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後縦靭帯骨化症(OPLL)の治療方法(症状・原因・治療)

後縦靭帯骨化症(OPLL)の治療方法(症状・原因・治療)

  1. 後縦靭帯骨化症とは
  2. 後縦靭帯骨化症の症状
  3. 後縦靭帯骨化症の原因
  4. 後縦靭帯骨化症の問診
  5. 後縦靭帯骨化症の検査
  6. 後縦靭帯骨化症の治療
  7. 後縦靭帯骨化症の治療(運動療法)
  8. 後縦靭帯骨化症の治療(手術)
  9. まとめ

後縦靭帯骨化症(こうじゅうじんたいこっかしょう)、黄色靭帯骨化症(おうしょくじんたいこっかしょう)は、非常にめずらしい難病ですが、実は僕は、この病気を専門に勉強してきました。

病院では原因不明で、治療も不明に近いものです。

病状が進んでひどくなると手術が勧められたりしますが、実際の患者さんからお聞きしている話では、手術後に良くなったかというと、そうではありません。

なかなか大変な病気なのですが、なんと漢方薬でこの病態を調整し、痛みなどに負けずに生活が送れるようになるのです。

今回は『漢方では後縦靭帯骨化症に対してどんな風に取り組むのか?』の前に病院での治療方法を紹介したいと思います。

病院で医者からの話を一方的に聞くよりも、治療のガイドラインを知っておくことで担当する医者に鋭い質問をすることができるようになると思います。

そうすれば、少しでも良い治療にたどり着けるかもしれません。

後縦靭帯骨化症とは

背骨に沿っている後縦靭帯が、何からの原因で骨化して硬くなり、その骨化した石のような骨が骨の中にある脊髄神経が圧迫して、いろいろな症状や状態を引き起こします。

靭帯の骨化している場所によって、頚椎後縦靱帯骨化症、胸椎後縦靱帯骨化症、腰椎後縦靱帯骨化症と呼ばれています。

症状としては、首や肩甲骨周辺の背中が強く凝ったり、指先の痛みやしびれがあります。

病状が進むと、脚のしびれや感覚障害、足が思うように動かなくなる、手指がうまく動かなくなる(鉛筆が持てなくなるなど)が出てきます。

重症になると、立ったり歩いたりすること自体が難しくなり、オシッコや便がうまくできなくなったり、寝たきりの状態になることもあります。

後縦靭帯骨化症の症状

首から順に体の下に向かって症状が進んでいくことが多いです。
◯ 首、肩の痛み、強い凝りや張り、首を動かせない。
◯ 腕、手がしびれや痛み、ボタンの掛け外しができない、鉛筆をうまく使えない。
◯ 足のしびれや痛み、足に力がはいらない、つまづく、早く歩けない、階段の上り下りができない、歩けなくなる。
◯ オシッコが出なくなる、頻尿になる、尿もれ。

後縦靭帯骨化症の原因

基本的には原因不明です。

「ホルモン異常」、「骨に関わるカルシウムやビタミンDの異常」、「糖尿病」、「患部に繰り返し負担がかかっていた」などがあり、家族内で発症することがありますので、「遺伝的な原因」も可能性があります。

僕が現場の治療で感じるのは、首を前に傾けて固定しっぱなしの仕事や、首や肩で常に重いものを持っていた人に多い傾向があるように思います。

後縦靭帯骨化症の問診

5つにわけて問診します。

1 首、肩の痛み、強い凝りや張り、首を動かせない。
2 腕、手がしびれや痛み、ボタンの掛け外しができない、鉛筆をうまく使えない。
3 足のしびれ、痛み、足に力がはいらない、つまづく、早く歩けない、階段の上り下りができない、歩けなくなる。
4 オシッコがでない、頻尿になる、尿もれ。
5 便秘になる。

