漢方薬相談ブログ

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六君子湯は胃痛や胃もたれに効果のある薬ではありません

よく勘違いされていますが、病院の薬って『症状を一時的に抑える(誤魔化す)もの』なので、何年、続けようと根本的には治りません。

そこで漢方薬って、よくわからないけれど、『なんとなく根本治療してくれそう』なんてイメージしますよね。

そして、病院で漢方薬を出してもらったり、ネットで調べたりして、漢方薬を飲み始めるのですよ。

でも、飲んでみても、大して効果はわからない。

なぜなら六君子湯に胃痛を抑えたり、胃もたれを治す有効成分もないし、そもそも、胃痛や胃もたれを治す目的なら六君子湯だけでなく、他にも30種類ほどの漢方薬も使う可能性があるからです。

胃痛や胃もたれって、全員共通の原因ではないのです

自分独自の胃痛や胃もたれの原因漢方薬の効果が合っていなければ、漢方薬はちっとも効かないのです。

ネットのツムラやクラシエ、医薬品の六君子湯の説明は、おかしな説明になっています。

まるで六君子湯だけが胃痛、胃もたれを治す漢方薬かのように紹介しているから、医者やみんなは胃痛や胃もたれだったら、六君子湯しか飲みません。

だから効かないのです。

本来は、胃痛、胃もたれといっても、人それぞれの原因があります。

『その原因を調べて、その人独自の原因に合わせて漢方薬を選ぶ』のですね。

だから、胃痛や胃もたれだけでも30種類もの漢方薬が考えられるのです。

この記事では、なぜ、六君子湯を飲んでも胃痛や胃もたれが良くならなかったがわかるようになります。

また、本来の六君子湯の役割や漢方薬はどうやって使うものなのかを詳しく解説します。

漢方薬は特定の症状だけを治せない

漢方薬は、西洋医学とは全く違うもので、特定の症状だけを治せません。

「胃痛の痛みだけをとる」とか、「胃もたれだけをとる」なんてことはできません。

これは、漢方と西洋医学の症状の考え方の違いにあります。

病院は、症状は不快なもので、なくさなければいけないものと考え、症状を抑えることを治療だと考えます。

例えば、胃痛が起こっている人なら、薬の成分で胃酸を止めます。

そうしたら、胃酸の影響による痛みは止まりますね。

でも、ここで大きな問題勃発!

