漢方薬相談ブログ

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免疫アップは危険!免疫から考えるアトピーや花粉症の根本治療

  1. 免疫の役割とは?
  2. 免疫細胞達のしくみ
  3. かゆみや喘息発作、痛み、発熱の役割
  4. アトピーや花粉症の本当の原因
  5. 免疫反応が強すぎる原因
  6. 漢方では免疫を調整できるのか?

アトピーや花粉症などは免疫が関わる病気です。

現在ならコロナのワクチンも免疫との関係がありますね。

アトピーや花粉症に限らず、蕁麻疹やリウマチなども自分の体の免疫が過剰に反応して起こる病気です。

なので『免疫』って何なのかを知っておくと、ステロイドやシクロスポリンなどの薬が一体、体に何をしているのかがわかります。

西洋医学の薬は処方箋の説明を読むと『かゆみを止めるお薬です』なんて感じで、フワッとなんとなく都合の良い感じのことしか書いていません。

しかし、実はその効果は『症状を一時的に止めるだけで薬の効果が切れたら、途端に再発するもの』だったり『逆にとんでもない副作用』が隠れていたりします。

こういったことも体のしくみをわかっていると『病院の薬はいいことばかりじゃない』ということが理論的、科学的にわかりますので、ぜひ読んでみてください。

免疫の役割とは?

免疫とは、簡単に言えば、外の敵から体内を守るためのしくみです。

体の外の世界のモノは基本的に体内では邪魔な存在になります。

菌やウィルスも邪魔になる存在です。

病気の原因になります。

また菌やウィルスに限らず、花粉症やハウスダスト、黄砂、PM2.1などのモノも異物となり、体内に入った場合は、速やかに分解して体の外に出さないといけないものです。

その役割を担っているのが免疫です。

免疫はいくつかの免疫細胞組織されていて、その免疫細胞達が協力して体に異物が入らないように日々、戦っています。

免疫細胞達のしくみ

免疫細胞達はいろいろな仕事をするもので構成されています。

その形は正に軍隊です。

司令官がいて、敵の弱点を分析して、武器をつくる研究員がいて、とにかく攻撃するという一般兵士など組織だっています。

免疫には『マクロファージ』『肥満細胞』『好酸球』『好中球』『好塩基球』『ヘルパーT細胞』『B細胞』『サプレッサーT細胞』などがあります。

実戦で異物と戦うのは好中球です。

とにかく異物を食べて、食べて、一杯になったら爆発します。

この爆発した状態がです。

『マクロファージ』も菌などの異物を食べますが、この時に体温を上げることも行います。

いわば、戦闘開始の合図を体中に知らせて、より戦場を活発にします。

また、前線で倒した敵の情報となる体の一部を司令官である『ヘルパーT細胞』に送ります。

『ヘルパーT細胞』は、敵の識別を行って、以前に戦ったのと同じ敵が来た場合に戦闘開始の命令を『キラーT細胞』『B細胞』に送ります。

『キラーT細胞』の機能は、とにかく皆殺しです。

パワーがあります。

異物にやられた細胞ごとやっつけてしまうので、体もえらい目にあいますが、ガン細胞と戦う場合は、こういった戦い方が重要になります。

もう一つ、命令を受け取った『B細胞』は敵の弱点だけを研究して、敵の弱点だけを突く武器になって攻撃します。

弱点をついた攻撃を行い、その戦闘を詳細に記録します。

この記録によって、同じ病気にかからないようになります。

『肥満細胞』はケミカルメディエーターという生体内伝達物質をもっていて、自分にくっついているigEと異物が反応するとヒスタミンなどのケミカルメディエーターを出します。

これにより、ヒスタミンやロイコトリエンC4などによって気管支平滑筋収縮作用、血管透過性亢進作用、粘液分泌作用などが発動されて、アレルギーにおける即時型反応を引き起こします。

花粉症の症状が起こるのは『肥満細胞』のしわざなのです。

つまり、体内を必死で守っている戦いがアレルギー反応なので、花粉症はある意味、必要な反応でもあるのです。

そして『サプレッサーT細胞』は一連の戦闘に終了を知らせる役割があります。

かゆみや喘息発作、痛み、発熱の役割

アトピーの湿疹、かゆみ、ジュクジュクの汁、喘息の咳の発作、痛み、発熱や熱感、花粉症の鼻つまりや鼻水、くしゃみなどなどの不快な症状は、実は『自分自身の免疫が引き起こした反応』です。

「だったら免疫反応がなければいいのに!」

ということで、その免疫の反応を抑えてしまうのが、ステロイド剤シクロスポリンなどの免疫抑制剤、アレグラなどの抗ヒスタミン剤です。

これらの薬は、免疫の働きを抑えるので免疫の反応によって引き起こされた、いろいろな不快な症状がなくなります。

でも、ちょっと待ってください。

症状を無くしてしまえば、それで終わり?

