漢方薬相談ブログ

理由もないのにイライラする症状は漢方薬で治せます!

理由もないのにイライラする症状は漢方薬で治せます!

理由もなくイライラする。

男性では、そう感じる人は少ないかもしれません。

普通は、イライラさせられたり、腹が立ったりする「何かの理由」があって、イライラします。

ところが、女性の場合、特に理由がないのにイライラすることがあります。

これは、女性に特に多いのですが、女性がイライラしやすい性格なのでしょうか?

そうではありません。

そこには、男性にはわからない、体の問題があります。

どんな時に起こりやすいかというと、月経前とか排卵前とかに起こりやすかったりします。

なぜ、月経前とか排卵前にイライラしやすくなるのか?

今回はその理由や原因を説明したいと思います。

漢方では精神(ストレス)と内臓が関係している

西洋医学では、精神(ストレス)やイライラは、全部、脳の問題だと考えます。

確かに、体の内部のしくみから考えれば、精神や感情は脳がコントロールしていることがわかっているので、間違ってはないのですが、一方で、西洋医学の世界でも、他人の心臓を移植した人の性格が、まるっきり変わってしまい、以前の心臓の持ち主の性格に変わっているのではないかという説もあったりします。

精神や感情がイコール、脳の働きではないという現象も実際にあったりするのですね。

人の体って不思議です。

漢方では、内臓と精神が結びついていると考えています。

これは、「解剖学的にどうなのか?」という方向から考えているわけではないので、漢方では、当たっているとか間違っているということではなく、体の内部ではなく、感情と体の反応をセットで観察し続けてきたら、どうも、内臓と感情が結びついているという結論になったようです。

内臓とストレスのつながり

この考え方というのは、非常に便利で、内臓の不調から、感情的にどんな風な影響が出ているのかがわかるし、逆にストレスから、どこの臓器が問題なのかがわかります。

漢方は、西洋医学とは違うので、内臓も西洋医学と同じようには考えません。

漢方では、五臓六腑という臓器が体の中にあると考えます。

(ちなみに臓である内臓が主人格で腑は、それに隷属するもののように考えますので、例えば、肝臓は胆嚢という腑とセットで考えます)

人間の体のそれぞれの臓器と精神の関係は以下の通りです。

【肝臓】 怒り、焦り、イライラの感情と結びついています。気と熱が滞りやすくなります。

【心臓】 嬉しい、喜びの感情と関係しています。気の状態が緩みすぎると心臓によくありません。

【脾の臓】 脾の臓というのは、漢方では、胃や小腸を含めた臓器のことです。広い意味では、膵臓なども含まれます。

悩み事がぐるぐる回るような憂慮する精神状態と関係します。

クヨクヨ悩みやすい人が、胃潰瘍になりやすかったりしますね。

【肺】 悲しみ、慟哭などの感情と関係します。

いきなり、あまりにショックなことで絶望的な気分だったり、悲観的な感情に満たされると肺がやられます。

大きなストレスが、かかると過呼吸になることがあるのは、肺とストレスが、結びついていたりします。

【腎の臓】 驚きや恐怖などの感情と関係します。何かにビクビクしている感じですね。

イライラが関係している内臓

五臓六腑の中でイライラに関係しているのは、『肝の臓』です。

肝の臓は、漢方では血の蔵といって、全身で血が必要な場所に配ってくれるコントロールセンターのような役割があります。

女性の場合は、男性よりも肝の臓が、よく働きます。

なぜなら、血の巡りのコントロールは、毎月の生理(月経)と関わっているからです。

肝の臓は、もともと、常に血が集まってこないといけない臓器ですが、月経とホルモンの関係で、余計に働かないといけないので、調子が狂いやすくなり、肝の臓の調子が狂うと、肝熱といって、肝の臓の働きが亢進、興奮して、特に理由もなくイライラ感が出てきたりするのですね。

更年期になると腎の臓も関係する

そして、今度は、閉経になると肝の臓だけの問題ではなく、腎の臓も関係してきます。

腎の臓は、心臓を動かすこととも関係し、年齢が高くなってくると、誰でも衰えてくる臓器です。

腎臓は、血圧や睡眠などとも関係し、自律神経系との関連が深いので、イライラとともに不眠などの症状もでてきたりします。

漢方治療では、ストレスと体の状態を結びつけて体質を分析し、体も心も治します。

イライラと、その他の症状である不眠や胃の不調など、全身の状態をみながら、例えば、肝の臓を中心に、肝の臓の不要な熱をとる治療を行ったり、肝の臓と腎の臓の両方の治療を行ったりします。

ちなみに「漢方薬の効果にイライラという症状が書いてあるから」なんて選び方はしません。

漢方では、全身の状態から、どの臓器とイライラが関係しているのかを分析し、それを調整できる漢方薬を選びます。

体の分析、診断ありきなのです。

肝の臓の状態がよくなってくると、体と心はつながっているので、体の調子がよくなってくるとともにイライラも治ってくるのですね。

肝の臓の不調を治す方法

男性は、女性がイライラしていたりしたら、「なんでイライラしているんだ、雰囲気悪いな」と思わないで、「月経のホルモンの不調かな?」とか、「肝の臓に不要な熱が溜まっちゃっているのかな」と察して、それとなくフォローしてあげてください。

本人としてはどうしようもないのです。

月経周辺のイライラは、体全体の調子にも関わっているので、肝の臓だけの問題でもないのですが、それでも肝の臓の不調を調整することは、イライラを解消するのに役立ちます。

肝の臓の不調を取り除くのは、酢のものをとるのが良いです。

この時に気をつけないといけないのは、酢の物はそのまま酢だけでとると、胃を痛めたりして逆に体に悪いので、砂糖と一緒に摂るようにするのがよいです。

この砂糖と合わせるということ、和食では自然にされていて、和食の酢の物は、三倍酢とかで砂糖と合わせるようになっているのですね。

他にもりんご酢やゆずなどもOKです。

月経が近い、月経になっている時になんかイライラする時は、甘みのある酢をとって乗り越えましょう!

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 図説東洋医学(基礎編):学研
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ やさしい中医学入門:東洋学術出版社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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