問題は、薬の化学成分で無理やり胃酸を止めているだけなので、薬の効果の時間が切れたら、元どおりの病気になることです。

言い方を変えれば、治療というよりも『症状を一時的にごまかしているだけ』

医者は本来の『なぜ胃痛があるのか?』という原因には一切触れもせず、単に薬で症状をごまかしているだけなのですね。

西洋医学とは違う漢方の症状の考え方

漢方では、症状を止めればいいとは考えません。

症状は『体の中の何か』が不調だから、それを知らせるサインとしてとらえます。

ですので、漢方でいう体質とは、病名や症状のことではなく、体の不調を分析するヒントなのです。

そして、この『体の中の何か』を治すことが根本治療になります。

症状自体を抑えることではなく、表に出てきた胃痛などの症状から、「なぜその症状が出たのか?」rを分析し、その原因自体を治す漢方薬を選びます。

ですので、胃痛だけを止めるということは漢方薬にはできません。

六君子湯の本来の効果

例えば、六君子湯の効果は、胃もたれを治すとか、吐き気を止めることではありません。

そもそも、そんな成分も含まれていません。

六君子湯の効果は、脾胃の虚証を補脾する効果。

脾胃の水毒を利水する効果。

虚証による精神症状を補気する効果です。

何のこっちゃ意味不明ですよね。

はい、でも実はこれ以上、わかりやすくすることができません。

なぜなら、『漢方薬は、西洋医学の薬ではなく、東洋医学の法則の薬だから』です。

六君子湯は胃痛、胃もたれの本当の原因に合わせる

あえて、簡単に説明すると脾胃の虚証というのは、脾胃という消化器全般の気が落ちて、消化機能が落ちている状態です。

消化機能が落ちるので、補気といって、漢方薬から気を補って消化機能を高めます。

脾胃の水毒というのは、胃内停水といって、胃に不要な水が溜まっている状態で、そのいらない水をかき出してくれます。

これが、六君子湯の代表的な効果です。

気が落ちているということと、水が溜まっているという原因から考えると、六君子湯が合う人に、胃痛の人はいません。

どちらかというと、『胃もたれや吐き気、消化不良、下痢など』が六君子湯が治す症状の対象になります。

逆に胃痛などは、強い症状なので、胃もたれだけでなく、胃痛もあるのであれば、六君子湯は的外れ、他に30種類の漢方薬がありますから、とっとと他の漢方薬を飲みましょう!

漢方薬の場合は、例え、胃痛や胃もたれという部分的な症状であっても、常に全身を調べて、本当の原因を調べます。

例えば、胃痛が、月経と関わる血の巡りと関係しているタイプの人もいます。

この場合、六君子湯なんて、何年飲もうと効きません。

よくある『漢方薬って効果がよくわからない』って状態になるのですが、これって、漢方薬の効果が弱いのではなく、あなたの胃痛の原因と漢方薬の効果が、ずれているのですよ。

六君子湯に月経に関わる血の巡りを治す効果なんてないのです。

ですので、ネットなんかに「六君子湯は胃痛や胃もたれの方に使います」って書いてたって、体質(あなたの胃痛の原因)が六君子湯の効果と違うのだから、治るはずがないのです。

胃痛、胃もたれは体質や原因を表すごく一部の情報

胃痛や胃もたれ、吐き気というのは、あなたの病的な体質を示している一部なのですよ。

どんな病気だろうと、頭痛などの1つの症状だろうと、漢方では、全身との関わりから原因を考えます。

一部の情報で漢方薬を選んだりしません!

だって、漢方薬の目的は根本治療なので、症状を抑えるのではなく、症状から、根本原因を調べるためだからです。

ですので、胃痛、胃もたれの原因が熱のこもりが原因の人や胃痛、胃もたれの原因が冷えの人もいます。

ちなみにこの両者は漢方薬の効果は正反対のものを選ぶ必要があります。

また胃痛、胃もたれの原因が水の巡りの悪さが原因の場合があります。

六君子湯が合うのは、この水の巡りの悪さが原因になりますが、同じ水の巡りの悪さでも六君子湯のように胃内に水が溜まっているタイプ、腸に溜まっているタイプ、冷えから水が滞るタイプなど、詳しく分析すれば、本当に人それぞれ違います。

他にも胃痛、胃もたれが気(ストレスや自律神経)が原因のタイプもあり、こういったタイプだと、睡眠の状態なども調べる必要があります。

ひどくなると熱の巡りが悪く、水の巡りも悪く、気の調整もできていないなんて、複合型の原因が胃痛、胃もたれになっていることもあります。

この場合だと全身調べないと原因なんかわからないでしょ!

結局、漢方薬は、全身調べないと効果の発揮してくれそうなものは選べません。

胃痛、胃もたれ、吐き気なんて2、3個の症状だけで漢方薬を選ぶから、ちっとも効果がないのです。

まとめ

六君子湯の主な効果は弱っている消化器系の気を補い、胃内の不要な水を取り除くものです。

ですので、胃の働きが強すぎたり、熱を持っていたり、筋肉の収縮からの胃もたれや胃痛などには、効きません

漢方薬は胃痛や胃もたれであっても、常に全身との関連性もみていきますので、「胃痛や胃もたれ」だけを治す薬として飲んでも、無意味です。

こんな飲み方も効きません

医者のように全身の体質を無視して「胃痛、胃もたれ」というマニュアルだけで六君子湯を選んでも、効果が的外れになる可能性があるので、効きません

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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