医者はなぜ説明をしてくれないのか?
うちに相談に来られたある患者さんから「なぜ、お医者さんはに何も説明しれくれないのですか?」と質問がありました。
月経不順で4ヶ月以上、月経がないので病院に行き、そこで「私はなぜ月経が来ないのですか? 体はどんな状態なのでしょうか?」と聞いたところ、医者はこの質問に対して『まず無言』
その後に微妙な間があって「とにかく、ホルモン剤を飲んでください!」で終わり。
見方を変えたら、悪徳訪問セールスの薬の押し売り状態ですよね。
患者さんにしたらエコーやら、ホルモン検査もしたので、てっきり、いろいろと納得のいく説明をしてもらえると思います。
ところが、実際は検査などが終わった後は何も説明がないことがほとんどです。
ここで僕は1つ誤解があると思います。
患者さんは、よく「医者が説明をしてくれない」と言っておられますが、僕は「説明してくれない」のではなく医者は説明できないのだと思います。
なぜなら、西洋医学は、その人個人に向き合って病気を調べないし『ほとんどの病気は原因不明で様々なことが考えられる…』とされているからです。
その証拠に月経不順だったり、無月経だったら、誰に対してもお決まりの検査に同じホルモン剤を処方します。
医者はなぜ説明できないのか?
実際、医学は説明する相手側に前提知識がないと理解してもらうのは難しいです。
つまり、医学の前提知識のない人に説明するのは不可能ではないですが、非常に骨の折れる作業で時間と労力がかかります。
3分診療の医者が『面倒くさい』と思うのはしょうがない部分もあります。
なにせ、たくさんの患者さんを回すために急がないといけないので!
医者に限らず、専門職系の人は、相手が何がわかっていなくて、何がわかっているかを考えずに説明する人が多いように思います。
いきなり、いろいろとスっとばして難しい言葉を使って説明し始めます。
専門職になるほど、オタクっぽくなり、共感力が低くなる傾向があります。
オタク、技術者、研究者…単語を並べるだけでもなんか共感力が低く、コミュニケーション能力が低い感じのイメージですよね。
確かに「面倒くさい」「時間がない」「患者さんの知識や気持ちにシンクロできない」「単純に上から目線の態度が普通だと思っている」などがあると思いますが、でも実はそれらは、表向きの問題で本当の理由は、『医者は医学のことを知っているけど、理解はしてない』からではないかと思います。
下記の記事を読んでみてください。
「簡単な言葉で説明できない」ならあなたは「理解」していない - GIGAZINE
記事の内容は、1965年にノーベル物理学賞を受賞したリチャード・P・ファインマンは物理学の難解な考えを大学生に対して様々な言い回しや表現で理解させることができることを誇っていました。
しかし、同僚のディックに「なぜ半整数スピンを持った粒子はフェルミ・ディラック統計に従うんだ?」と質問された時にわかりやすく説明できませんでした。
この時、ファイマンは「大学一年生、レベルまで砕いて説明できない。つまり私自身が理解していない」と言いました。
簡単な言葉で説明できない」ならあなたは「理解」していない より引用:
ファインマンは科学的な内容をシンプルな言葉で説明し、その結果、話を聞いている人は議題について深く理解できるということで有名でした。そして、もう1つ知られていたのは、ファインマンが「自分が理解していない」ということを臆することなく認める人物であったということです。
本物の天才のこのエピソードを読んでいると、「自分が理解していない」ということを臆することなく認める人物であった。ということです。
つまり、医者が説明が面倒くさいと思っているのは面倒くさいのではなく、『説明できないことを認めない無用なプライド』が患者さんにとっては「説明不足」に感じたり、「説明してくれない」と感じてしまうのではないかと思います。
要するに医者も素直に「わからない」「知らない」と言えば、患者さんも不思議に思う必要はないのですね。
ただ、素直に言っちゃうと清算の際の「診察料って何?」ってことになっちゃいますが…
今は『診察もしてない』のに診察料をとることが当たり前になっています。
先日もうちの嫁さんが正体不明の湿疹と化膿で近くの皮膚科に行った際、アトピーの原因や体の状態の説明どころか「アトピーかな?」というクエスチョンマークのセリフのまま、診断結果も決まらずにステロイドを処方されていました。
