漢方薬相談ブログ

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漢方薬はどれくらい続けて飲めば治りますか?

漢方薬は、どれくらい飲み続ければ、根本的に治るのでしょうか?

『それは、人それぞれです』と言ってしまうと、それまで!ですね。

ちょっと細かく考えてみましょう。

「病名」での比較に意味がない!

漢方の医学的な理論を全く理解していない先生なんかは、『漢方薬は効くのに3ヶ月〜6ヶ月かかる』なんてデタラメな説明をします。

こんな話は漢方にはありません。

しかも、この話、治る期間ではないですね。

漢方薬が効き始める期間の話をしています。

患者さんから実際に聞いた話では、医者が、『今、飲まれている漢方薬を10年は続けないといけない』と説明していた例が3例ありました。

もちろん、その医者は、保険適用の漢方薬をマニュアルをみて処方していただけなので、10年間、漢方薬を飲まないといけないという説明に根拠も何もないと思います。

では、どれくらいの期間、飲み続けないといけないのでしょうか?

僕によく質問があるのが、「私のような病気の方は、どれくらいで治りましたでしょうか?」という話があります。

この質問に答えるのは、難しいです。

なぜなら、漢方は実は病気を治すものではなく、体質を調整して、その結果、病気的な状態や症状を治すからです。

病気というのは、西洋医学的に考えた時に、いくつかの条件があてはまった状態を指します。

例えば、高血圧というには、『血圧が平均よりも高い』という条件だけがあてはまった時の病気です。

全身の状態をみれば、不眠や頭痛、のぼせ、胃痛など、他にもいろいろな病気的な状態が、体のあちこちにあっても、高血圧は、『血圧が平均よりも高い』というだけの条件が当てはまった時の病気です。

例えば、アトピーは、『奇妙な湿疹』という病気です。

もはや、病名診断にもなっていませんが…

皮膚に原因不明の湿疹が出ていれば、アトピーという病気です。

そして、アトピーの人が、僕に「他のアトピーに人って、どれくらい漢方薬を飲み続けて治っていますか?」と質問されるわけです。

でも、漢方は全身の状態を調べて、体質をみます。

まさか、医者のように皮膚の湿疹だけをみて、十味敗毒散!みたいな処方はしません。

乾燥の湿疹、ジュクジュクの湿疹、顔以外の体全体に湿疹がある人、顔だけに湿疹がある人、湿疹だけでなく、月経不順もある人、不眠症がある人、それこそ、アトピーで高血圧の人もいます。

皮膚によくわからない湿疹があるというのは、アトピーの人の特徴ですが、それ以外は、何一つ、共通点がなかったりします。

つまり、アトピーという病名だけに絞って、他の症状を全部、無視すれば、アトピーを漢方薬で治す場合、どれくらい飲めばいいのかということが話せますが、漢方は皮膚の湿疹だけを治すものではないので、なんとも答えられません。

月並みですが、『人、それぞれ!』となってしまうのです。

そして、なぜ、人それぞれなのかというと、お話したように、漢方は皮膚の湿疹だけとか、血圧が高い部分だけとか、部分だけを治すものではなく、全身の状態を調整することによって、アトピーなどの部分的な症状を治すことを目的としているからです。

治療のスタート地点が違う

漢方治療の場合、西洋医学の病名とは何の関係もなく、相いれないものでもあるので、西洋医学の病名を元に、どれくらいで治るのか?という答えは出せないわけです。

そして、もう一つ、答えが出せない理由があります。

それは、漢方治療を始めた際のスタート地点が違うというもの。

仮にアトピーという状態だけで、他に人の治り具合と検討してみましょう。

ある人は、30年前からひどいアトピーで、顔以外、全身に湿疹があります。

ある人は、2年前くらいから、湿疹が出てきて、それが、こじれて腕と首がアトピーになってしまった人。

どちらも、言葉にすると『アトピーという病気になっている人』ですが、それぞれの他の体質の部分を除いて、湿疹だけに絞ってみても、アトピーの酷さが違います。

しかも、この酷さも単純に揃えることができません。

つまり、漢方治療をスタートする時点で、誰もが、同じゼロ地点から始まるとは限らないのです。

前者のアトピー歴の長い人が、仮にスコア(年数にしてみました)で「ー30」とします。

後者の人は、「−2」。

どちらも同時期に漢方治療を始めたとして、同じような期間で治るでしょうか?

本来は、ここに、人それぞれの体の他の部分の問題の差も出てきますが、それが全く、同じだとしても、まさか、30年前からで、アトピーの範囲が広い人と2年前からのアトピーで湿疹の範囲もさっきの人に比べたら、狭い人と同じわけがないのです。

単純に漢方薬の効果が「+0.5」だとしたら、軽い人は、4回の効果を繰り返せば、治りますが、「ー30」の人は、60回、効果を繰り返さないといけません。

同じ『アトピーという病名』でも、こんなにも差ができてしまうのです。

ですので、『先生のところで他のアトピーの人だとどれくらいで治りますか?』と聞かれても、全く同じ体質で、全く同じマイナススコアで治療が始まった人がいないので、比べられないという答えになってしまうのです。

まさに『漢方は人それぞれ!』なのですね。

飲み続ける期間は経験から

ここまで話していて、ひっくり返すような話になりますが、確かに漢方治療は、人それぞれの体質に合わせるので、同じ病名の人と比べることはできませんが、長年の経験から、いろいろな体質の人をみていれば、「このマイナス度合いのアトピーで、こういった体質」だと、どれくらいの期間で治るか。の目安はあります。

さんざん、アトピーは比べられないと言っておきながらですが、アトピーの人は、うちでは、ひどい人で8ヶ月くらいです。

マイナススコアが、かなり大きな人というのが基準です。

ただし、ステロイドを徐々にやめていく前提です。

また、漢方では生活をどれだけ病気にならないように調整できるかも、漢方薬を飲み続ける期間に関わってきますよ。

どの病気でも、『この病気で、この体質だと、これくらいの期間で治るかな?』という目安はありますが、いろいろな要素が絡み合ってきて、その目安通りにいくかどうかはわかりません。

僕的には、とにかく、『どんな病気だろうと、なるべく早く治す』ということを目標にするしかないですね。

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ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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