漢方薬相談ブログ

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病院で病名をつけてもらっても結局、治りませんよ

年齢が高い人に多いのですが、自分の体の不調が病院でもわからないので、すごく不安だという人がいます。

その後、何件も病院を巡って「先生、私の病気がわかったのです!」となぜか嬉しそうにしてたりするのですね。

僕からすると「病気だとわかって何で嬉しそうなんだ?」とちょっと不思議な感じがするのですが、どうも患者さんに率直に質問してまわったところ、『ちゃんと病気が診断されると原因やらなにやらがわかって治る』というイメージある。ということがわかりました。

でも、残念ながら、病院で病名が診断され病名がわかったところで治るわけじゃないんです。

西洋医学の生理学や病理学、そして東洋医学の漢方の医学理論なんかを勉強して思うのは、病院は治すところではなく、検査などをしたりして、その人の体を評価だけするところだと思ってます。

実は病名がわかったところで、全く治療には結びついていないのです。

病院で検査をしてもほとんどの病気は原因が不明

世界標準の医学マニュアルにメルクマニュアルというものがあります。

MSDマニュアル プロフェッショナル版

このマニュアルで病気を調べてみると大概の病気は『原因不明』とされています。

例えば本態性高血圧といって、9割の人の高血圧はこれなのですが、本態性ってついてるから、なんらかの原因があって高血圧になっていることを示していると思うでしょ?

このマニュアルから本体性高血圧の原因という部分を読んでいくと…

メルクマニュアル「高血圧」本文から引用
「心臓と血管に生じたいくつかの変化が組み合わさって、血圧を上昇させると考えられます。」

と書いてありますが、その次に

「このような変化が起こる原因はまだよく分かっていませんが」

と続きます。

つまり、『高血圧は心臓と血管のいくつもの変化が組み合わさって起こっていますが、原因はわかりません』と何もわかってないことを『それっぽくかっこよく言ってるだけ』なのです。

また、アトピーの項目では原因ではなく病因というものになっていて、そこには「先進国に多い」とか「喘息やアレルギー性鼻炎もよく併発している」とザーッとしたイントロダクションみたいな説明があるだけで、『原因』の項目すらありません。

ちなみにアトピーというのは『奇妙な』という意味なので、診断と言っても医者は「うーん、これは…奇妙な湿疹ですね!」と「何かよくわからん!」というのを専門っぽく言ってるだけなのですよ。

医学用語というのは、普段から馴染みがないので、それっぽい言葉で並べ立てらると、なんとなく納得してしまうのですが、実はよく読み込んでみると『よくわからいんですよ』と言ってるだけだったりします。

でも、病院に行ったら、検査をしたり薬をくれますよね?

あれは意味がないのか?

意味がないことはないのですが、少なくとも治すためのものではありません。

検査でわかること

例えば、病院で検査をすると自分の不調の原因がわかると思っている人がいますが、検査からわかることって少ししかありません。

また原因がわかるのは、その原因が今回のコロナじゃないですが、ウィルスとか菌、もしくは外傷的な問題(骨が折れているとか心臓の弁膜がおかしな形とか)だけです。

例えば、血圧計で血圧を測れば、高血圧だとわかりました。

でも検査でわかったのは、「自分は血圧が高い」という自分の状態がわかっただけで、では『なぜ血圧が高いのか?』その原因はわかりません。

血液検査で「肝臓のALTやASTが高い」とわかっても、なぜ高いのか原因はわかりません。

この時にB肝炎の検査をしてウィルスの抗体などが出てくれば、B型肝炎ウィルスが原因だとわかりますが、ウィルスや菌が原因でない場合、人それぞれ、いろいろ複数の原因があるので、結局、原因不明ということになるのです。

つまり、病名を診断する際に検査をしますが、検査をしても大概は原因がわかっていません。
じゃあ、原因も何かわからないのにどうやって治療しているんだという話。

実は、治療をしているのではないのです。

病院の治療は症状を止めたり悪化を防いでいるだけ

病気には、『なぜ、その症状が発生したのか?』原因があります。

でも、その原因がウィルスと菌、外傷以外だった場合はわかりません。

つまり、病院ではほとんどの病気の原因はわからないのです。

でも、治療はします。

何の治療をしているかというと、原因不明で発生した症状を薬で一時的に止めたり、それ以上なんとか悪化しないように現状維持を目指しているだけ。

症状を一時的に止めているのは言い方を変えれば、症状を一時的に誤魔化しているだけ。

例えばアトピーの人がステロイドを使えば、炎症が薬の力で一時的に抑えられてかゆみがひきますが、ステロイドの効果時間が切れれば、またかゆみは復活します。

「状態を変化させている」というのは、例えば高血圧の人の場合、血管自体を拡張させたりすれば、血管にかかる圧は当然、下がりますよね。

そして、薬の効果の時間が切れれば、また血圧は高くなります。

これの繰り返し。

糖尿病もしかりですね。

薬で血糖値が下がっても薬の効果の時間が切れれば、血糖値は元通り。

要するに薬が見た目を誤魔化してくれますが、自分自身は何も変わっていないのです。

そして、ここで病院の薬に間違った幻想を抱いている人がいます。

薬を続けても根本的に治ることはない

薬を飲むと症状が治ったりするので、薬を続けているといつか治ると思っている人がいますが、薬は続けても治ることはありません。

これは科学的に証明されていることなのです。

病院の薬は自分自身の体内の働きではなく薬の成分の働きによって、体内の働きを変えます。

これが症状がなくなるメカニズムなのですが、自分の体の機能ではないので、薬に頼って症状がなくなっても根本的に治ることはないのです。

また薬というのは作用時間が決まっていて、その有効成分が何時間後に体の外へ出されるかも計算されて作られています。

絶対に体の外へ排泄されることが薬の条件なので、根本的に治らないことが科学的に保証されているのです。

結局『治る』というのは自分自身の力で調整しないといけないのです。

病気の原因って何だ

ということで、検査をしてもらって病名を付けてもらって、薬を出してもらっても、結局、症状を一時的に止めているだけで治っていないのです。

病名の診断がついて治るのは、一部の菌やウィルス外科手術だけです。

大半の病気は原因がわからないので、病名がついても「あなたはアトピーですね」とか「あなたはメニエール病ですね」と勝手に評価されてるだけで、治療は単に症状をなんとか一時的に止めるだけ。

根本的に治る術は病院にはありません。

漢方なら原因がわかるのか?

漢方では病名を診断するという概念はありません。

医者は病名に合わせて漢方薬を選んだりしますが、あれはデタラメな方法です。

そもそも、病名がわかっても根本的に治らないわけですから、原因不明の病名から根本治療の漢方薬を選ぶっておかしいですよね。

漢方の場合は、今の体の状態を分析します。

そこから原因がわかることもあるし、原因がわからないこともあります。

なぜ、漢方でも原因がわからないことがあるかというと、原因は1つじゃなく、もしかすると細かな何十という原因が絡み合っている場合もあるからです。

だから、漢方ではどんな病気や症状でも全身を分析して、『現在の状態』をまるごと診断して、その状態を良くする漢方薬を選びます。

漢方薬の場合は、症状を止めるのではなく、体内機能の調整を正常に戻す作業をしますので、漢方薬の場合は、飲み続けていると自分自身の調整能力が高まって根本的に治るのですね。

ただし、保険適用の漢方薬は、先ほど書いたように原因がわかっていない状態でも選びますので、東洋医学の体質診断せずに病名や症状を当てはめて漢方薬を選んでも治りません。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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