症状は、首肩から始まり、病気が進むにしたがって、腕、手、足、尿や便の問題へと進んでいきます。

注意しなければいけないのは、これらの症状は他の病気(リウマチなど)でも現れる症状でもあるので、専門の整形外科医に総合的に診断してもらう必要があります。

後縦靭帯骨化症の検査

◯ レントゲンで骨化を調べます。
レントゲンで後縦靭帯の骨化状態を調べることができます。

一般的なレントゲン検査では、わからないこともありますので造影剤を髄液の袋に注入して検査をします。

そのほか、しびれなどの感覚状態や筋力などを調べて診断します。

◯ CTやMRIでさらに詳しく調べます。
レントゲンだけでなく首の患部などを輪切りにみることのできるCTや軟組織をみることのできるMRIで検査をします。

後縦靭帯骨化症の治療

薬を飲んで治す方法の場合、首、肩の凝りや痛みが強いことが多いので、痛み止めなどを使います。

【鎮痛剤】
通常のよくある痛み止めを使います。

副作用は一定時間、痛みを止めることができますが胃腸障害を起こします。

【ステロイド剤】
痛みを止め、患部のむくみをとり、神経の損傷を防ぎます。

副作用は免疫が弱くなるので、風邪や菌、ウィルスによる病気にかかりやすくなります。

その他、いろいろな副作用があります。

【筋肉弛緩剤】
筋肉の緊張をゆるめることによって、痛みや凝りやつっぱりに対応します。

副作用は、だるくなったり、やる気がなくなったり、吐き気が出たりします。

【抗うつ薬】
しびれなどを神経系から和らげます。

副作用は、効果が出るとは限らず、眠気やだるさが出たりします。

【ビタミンEやビタミンB12】
ビタミン剤で神経や血の巡りを促します。

副作用はないと思いますが、そもそも本当に効果があるのかすら、わかっていません。

【ビスフォスフォネート】
骨の発生や骨化を抑制します。

副作用はないと思いますが、そもそも本当に効果があるのかわかっていません。

後縦靭帯骨化症の治療(運動療法)

薬を使わない治療方法です。

【運動】
関節を動かしたり、歩行訓練をします。状態に合わせて指導してもらうのがよいです。

【温める】
体を温め、血の巡りなどを促します。

副作用は、これが効果的な治療なのかがわかっていません。

【牽引療法】
首を引っ張ります。

副作用は、かえって悪くなる人もいます。

後縦靭帯骨化症の治療(手術)

手術を行って骨化を取り除きます。

【前方除圧固定術】
ドリルで錐体を削り、錐体の後ろにある骨化した靭帯を切り取るか、削って、浮かせることによって神経への圧迫を軽くします。

【後方除圧固定術】
椎弓を切り取る「椎弓切除術」と一部の椎弓を残したまま脊柱管を広げる「脊柱管手術」があります。

「椎弓切除術」は、手術から何年か経つと、首がお辞儀をしたような後わん変形が起こるとの報告があります。

首は神経の集まっているところなので、「手術=良くなる」ではなく、手術によるリスクもかなり高いです。

まとめ

鎮痛剤やステロイド剤を常用することが、よくある治療ですが、副作用以前に長期間、飲んでいる方は、薬があまり効かずに毎日、痛みがあるということをよくお聞きします。

また、鎮痛剤、ステロイド剤、筋肉弛緩剤などは、しびれや運動障害には、効果がありませんので薬を飲まれていても、しびれや鉛筆が持てないなどの障害は良くなっていないようです・

手術に関しては、現実の治療のお声をお聞きしていると、「手術前よりも少し良くなった人」「手術前よりも悪くなった人」「手術したけれど特に変わらない人」という感じで、期待ほど良くなった人はいませんでした。

ただ、お聞きした人たちは西洋医学の治療で、うまくいかなかったから、漢方相談に来られていますので、実際の全体の成績はどうなのかの判断は難しいところです。

次回は、漢方では後縦靭帯骨化症をどう治療するのかをお話したいと思います。

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ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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