている漢方業界の中で、まともな店や病院を見つけるほうが困難だと思うので、それなら、いっそ、逆に現実にある、いろいろなおかしなタイプの漢方を知ってもらい、患者さん自身に選んでもらえばいいと思い、タイプ別にまとめてみました。
正しい漢方治療とは
おかしな方法でやっているところを紹介する前に正しい漢方を知っておきましょう。
正しい漢方治療の条件は簡単です。
1 西洋医学は漢方とは関係ないので、西洋医学の病名や症状を当てはめて漢方薬を選びません。
2 病的体質である「証」を診断し、その証に合わせた漢方薬を選びます。
※証は体調が悪い原因を示しているとも言えます。
3 漢方薬の薬の効果だけでなく、その人の「証」に合わせた生活養生も治療として考え、アドバイスし根本治療に導きます。
たったこれだけ。
たったこれだけですが、ほとんどの病院や漢方薬局は、これを守っていません。
次に間違っているけど、巷にあるいろいろなタイプ別の漢方の病院や相談薬局タイプを僕の実際の体験や知識から紹介したいと思います。
いろいろな漢方をしている病院や漢方薬局
『保険適応の病院でよくある漢方』
西洋医学の病名と西洋医学的な症状を当てはめてマニュアルを見て選びます。
漢方は西洋医学と何の関係もありませんので、「証」でなく病名で選ぶのは完全な間違いです。
人それぞれの体質に合わせた漢方薬を選ぶわけですから、東洋医学的な問診をとらないこと自体がおかしいわけです。
(利点) あなた独自の体質を診断せず、マニュアルで選ぶので短時間で処方してもらえます。(待ち時間などは結局長いですが)
漢方薬の代金の70%を私たちの税金で賄うので安いです。
(欠点) 西洋医学で言えば、検査も何もしないで医者の思い込みだけで薬を処方するようなものなので、もはやプロがするような治療になっていません。
治るか?治らないか?は運次第です。
治ろうが、治るまいが、より悪くなろうが、当の医者は、その理由がわかっていないことが多いので治療は一歩も進みません。
『漢方薬局(調剤薬局と併設)』
看板は漢方専門薬局となっていて、中身は調剤薬局の漢方です。
西洋医学の薬は一時しのぎの対症療法なので、漢方薬の根本治療の理念とは正反対になります。
ですので、調剤をやっていれば、なかなか、そこの先生の思考が根本治療を軸とした漢方思考にはなるのは難しいです。
また、現場は、短時間で病院の薬を取りに来る人が入れ替わり立ち替わりになるので、相談もなかなか腰を据えてできません。
(利点) 僕の友達の先生のように稀に調剤薬局と漢方相談をうまくやっている店もありますが、基本的には医者の指示にしたがって病院の薬を配るところなので、漢方の治療相談としての利点は…ないですね。
(欠点) 利点に書いたのと同じですね。病院の薬をもらうだけの取次機関で、どちらにしろ調剤薬局の薬剤師が、あなたのための薬を考えるところではありませんので、根本治療の相談をするところではありません。
『漢方薬局専門店 その1(本当の専門店)』
人参の薬酒が置いてあったり、鹿のツノや蛇が飾ってあったり、見た目バリバリな感じの店。
うちみたいに、あえて漢方バリバリにしていないところもあります。
専門店は2種類に分かれます。
普通に東洋医学理論で根本治療を考える本当の専門店と専門店のフリをしたニセモノ店です。
本当の専門店の利点、欠点は、
(利点) 漢方薬を病的体質である「証」に合わせて処方するので、治療精度が高いです。
カウンセリングを重視しているので、より深く相談できます。
先生が東洋医学理論を理解した上で漢方薬を選んでいれば、治った理由、治らなかった理由、悪くなった理由をしっかりと把握していて説明もできるので、次の治療の改善につながり、治療が一歩ずつでも確実に進みます。
また副作用も回避しやすいです。
(欠点) 健康保険という私たちの税金で補填しないので、保険適応の漢方薬に比べて金額が高いです。
『漢方薬局専門店 その2(見た目バリバリだけど限りなくニセモノに近い店)』
実は見た目バリバリなところは、実は相談は得意でなくて牛黄や鹿茸といった高額な生薬を販売することを専門としているところが多いです。
漢方薬を処方してくれますが、なぜか、常に牛黄や鹿茸が合わせて処方されます。
(利点) 細かなカウンセリングなどが面倒臭く、何か飲めば元気になるというノリが好きな人は向いています。
(欠点) 牛黄や鹿茸は元気の前借り的な部分もありますので、体質によっては、あとでツケを払わされます。