まるでエラーを起こした自動プログラムみたいです。
西洋医学で病気を説明できないワケ
医者に「何の病気か?」「何が原因なのか?」「体はどんな状態なのか?」を診断してもらおうと思ったら、患者さんのいろいろな情報が必要です。
例えば、月経不順や無月経はウィルスが原因でなるわけではありません。(可能性がゼロではありませんが)
月経リズムにはホルモンの量だけでなく、血の量や、その血をつくりだす消化器の機能、何を食べているのかも関わってきます。
女性ホルモンがリズムよく活動するためには体温や睡眠、ストレスなどの自律神経も関わってきます
そして体温や睡眠、ストレスなどは生活の環境、仕事の環境、人間関係なども関わってくるのです。
それに子宮に新鮮な血を行き来させる血の巡りも関わり、血の巡りは普段の手足の冷えや運動などとも関わってきます。
これだけの要素が病気に関わってくるので、当然、原因や体の状態は、人それぞれになってくるわけです。
婦人科とか循環器科とか言ってる場合ではありません。
どんな病気でも全身と環境を診る必要があります。
月経不順や無月経を例に出しましtが、どんな病気であっても、その人の生活や精神状態、その人独自の体質が関わっているのです。
誰でも一緒の原因と言えるのは、風邪などのウィルスとヘルペスなどの菌関連くらいです。
後は、全部、人それぞれの原因と人それぞれの体の状態で今の病気になっています。
ところが、医者がお得意の3分診療の中で分かったことは、無月経や月経不順の人の場合だと『今、月経がない』ということだけ。
ホルモン検査やエコーを行なっていれば、検査異常もあるかもしれないですが、現実は極端な異常でない場合が多く(何だったら、異常がない)異常があっても、結局、「体がどうなったら、今の病気になった」という説明を医者はできません。
なぜなら、検査数値からはそんなことはわからないからです。
うちでは人それぞれの体質に合わせて治療するので、いろいろなことを徹底的にお聞きします。
問診では230項目にわたる体の状態のチェックをしてもらいます。
それだけでなく「月経不順になったきっかけと考えられるもの」や「病気が始まったと考えられる前に環境などの変化があったか?」などを質問します。
そうすると、『その人、独自の体質や状態』が見えてきます。
病名で考えると「月経不順」や「無月経」は大層に聞こえますが、あくまで、その人の体質や状態を表す一部分でしかありません。
医者は「月経が来ない」という情報しか知らないので「私には、なぜ月経が来ないのですか? 体はどんな状態なのでしょうか?」と聞かれたって、『わかりません』としか答えようがありませんが「わかりません」とは言わないので、無視した後に『とにかくホルモン剤を飲んでください』という態度になってしまうのですね。
西洋医学の治療は急性に限られる
多くの患者さんも西洋医学に対する誤解があると思います。
『西洋医学に慢性病を治す効果はありません』
『西洋医学は体の中や機能を調べることと、対症療法といって救急治療や怪我などに対して一時的に対応する治療』
なのです。
検査などによって、体の中がどうなっているかをなんとなく調べることはできても、根本的な治療はできません。
評論家みたいなものです。
「悪い!」ということは言えるけど、それを解決する術は持っていません。だから、評論家。
月経不順や無月経に対してホルモン剤の処方というのは、あなたの独自の原因や体質を分析して行なっている治療ではなく、「月経が来ない」という、たった1つの情報に対して、『マニュアル的に人工ホルモンを加えるだけ』なのです。
医者のコミュニケーション能力やプライドの問題もあるかもしれないですが、西洋医学自体が『その人が病気になった原因』や『その人独自の体の状態』を説明できるようにはなっていないのです。
実は西洋医学では、ほとんどの病気は厳密には原因不明です。
医者が原因とよんでいるのは、現在の体の病的な状態のメカニズム(月経が停止しているという状態)を難しく説明しているだけで、『原因』とは、『あなたが、なぜ、その病気になったのか?』であって、あなた体の状態は、現在の『あなた独自の体質』のことなのです。
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