漢方薬相談ブログ

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病院の漢方薬と漢方専門薬局などの漢方薬との違いは何なのか?

  1. 実費の漢方薬は「品質や成分がよい」ということではない
  2. 実費の漢方薬は良いものから悪いものまでピンからキリ
  3. 漢方薬の品質よりも実は絶対に必要なポイント
  4. まとめ

『病院で処方される保険適応の漢方薬と漢方薬局などの実費の漢方薬は、どう違うのですか?』

という質問がよくあります。

保険適応の漢方薬と実費の漢方薬は値段も変わってくるため、違いをしっかりと知っておきたいところですよね。

かといって、値段が気になる人は安い方がいいかもしれませんが、体のことなので、安かろう、悪かろうでも困ります。

結論からいうと、そもそも『健康保険のきく漢方薬』『実費の漢方薬』の2択で比較して考えるのが間違っています。

微妙に答えになっていないと思われるかもしれないですが、本気で漢方薬を使って、病気を治療しようと考えているのであれば、他のモノサシも持たないと、高くて効かない漢方薬をつかまされる可能性もあります。

他のモノサシとは『漢方薬は体質に合わせて選ばないと効かない』という大前提がありますので、品質の前に漢方薬の正しい使い方がされているかが一番重要になってきます。

その次が漢方薬の品質や値段です。

「漢方薬で根本治療をしたいけど、病院や漢方薬局のどっちに相談にいけばいいんだ」と迷っておられる方は、ぜひ読んでから考えてみてください。

実費の漢方薬は「品質や成分がよい」ということではない

こういった質問の時に質問されている心の中では、

『保険適応の漢方薬は品質が悪いので安い』

『実費の漢方薬は品質が良いので高い』

みたいな値段の問題だけで捉えている方がいらっしゃいます。

確かに品質や金額の違いはあります。

本当のところはわかりませんが、ツムラの漢方薬は以前、週刊新潮で『ツムラの漢方薬は農薬まみれ』といった事が書かれた記事がありました。

記事の内容を読む限りは、週刊新潮はしっかりと取材していて、記事内のツムラの受け答えはちょっと苦しい感じでした。

何せ『社員も飲まないツムラの漢方薬』というような内容で、どうも実際の社員の方が暴露していたので。

また、農薬だけの問題でなく、ツムラなどの保険適応の漢方薬は薬価というものが決められています。

これは漢方薬の定価ですね。

漢方薬は病院の化学薬品と違って安価に大量生産できません。

なぜなら漢方薬の原料は木の根や花など食べ物と同じものですから。

収穫が悪ければ、野菜のように値段が高くなります。

しかし、薬価というのは、売る時の定価(病院で処方する時の金額)は決まっているわけです。

原料の仕入れが高くなっても、処方する値段は、簡単には高くできません。

でも、それでも利益を出していくためには、普通に考えたら、仕入れを落とすしかありませんので、ツムラなどの保険適応の漢方薬で儲けようと思ったら、やはり、コストを落とすために生薬も安物を使うしかないのではないかと思います。