また、牛黄、鹿茸推しが強ければ、体質もちゃんと診ているか怪しいです。
『漢方相談薬局としているが、サプリを結構置いてある小綺麗な店』
漢方相談の店で一番、多いパターンの店です。
体質を判断するというよりも研究データのプリントなどを駆使して説得することに重きを置いています。
やたら、勉強会に出席していることをアピールしています。
研究資料が好きで、やたら、いろいろな研究結果の説明が好きです。
漢方薬以外に「血をサラサラにする漢方風サプリ」「腸内をキレイにするサプリ」「免疫力を高めるサプリ」「酵素サプリ」などを合わせてくることいが多いです。
先生が漢方薬を選ぶ際も体質は診ていないことが多く、「瘀血タイプ」や「血虚タイプ」といった◯◯タイプという1つのタイプに決めて、朝の占いのノリで漢方薬を選んでいます。
実は漢方診断で必要な病的体質である『証』のことは知りません。
(利点) いろいろなサプリも一緒に飲めます。それが、あなたの体質にとって良いのか悪いのかは別として。
治療とは関係ない、あなたの話を長時間、親身になって聞いてくれるところが多いです。
寂しい人はいいかも。
(欠点) 漢方薬は数が多ければ治るものではなく、基本的には一人の体質に対して1種類の漢方薬を選びます。
いろいろなものを提案されるので、高額になり、いろいろなものを飲んでいるので、何が効いて、何が体に悪さをしているのかがわからなくなります。
『ドラッグストアやネット通販の漢方薬』
漢方薬は病的体質である『証』を診断して選びます。
ドラッグやネット通販は買い物だけをするところなので、自分に漢方医なみの能力がなければ、宣伝文句につられて買うしかありません。
これらのところで「◯◯病気が治る」「◯◯の病気が効く」「私はこの漢方薬で治った」とう宣伝文句は漢方においては何の意味もありません。
なぜなら、漢方薬は体質に合わせて選び、体質が調整された結果、病気が治るので、一定の決まった効果はないし、一定の効果で治るわけではないからです。
要するに誰かの病気が治った漢方薬は同じ病気であっても、その人と体質が違うあなたにとっては毒薬かもしれません。
(利点) 手軽に買えることでしょうか。自分に漢方医としての能力がなければ、病院と一緒で治るのは運任せですね。
病院に行くつもりだったら、医者がやっていることも通販と変わらないので時間が惜しい人はドラッグやネット通販でいいかもしれません。
(欠点) 病院と同じで最早、漢方治療ではありません。
漢方薬というモノを買っているだけです。
片っ端から試していけば、運がよければ治るかもしれません。
『エステと漢方・ダイエット漢方・ハーブと漢方』
これは残念ながら全部ひっくるめてニセモノです。
漢方治療ではなく、漢方という名前を宣伝に使っているだけです。
エステ理論と漢方の五行や気血水は何の関係もありません。漢方は東洋医学風のエッセンスを取り入れることではなく、東洋医学理論で体質をみて治療方針を定めて治療することをいいます。
漢方の世界に薬でダイエットする理論はありません。
あるとしても病的な理由のある肥満だけです。
つまり、これは治療です。
防風通聖散の大黄などで排便を促すことはダイエットではありません。
病院の利尿剤でダイエットしようとして死亡した人がいますが、それと考えは同じです。
漢方薬の生薬はハーブに属するものもありますが、ハーブと漢方は何の関係もありません。
漢方薬はハーブを使っていることが重要ではなく、体質分析や治療理論があることが重要なのです。
これらは治療ではなく、漢方ファッションみたいなものです。
まとめ
ほとんどの病院や店がおかしな漢方をやっているので、だったら、あなたに合いそうなところを選んでもらえばいいのではないかと思います。
ただし、漢方は東洋医学理論で病的体質である『証』を診て治療方針を定めて漢方薬を選ばないと有効的には使えません。
意味不明な漢方が溢れていますが、この記事など参考にして選んでみてください。
●癌から偏頭痛まで、治らない病気で、お悩みの方は、こちらの「漢方無料相談」から送信してください。
●お問い合わせは、こちらから送信してください。
●店頭相談のご予約は、こちらから、ご予約ください。(店頭も初回の相談は無料です)
【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社