漢方薬とは、そもそも何?
「病院の薬は副作用がキツそうだから、あまり続けたくない」
となると、「漢方薬って自然のもので副作用もキツくなさそうだから、漢方薬を飲んでみようかな!」って、漢方薬がちょっと都合の良いファンタジーの薬みたいに思っている人がいますが、そもそも『漢方薬とは何?』って話ですよ。
お堅い説明をすれば、『漢方薬とは生薬と呼ばれるもので作られた自然のお薬で、古代、中国で発生し、なんたらかんたら』みたいな感じになりますが、そこがわかっても、あまり意味がないのですよね。
漢方薬で飲む上で大事なのは、実は、薬の性質の違いを知ることではなく、治療の考え方が病院とは全く違うことを知ることなのです。
なぜ、患者さん側が、わざわざ、そんなことを知らないといけないのか?
漢方薬で治療する場合は、病院の薬のように「飲んでたら、薬の成分が勝手に治してくれるでしょ!」(実際は、治してくれませんが)なんて感じにはいかないからです。
この記事では、漢方薬で根本治療するために患者さん側が知っておかないといけない理由がわかります。
漢方とは東洋医学のこと。
東洋医学の元は紀元前頃だと言われています。
めっちゃ古いですね。
その時の本には、『黄帝内径』(こうていだいけいと読みます。)というものがあって、黄帝内径は『素問』と『霊枢』という2部性になっています。
漢方は、めっちゃ古いので『古いものは、迷信くさいので、今の科学的な病院の薬の方がレベルが上』なんて思っている人もいますが、実は、どっちが医療レベルが高いかどうかではなく、治療の種類が全く違います。
漢方の最古の本である『素問』には、『人間がなぜ病気になるのか?』『気候や住んでいる土地と病気の関係』や『どうすれば、病気にならないですむのか?』などのことが書かれています。
書かれているのは、漢方薬の成分がどうとか、効果がどうとかではないのです。
『霊枢』には、鍼灸での治療方法が書かれています。
この本も重要ですが、鍼灸のことは、また別でお話ししますね。
病院の治療は、ただのごまかし
治療というと、検査がどうとか、薬の有効成分がどうとかと考えがちですが、漢方治療というのは、漢方薬を飲むことだけが治療ではありません。
そもそも『病気』に対する考え方が西洋医学と東洋医学では違っていて、西洋医学の治療は、大きく3つあります。
1つ目、症状を薬で、一時的に抑えること(症状をごまかすこと)
2つ目、菌とウィルスが原因の病気を治すこと。
3つ目、怪我を外科手術で治すこと。
ほとんどの人が近くの病院でやっているのは、1つ目の薬をもらって症状を抑えることです。
でも、この治療、医者も患者さんも誤解していて、薬を飲んでいれば、いつか治ると思っていることが多いですが、病院の薬は、対症療法といって、いくら飲み続けても、治ることはありません。
あくまで『一定時間、症状を抑えて、ごまかすだけ』です。
中には、何日か薬を飲めば、もう症状が出てこなくなることがありますが、なぜ、対症療法の薬で根本的に治ることがあるのか?
実は、『科学的になぜ、そうなるのかわかっていない』のです。
要するに病院の薬で治るのは『説明ができない、ただの偶然』です。
ちなみに病院の薬で、まれに根本的に治る症状は、あくまで症状が出てから、2、3日の症状か、原因が菌かウィルス(一部)のものだけです。
あなたが長いこと悩んでいる月経不順や頭痛などは、その都度、症状を誤魔化すだけで治りません。
漢方薬の治療方法
漢方薬は、そんな薬では治せない慢性的な病気を治せるものか?というと半分は治せないし、半分は治せます。
漢方薬は、病院の薬に比べて、自然のもので副作用なく、ファンタジーな効果があるから治るわけではありません。
病気に対する考え方がそもそも違うのです。
素問には、『〇〇病には、〇〇漢方薬が効くよー』なんてことは書いてありません。
そもそも人が病気になるのは、「自分の取り巻く環境と自分の体のリズムなどが合わないから」ということが、こと細かに書いてあります。
西洋医学の人が病気になると考える原因は、『ウィルスや菌』『怪我』だけです。
これ以外は、ほとんど原因不明とされています。
そもそも、アトピーという診断名が、『奇妙な湿疹』というところからも、わかりますよね。
漢方が考える病気の原因の1つで食べ物なんかわかりやすいですね。
食生活が乱れれば、湿疹が出たり、ひどいと糖尿病にもなります。
夏が暑すぎると、汗が出過ぎたり、熱がこもったりして、熱中症になったりします。
熱中症にまでならなくても、熱のこもりが、血の巡りを悪くして、月経不順にもなったりします。
つまり、漢方では、月経不順の原因が菌でもウィルスでも怪我でもなく『暑い夏』だったりするのです。
漢方では、ほとんどの病気の原因は、『生活環境や自分の生活リズムの中にあるぞー』って考えるのです。
素問には、そういったことが書いてあって、漢方治療というには、漢方薬の効果がどうたらこうたら以前に、どんな原因で病気になったのかをちゃんと調べることが重要であることがわかるのです。
人それぞれ違う病気の原因
素問に書かれているように、漢方治療で最も重要なのは、実は漢方薬ではありません。
湿疹、頭痛、下痢、不眠、これらの原因は、人それぞれ違います。
「寒くて頭痛になる人」
「逆に暑すぎて頭痛になる人」
まず、治療で必要なのは、患者さんの体質、患者さんの生活リズムやスタイル、生活環境を知ることです。
素問には、どんな環境だとどんな病気になりやすいのか、どんな原因なのか、どんな体質になりやすいのかが書かれています。
これらを元に体質を調べ、自分の生活をどう変えてべきかが書かれています。
漢方薬とは?
病院では、もともと、ろくに病気の原因もわからないので、単に表に出ている症状を誤魔化す薬を使います。
漢方薬は、かならず、その症状の原因を知る必要があります。
逆に原因がわからないと漢方薬を選びようがないし、漢方薬を飲んでいるだけで、環境や生活自体の調整をしなければ、根本的には治りません。
病気の原因は、人それぞれで、生活が元になっています。
ですので、根本治療をする場合、『どんな食事なのか?』『何時に寝ているのか?』『職場は寒すぎないか?』など、いろいろな患者さんの情報が必要になるのです。
となると、医者がやっているような、ツムラなどの漢方薬メーカーからもらったマニュアルだけみて、『月経不順→当帰芍薬散』なんて感じで漢方薬を選んでも治るわけがありません。
病院の薬は、無理やりでも症状を一時的に誤魔化す作用なので、その人が、どんな体質や状況の人か?なんて関係ありません。
ましてや、根本治療とは無関係なので、その人の体質も生活も知る必要がないのですよね。
でも漢方で根本治療を目指すなら、そうはいきません。
患者さんの方からも、自分の月経不順の原因を調べるためにヒントになりそうな生活のことをいろいろと先生に伝えれば、その漢方の先生が、よくあるただのマニュアルやろうでなければ、原因を突き止めることができます。
原因がわかれば、選んだ漢方薬で治りやすいし、生活を調整していけば、最終的には漢方薬を飲まなくても根本的に治るのですよね。
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