いえ、違います。それでは解決にはなりません。

なぜなら、『免疫反応の役割はありとあらゆる異物から体を守ること』なのです。

免疫反応をステロイドなどの薬で抑えることによって『湿疹、かゆみなどの不快な症状』は抑えられますが、その代わりに体を守っている免疫も働かなくなります。

となると本来の目的を薬によって潰すわけです。

結果、菌などにやられて、元々のアトピーにプラスしてカビ性の湿疹が増えたり、やたら膀胱炎やヘルペスになりやすかったりします。

実は『アトピー、花粉症、蕁麻疹や喘息の原因』は、免疫そのものではないのですね。

だって、免疫を無くしちゃったら、人間、生きていけませんので。

免疫そのものが原因ではなく『免疫の反応が強すぎる』ことが原因なのです。

アトピーや花粉症の本当の原因

となると治療は『強すぎる免疫反応を元のちょうど良い状態に戻すこと』になります。

ところが、ステロイドなどは免疫を働かなくします。

スイッチを切っちゃう感じですね。

でも、スイッチを切ることは解決にはなりません。

スイッチを切ったら、免疫の働きも切れちゃうからです。

だからスイッチを入れるためにステロイドをやめる。

すると免疫反応が強すぎるので、またステロイドでスイッチを切る…いや、バカか!

スイッチを切るか、入れるかじゃなくて『私のちょうど良いところに調整して』

ということが本当は必要なのですが、病院がやっているのは、スイッチのオンかオフしかできません

免疫反応が強すぎる原因

免疫反応が強すぎる原因は何でしょうか?

『全くわかっていません』

少なくとも現在の病院がやっている治療は、本質的な原因とはズレているわけです。

ステロイドなどの免疫抑制剤の本来の使い方は、強すぎる免疫反応が体に有害だった場合に抑える必要がありますが、あくまで有害レベルの場合。

かゆみ止めが本来の目的ではありませんので、短期間で強いアレルギー反応が落ち着くか、ステロイドをしばらく塗ったあとに中止してみて再発する場合は最早、治る道理がありません。

こうなると、今度は免疫を抑制し続けて、体を本来とは違うおかしな状態にする作業を一生懸命やっているだけになります。

漢方では免疫を調整できるのか?

漢方では、湿疹を治す際に『免疫を抑える』とか「かゆみや鼻水を止める』なんて指標はありません。

漢方と西洋医学は関係がないので、体内の特定の作用を変化させるというような考え方をしません。

その人の体質のアンバランスを見つけ出し、それを体質に合わせた漢方薬で調整します。

『アトピーに消風散』とか『花粉症に小青龍湯』なんて、低レベルなマニュアル処方ではなく、アトピーという病名は一切関係なく、その人の全身からアンバランス要素を見つけ出して、そのアンバランス要素を調整します。

水の巡りが悪かったり、肝の臓に余分な熱がこもっていたり…

免疫の調整システムがおかしくなっているのは、原因が1つだけではなく、単に、全身いろいろバランスが崩れているから、おかしくなっているのです。

だから、全身を分析して全身の中のアンバランスを全部、見つけ出して全部を調整します。

体内全部の機能のバランスがとれるようになったら、免疫システムも調整されるのです。

そして、その全身のバランスが悪い状態は『人それぞれ』

だから、漢方は一人一人の体質をみて、みんな自分に合う漢方薬が違ってきます。

アトピーに消風散とか、花粉症に小青龍湯は、『人それぞれ』を全く無視しているので低レベルでこういった方法は治療ではありません。

免疫の関わる病気を根本的に治すには、薬で免疫を抑制したり遮断するのではなく、全身を整えて免疫システムの調整を行うことです。

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【引用先及び参考図書、Webサイト】
◯分子細胞免疫学 原著第9版:エルゼビア・ジャパン株式会社
◯コスタンゾ明解生理学:エルゼビア・ジャパン
◯図解雑学 病気のしくみ:ナツメ社
好中球 - Wikipedia
好酸球 - Wikipedia
肥満細胞 - Wikipedia
好塩基球 - Wikipedia
T細胞 - Wikipedia

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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