でも、だったら反対に漢方薬局などの実費の漢方薬は品質が良いのか? という話です。

実はそれもそうとは言い切れません。

実費の漢方薬は良いものから悪いものまでピンからキリ

保険適応の漢方薬は、ほぼツムラですが、実費で販売する漢方薬は、それこそいろいろなメーカーがあります。

漢方薬のメーカーの中には、生薬の品質にこだわっているものだけでなく、作り方や加工にも工夫をこらしているメーカーもあります。

逆にネットやドラッグなどで安い金額で売っているものは、まず、良い生薬は使っていないと思います。

なぜなら、ドラッグなどは経営の構造上、徹底して『薄利多売』のものしか扱わないからです。

商売には法則があります。

例えば、安価なチェーン店で最高の食材にこだわった料理は絶対に出てきません。

回る寿司と回らない寿司は、扱っている食材が全然違います。

当たり前です。

良い食材は仕入れの段階から高いですから、安くで食べられるわけがありません。

また、食材は、「仕入れればそれで終わり」というだけでなく、ちゃんとした扱いが必要なのです。

そして、漢方薬を選ぶ際は、品質が良さそうかどうかよりも、もっと重要な事があります。

漢方薬の品質よりも実は絶対に必要なポイント

漢方薬では、品質の良いものを選ぶことは重要ですが、それよりも何よりも絶対に優先しないといけないことがあります。

それは『漢方薬を処方する治療者の腕(知識、経験、技術)』です。

病院の薬は、誰が飲もうと、例え誰が処方しようと、薬の効果は決まっています。

薬の添付文書に書いてある通りの効果があります。

ところが、漢方薬は、あらかじめ決まった効果がありません。

漢方薬の治療の方法というのは、例えば、

『冷えている人には温める漢方薬を選び』

『余分な熱を持っている人には冷やす漢方薬』を選びます。

これを選び間違うと冷えている人に、より冷やす漢方薬を選ぶことになるので、病気や症状は飲む前よりもひどくなることもあります。

これを漢方では『誤治壊病』といい、自分の体質に合っていない漢方薬を飲み続けるとより病気がこじれます。

そんな選び間違いをするわけないと思われるかもしれないですが、実際の現場では、「あなたは冷えている体質」「あなたは余分な熱がある体質」なんて単純な人はいません。

漢方での熱の状態とは炎症も含まれますが、女性のひどいアトピーの人なんかは、皮膚表面は余分な熱を持っていて、胃も余分な熱を持っているけど、下半身は冷えて、大腸も冷えて下痢になっていて…と体の場所などによって熱と冷えが混ざっていることなんて、めずらしくもありません。

実際の現場では、冷えも熱も、血の巡りも水や気の巡りの悪さなどもグチャグチャに複雑に絡み合っています。

それが『体質』なんですね。

漢方の治療とは、その体質と漢方薬が合った時に治るのですが、ここで考えてみましょう。

例えば、アトピーの炎症がある人に対して、ある漢方薬の品質が良いもので『より冷やす効果が高かった』としましょう。

そして、体質の分析を間違えて、実は冷やすだけではダメで温めることをメインにしないといけないはずの体質の人に対して、その漢方薬を選んだら?

品質が良く冷やす効果が高い分、症状はよりひどくなります。

先ほど、書いたように実際の体質は、『冷えている体質』『余分な熱がある体質』なんて単純ではないので、それなりに勉強している先生でも見誤ることは、めずらしくありません。

カニアレルギーの人に極上のカニを使った料理を食べてもらうようなものですね。

極上のカニゆえに下手すりゃ、カニアレルギーを持っている人は死にます。

まとめ

保険適応の漢方薬と実費の漢方薬を比べるのではなく、『漢方の先生の腕』を基準にしなければ意味がありません。

少なくとも保険適応の漢方薬を処方している医者でまともに病的体質である『証』を診断して漢方薬を処方している医者には、今のところは、お目にかかったことがありません。

その証拠に病院で東洋医学的な体質を調べるための全身の問診に答えたことがある人なんていませんでした。

実際は漢方薬メーカーが東洋医学と関係なく勝手に作った病名や症状のマニュアルをみて漢方薬を選んでいます。

では、高い金額の漢方薬だったら、良いものか? というと、少なくとも安いものの中に良いものはないですが、かといって高いものの中に良いものがあるのか?
というと、それもあるとは限りません。

実費の漢方薬でも品質はピンからキリまであります。

でも、それより、なにより、本気で「漢方薬で治療したい!」と考えているなら、第一に優先しないといけないのは、病的体質である『証』を分析、判断し、その証に対して漢方薬を選んでいるか?です。

『でも、そんな先生、どうやって調べるの?』

難しいとは思いますが、まずは、このブログのように、

『漢方のことをどのように書いているか?』それを読みます。

そして、知識も経験も技術もありそうな先生を見つけたら、電話するなり、メールするなりして、ストレートにあなたの質問をバン!バン!ぶつけてみてください。

質問に対する答えが『ブログの内容やポリシー』と違っていたり、『質問に対する答え』がおかしかったり、と例え、あなたが漢方や医学の素人であっても、『なんかおかしい?』と感じます。

そして、あなたがそう、感じたことは大体、当たっています。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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