そもそも漢方相談とは何するの?
巷に『漢方無料相談』『無料健康相談』という言葉が溢れていますが、そもそも、漢方の相談ってどんなことをするのでしょう。
実は「漢方相談はこうしないといけない」とうルールはないので、病院や漢方薬局など、それぞれが、好き勝手な方法で相談をしているというのが現状です。
ただし、漢方は自由な治療戦略を考えることのできる治療ですが、もちろん、そこには目的と最低限度のルールがあります。
漢方相談の目的
漢方相談の方法はそれぞれでもいいと思いますが、目的は1つです。
目的は、『その方の体質を分析し、見極め、体質に合わせた最適な漢方薬を選ぶこと』
この目的のために相談をします。
つまり、相談の最初にすることは、体質を分析することですが、漢方相談の基本とうのはどんなものでしょうか。
いろいろな漢方相談の方法
漢方は、「絶対にこうしないといけない」という厳格な方法が決まっているわけではないので、「病院」や「漢方専門医」、「漢方薬局」の先生それぞれが、それぞれの方法で相談を行なっています。
それぞれの機関では、どんな漢方相談をしているのかを紹介していきたいと思います。
【専門ではないけれど漢方薬を処方する病院】
ツムラなどの保険適用の漢方薬を処方している病院では、このケースが一番、多いです。
医者は、患者さんから、チョコチョコと症状のことなどを聞きます。
聞くといっても、相談に十分な時間をとっていないので、二言三言のレベルです。
ひどい時は、何も聞かずに勝手に病名診断し、ツムラやクラシエなどの漢方薬を販売しているメーカーさんからもらったマニュアルの病名欄をみて、そこから一方的に漢方薬を選んでいます。
患者さんは「医者なんだから、お任せしていもいい」と思うかもしれませんが、このケースの場合は、漢方の専門知識が、ほぼゼロの状態でマニュアルだけみて処方しているので、あてずっぽうといって差し支えない方法です。
ひどい医者になると、そのマニュアルの漢方薬の症状欄を見せて、「ね、ここにあなたの訴えている症状が書いてあるでしょ!」なんて確認をとり、自分の責任を患者さんに転嫁しようとします。
【漢方専門医】
少ないですが、漢方専門でやっている病院です。
脈診や腹診を行うことが多いのですが、脈やお腹をみたところで、『実は先生は何も分析できていない』ということがよくあります。
言わば、「ちゃんと診てますよ」的なパフォーマンスですね。
わかっていない証拠に脈診や腹診の診た結果は、何も説明してくれません。
脈診、腹診で実は具体的に何も情報を得られていないことが多く、この後は、前の医者と同じパターンでツムラやクラシエなどの漢方薬を販売しているメーカーさんからもらったマニュアルの病名欄をみて選んだりします。
「結局、一緒かよ!」
ただし、専門医で保険適用でない実費(1ヶ月◯万円など)で漢方薬を処方している病院の場合は、結構、真剣に相談されていることもあります。
【漢方専門薬局】
漢方専門薬局になるとそれなりにちゃんとやっていところもあります。
ただし、2パターンあります。
まじめに相談しているところは、どんな病気や症状だろうと『全身の体の状態を調べる問診票』に記入してもらい、その問診の内容をさらに詳しく聞いたり、普段の生活のリズムやストレスのことなどを聞き出すように質問されます。
漢方薬は、『証』という病気の原因を導き出して、その証を調整できるものを選びますが、まじめにやっているところなら、『あなたの証の説明』があり、『証に対して、どんな調整を行うか』の説明があります。
もう一つのパターンは、実は、漢方専門と言いながら、漢方の医学理論はちっともわかっていない漢方薬局です。
問診票への記入はなく、なんとなく、その場でいろいろなことを聞いてきます。
結構、病気や症状と関係ない話を聞かれたり、グチなどを聞いてくれたりします。
話す内容は、五行論の説明や大木の図の説明など、いかにも『誰にでも同じ話をしてんだろうなぁ〜』というテンプレ説明やテンプレ資料が多いです。
『相談の目的が共感すること』に集約されていて、漢方の先生というよりも、近所の世話好きのおばちゃんとの会話みないな感じです。
漢方薬を選ぶというよりは、生薬を使用しているけれど、漢方薬でない漢方風サプリメントとサプリメントを抱き合わせで、すすめてきます。
漢方薬局というよりもサプリ屋さんです。
皮肉なことに、見た目は漢方専門薬局バリバリなことが多いですが、残念ながら、漢方薬局の8割はこのパターンの相談方法をとっています。
漢方相談とは?
うちが本来だというわけではありませんが、うちは目的が達成できるような相談方法をとっています。
漢方相談の目的は、『その方の体質を分析し、見極め、最適な漢方薬を選ぶこと』
どんな相談方法であれ、この目的は達成しなければいけません。
体質を分析するということは、患者さんが主張する二言三言の症状だけを聞いたって、意味がありません。
例え、風邪であっても咳や鼻水以外でも食欲や胃の問題、おしっこや便のことなど、『全身の状態』を知る必要があります。
ですので、まず必要なのは、誰にでも『全身の状態を知るための問診票』を書いてもらうということです。
そして、症状や生活リズム、生活状態などから病気の原因である『証』を分析します。
その『証』がいわゆる『体質』ですね。
漢方薬は症状を抑えることが目的ではありません。
どうすれば、証(病気の原因)がなくせるのかが目的ですので、患者さんに「証」を説明して、理解してもらいます。
そして、『その証に対して、どんな働きの漢方薬を選ぶべきか』を説明します。
最後に、根本治療は、漢方薬を飲んでいるだけで勝手に治してくれるものではないので、『証をなくすために生活上でどうすべきか』を説明し、より治療を早くするために普段から取り組めることを一緒に考えます。
「漢方相談は絶対にこの方法じゃないとダメ!」というものはないですが、漢方は、患者さんのことを細かく知れば知るほど、その人独自の病気や体質がわかりますので、単純に『問診が短い』『あまり話をしない』『説明が個別でなく一辺倒』であればあるほど、治る確率が下がります。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 図説東洋医学(基礎編):学研
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ やさしい中医学入門:東洋学術出版社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会