漢方薬相談ブログ

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皮膚科のIgEやTarcの検査って意味があるのか?

うちで漢方治療している2人のアトピーの患者さんから、おもしろい話を聞きました。

皮膚科の検査に関してです。

一方の患者さんから質問がありました。

『特異的IgE検査、非特異的IgE検査、Tarcの検査をしたのですが、どれも問題ありませんでした。アトピーとこれらの検査って、本当に関係あるのですか?』

はい、質問者の方は、完全にアトピー性皮膚炎で悩んでいる人です。

『なんとなく湿疹がある』なんてレベルではありません。

上記の検査はアトピーの方だと普通は問題がなかったら、おかしいのです。

それで、僕に質問があったのですね。

もう一人の患者さんは、アトピーを治療するためにある皮膚科に行きました。

その患者さんは、Tarcは非常に高い数値でした。

アトピーの方だったら、それが普通ですね。

アレルギー検査の説明

話を進める前に特異的IgE検査非特異的IgE検査Tarcの検査って何なの?ということです。

すみません。そのまま話を続けてきました。

アトピーや喘息、蕁麻疹などはアレルギー反応によって湿疹ができたり、咳が出たりします。

そのアレルギー反応は、アレルギーを起こす物質、アレルゲン(原因物質)によって引き起されます。

アレルゲン(源信物質)は、わかりやすい食べ物で言えば、ピーナッツやソバ、カニなどですね。

これらに限らず、その人自身が持つ特有のものもあります。

うちの患者さんの実例では、レタスでひどい湿疹になる人もいます。

『特異的IgE検査』は特定の何か、例えば、スギにアレルギーを持っているのかどうかを調べます。

『非特異的IgE検査』とは、血中のアレルギーに対する抗体であるigeを調べて総合的なアレルギーの度合いを測定します。

『Tarc』とは皮膚の角化細胞で作られて、白血球を引き寄せる物質です。

Tarcの値が高いほどアレルギー反応が高いので湿疹もひどいということです。

実際のアトピー患者さんの検査の実例

1人目の患者さんは特異的IgE検査、非特異的IgE検査、Tarcのどれも問題ありませんでした。

でも、アトピーです。

もう一人の患者さんは、Tarcが高く、このTarcの高い数値を下げることを目標に皮膚科で治療していました。

この方もアトピーです。

検査の説明でおもしろいものがあります。

日本アレルギー学会 アレルギーを知ろう より引用:
ここで気をつけなければいけないことは、この値が高いからと言って必ずしも臨床症状と相関しないということです。特に、食物アレルゲンでは、特異IgE抗体がある程度高くてもそのアレルゲンを摂取しても症状がでないことがしばしば経験されます。

『検査数値が高いからといって、かならずしも、皮膚に湿疹ができたり、喘息なるとは限らない』と説明されています。

また、『例えば「小麦」などに対しての反応が高いとしても「小麦」を食べても、皮膚に湿疹ができたり、喘息になるとは限らない』と説明されています。

そして、一人目の患者さんは、数値がどれも高くない状態で湿疹ができています。

ややこしくなってきたので、まとめると『検査の数値が高くても、湿疹が出るとは限らないし、検査の数値が低くても、湿疹が出るとは限らない』

ということですね。

うん?じゃあ、検査する意味あるの?

僕は検査自体に何の意味があるのか、よくわかりません。

検査をしようがしまいが治療は一緒

うちの母親が蕁麻疹になり、病院にいったら、これらの「アレルギー検査をしますか?」と聞かれました。

そこでうちの母親は「検査をしたら治療か何かが変わるのですか?」と聞きました。

そうしたら、その医者は正直に「特に検査したからといって何も変わりません」と答えていました。

そうなんです。

検査をしようがしまいが、

『アトピーにストロイド』

『蕁麻疹に抗ヒスタミン剤』

という全国の病院共通の出来レースのようなマニュアル治療は変わりません。

検査をした人検査をしなかった人も、どちらもマニュアル的にある程度決まっている標準治療は変わらないわけです。

検査した人は、何かの食物に、ひっかかれば、『それを食べちゃダメ!』と言われます。

でも、おかしいですね。さっきの日本アレルギー学会の説明やうちの患者さんの検査の結果からいくと、『検査の数値が高くても湿疹が出るとは限らないし、検査の数値が低くても湿疹が出るとは限らない』のです。

もちろん、実際にアレルギー反応のある食べ物を無視して食べ続けたらアナフィラキシーにもなりかねないですが、かといって、『検査してもよくわからない』といってるわけですよ。

アトピーや喘息の人は検査をするべきなのか?

僕は必要ないと思います。

なぜなら、『検査結果がかならずしも実際の状態と一致するかどうかわからない』と日本アレルギー学会が自ら説明しているからです。

何よりも処方する薬が検査結果で変わることがないことです。

結局、抗ヒスタミン剤、ステロイド剤、シクロスポリンなどの免疫抑制剤のおきまり処方という結果が変わらないわけです。

ただ、治療には直接関係ないかもしれないですが、死ぬかもしれないピーナッツやソバなんかは一応、やっていてもいいかもしれないですね。

根本治療を目指すなら

僕は、現在、桃、梨、りんご、イチゴを食べると唇が腫れるアレルギー反応が出ます。

アレルギー反応が出始めたのは、43歳をすぎたあたりからです。

レタスのアレルギーの方も40歳をすぎた頃から始まったと言っておられました。

アレルギー反応は、食べ物の方に原因がある場合もありますが、僕のように自分の免疫の調整機能が衰えてきて、今まで何も問題なかったものがアレルギー反応を起こし始めることもあります。

食べ物の種類だけでなく、『老化によって、新たにアレルギー反応が発動する』こともあるわけです。

もっとややこしい話をすると、レタスアレルギーの人は、うちでアレルギー関係の治療をしているわけではないですが、漢方薬を飲まれて体調がよくなってから、レタスは食べられるようになっています。

つまり、『検査でアレルギーのある食べ物がかならずしも、湿疹などになるかもわからないし、体調がよくなれば、食べられるようにもなる』わけです。

となるとアレルギー検査で「確実に死ぬかもしれない」食べ物は知っておく必要はあるかもしれませんが、それ以外だったら、『検査でダメだと言われたから食べないようにして良いのか?』という問題が考えられます。

もちろん、病院のレールにのっかったマニュアル治療のみで治していくぞ!と考えているなら検査や食べ物制限も含めて、素直にしたほうがいいかもしれませんが、漢方薬や何かで根本治療を目指すなら、検査でアレルギーのものを特定しても、あまり意味がないと思います。

【引用先及び参考図書、Webサイト】
日本アレルギー学会

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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