漢方薬相談ブログ

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湿気と暑さの時期になる漢方的なやっかいな体質

季節の影響で病気になる

病院の考え方では、人間は誰もが、ロボットのような量産型で、個人差は一切ないと考えません。

現に、20代の筋肉ムキムキの男性も、80代の華奢な小さなおばあちゃんも、同じ薬を飲みます。

でも、利点もあります。

それは、体質を一切、考えないから、誰でもソコソコ効く薬があります。

逆に欠点は、体質は人それぞれ違うので、みんなの平均をとったかのような薬では根本的に治ることがないことです。

だから、季節によって、体質が変わるなんて考えもしないと思います。

考えるとしても、花粉症や冷え性くらいでしょうか。

でも、実は、あなたの体質は、季節の影響を受けて、病気のような状態になります。

春は、温かくなってくるので、気持ちのよい季節に感じますが、陽気が高まる季節で、若いとエネルギーに変えることができますが、年をとってくると、この陽気が悪影響となって、アレルギー反応などが強くなります。

夏は、暑さとエアコンの寒さからなる病気的な体質。

秋は、残暑から肌寒くなる移り変わりと乾燥した風の影響からなる病気的な体質。

冬は、寒さと乾燥、体が緊張する影響からなる病気的な体質。

大なり小なり、季節の影響を受けて、その都度、いろいろな症状が現れます。

これは、病気ではないので、病院で検査しても、何も悪いことは見つかりません。

なので、治療する薬もありません。

あまり、しつこく『治してくれ』と医者にせまると『それ、老化とストレスなので、治しようがない』と言われるか、ひどいと、言われもない心療内科行きです。

梅雨の時期のやっかいな病気的な体質

前置きが長くなりましたが、さっき、あえて書いていなかった、春でも夏でもない梅雨の時期。

夏に向かって暑くなり、雨が降るので、ジメジメします。

漢方では、熱と水が混ざると、『湿熱の証』というやっかいな状態に、なりやすくなります。

僕は春と梅雨時期が苦手です。

もともと、熱証体質なので、熱が高まり、上がりやすいのです。

更に、水の巡りも悪い水滞の証なので、梅雨の時期は、モロに体調が悪くなります。

熱が原因で起こる症状

この時期、温度が上がってくる体に余分な熱がたまり始めます。

それが、体の上へ、上へと上がっていくので、頭がぼーっしたり、頭痛があったり、耳鳴りが頻繁に起こったりします。

僕は、のぼせて、頭がぼーっとして、ひどいと肝の臓が熱を持ちすぎる肝熱熱証と水の巡りが悪くなる水滞証の蕁麻疹が出たりします。

まさに、湿熱のこの季節にピッタリ!の症状です。

ところで、のぼせや頭痛、耳鳴りは、暑さと水の巡りの悪さだけで出るわけではありません。

逆に寒さが原因で出てくる『体質の人』もいますので、ご注意ください。漢方は、病名や症状だけで、マニュアル的には考えませんので。

暑さ、水の巡りの体質のタイプ

暑さが原因で起こる熱証体質でも、いろいろなタイプがあります。

表の熱証といって、体の表面に不要な熱がこもるタイプ。

上焦の熱証といって、肩から上の不要な熱がこもるタイプ。

胸脇の熱証といって、胸周辺に不要な熱がこもるタイプ。

その他、脾胃の熱症肺の熱証咽喉の熱証心下の熱証下焦の熱証熱証などがあります。

全部を細かく説明していたら、エラく長くなってしまうので、詳しい説明はまた、追い追いやっていきたいと思います。

ここで、おぼえておいてほしいのは、熱証のタイプによって、治し方や選ぶ漢方薬は、変わってくるということ。

『のぼせてるなら、この漢方薬だよ』なんて、単純なマニュアルで選んだ漢方薬では治りません。

熱証の治療のやっかいなところ

僕は上焦の熱証タイプで、原因は肝の臓の熱です。

熱が、どんどん頭に上がってくるので、ひどい時は、サウナで仕事しているようなぼーっとした感じになります。

いつもだったら、絶対にしないようなミスも犯したりします。

とにかく暑いので、エアコンを下げます。

しばらくすると、表寒といって、体表面だけが冷えてきて、鼻水が出て、靴下なんか履いてない日には、すぐに軟便です。

この季節は、水の巡りの悪さも関わっているので、水滞の証も参加してくるのですね。

つまり、エアコンで、熱をさまそうとしても、今度は水滞証や脾胃の水滞証という、病気的な体質に発展します。

全くやっかいです。

また、アイスを食べてもやっかいです。

なぜなら、アイスは頭を冷やさずに、胃腸を冷やすからです。

のぼせや頭がボーとする感じが全然、とれないくせに軟便になるみたいな。

僕の体質の場合は、肝の臓が根本の原因です。

ですので、エアコン、アイスクリーム、アイスノンは、治療としては的外れ。

肝の臓の熱を調整するのは、酸っぱいもの、そして、水の巡りに関わる腎の臓は、夕方以降に疲れやすいので、夕方以降の飲む水の量も減らします。

漢方薬は、肝の臓の熱を鎮めてくれるものが最適です。

もちろん、同じ「のぼせ」や「頭がぼーっとする」症状があっても、体質によって、対策と選ぶ漢方薬は変わってきまよ。

「暑いから黄連解毒湯」なんて単純な選び方では、治りません。

★当店では、しっかり全身の状態をみて、あなただけの体質を判断して、あなたに最適な漢方薬をお選びします。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 図説東洋医学(基礎編):学研
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ やさしい中医学入門:東洋学術出版社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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