漢方薬相談ブログ

喘息を漢方薬で根本的に治す方法

喘息を漢方薬で根本的に治す方法

  1. 病院の喘息治療
  2. 病院の薬と漢方薬に対する勘違い。
  3. 病院の薬と漢方薬を続けるメリットとデメリット
  4. 漢方薬はなぜ根本治療になるのか?
  5. 漢方薬の治療の方法
  6. 喘息体質から卒業する。

国際中医師で日本漢方家の松村です。

大阪であらゆる病気の漢方相談をさせてもらっています。

春先や秋など、季節の変わり目になるとひどくなる喘息発作。

止まらない咳は辛いですよね。

病院の治療でやることといえば、止まらなくなった咳を薬などで一時的に抑えることだけ。なので、延々と終わりがありません。

随分と長い間、吸入スプレーのお世話になっている人が多いのではないでしょうか?

喘息は漢方薬でも治療できます。

漢方薬の治療の素晴らしいところは、病院の薬のように一時的に咳を止めるだけではなく、最終的には病院の薬や漢方薬を飲まなくても、喘息発作が出なくなる体質に変わることです。

今回は、多分、あまり知られていないであろう「喘息は漢方薬で根本治療ができる」というお話をしたいと思います。

病院の喘息治療

これは喘息の治療に限ったことではないのですが、病院での喘息治療では、根本治療にはなりません。

病院のホームページなどを見てみると、喘息の薬には長期でコントロールする薬と発作を治療する薬があると書いてあります。

長期的にコントロールする薬は発作の予防になる、と説明されていますが、要は「薬を飲んでいる限りは、ある程度、喘息が抑えられるし、やめたら喘息の症状が出てきます」というものです。

コントロールという、なんかいい感じの言葉を使っていますが、病院の薬は対症療法という、症状を一時的に抑えるだけのものなので、「ずっと飲み続けないといけない」ということなのです。

でもこれって、予防…ではないですね。

発作の薬も同じで、発作が起こった時に飲めば、その時は抑えてくれるというものです。

じゃあ、漢方薬は、飲み続けなくても良いのかというと、もちろん、漢方薬も飲み続ける必要はあります。

同じように薬を続けないといけないものですが、薬と漢方薬ではとんでもない差があります。

病院の薬と漢方薬に対する勘違い。

今は、そんな人はほとんどいないと思いますが、未だに病院の薬を真面目に飲み続けていれば、喘息はだんだんと良くなってくると考えている人がいます。

しかし「病院の薬を続ける」、「漢方薬を続ける」
同じ薬を服用し続けるにしても決定的に違うことがあります。

病院の薬は、症状を一時的に抑えるものです。

わかりやすく言えば、喘息の咳が出てきた時に飲めば炎症が抑えられて、咳が治ります。

そして、薬の作用時間が終われば、また咳が出てきて、薬を飲む前の状態に戻るのです。

医者は、「予防的に毎日、飲みましょう」と言いますが、1年飲もうが、10年飲もうが、最初に咳を抑えるために飲んだ第1日目が、毎日、毎日、繰り返されているだけなのです。

治療は、最初に飲んだ第1日目から一歩も進んでいないということです。

炎症を抑える薬を予防的に飲んでいれば、連続3ヶ月くらいの期間は症状が出ないかもしれないですが、詳しく見れば、「1回飲むごとに何時間か症状を抑えることを繰り返しているだけ」なので、「もう3ヶ月も咳が出なくなったから、薬をやめてもいけるかも」と思ってやめてみたら、即、咳が発生し、薬を飲み始めた第一日目から状態が一歩も進んでいないことを思い知らされます。

ここが漢方薬との大きな違いです。

漢方薬を飲み続けている場合は、飲み続けるほど、喘息が発生する体質から遠のいていきます。

例えるとしたら、病院の薬はその場だけの掛け捨て保証の保険みたいなもので、体質を改善する漢方薬は貯蓄型の保険。支払っているお金は、後で積み立てられて自分に返ってくるのですね。

病院の薬と漢方薬を続けるメリットとデメリット

病院の薬は、続ければ続けるほど、薬の効果が弱まってきます。

なぜならば、病院の薬は肉体的な観点から見ると、化学毒物になりますので、肝臓が必死で解毒してくれます。

その解毒力も経験を積んだことによりだんだんと能力が上がって、薬を無害化することが上手くなります。つまり、薬の効き目が悪くなってくるのです。

その期間もすぎて、更に続けていると、肝臓自体が、薬の解毒に疲れてしまい、弱ってきます。

はっきりとした副作用ではないかもしれないですが、長期的に喘息の薬を続けるのであれば、こういったリスクがあるのです。

しかしほとんどの医者はこういった話をしっかりと患者さんに説明していません。

まるで薬は肝臓負担がゼロで、一生、飲み続けても良いかのような説明をします。

漢方薬は、ぴったりと自分の体質に合ったものを飲み続ける場合、喘息の咳を止めることが目的ではなく、咳が出てしまう原因を見つけ出して治療します。

そして、その原因は、大体が咳だけでなく、体全体の調子とも関わっているので、長く続けるほど、咳だけでなく、体全体の調子が整えられてきます。

ただし、デメリットもあります。

それは、「喘息」や「咳」という病名や症状だけを当てはめ、体質を分析せずに選んだ漢方薬を飲み続ける場合、副作用に見舞われるリスクがあるということです。

漢方薬の副作用は、体質と漢方薬が合っていなければ発生します。

また、その副作用は体全体の症状や調子がはっきりとわかっていないと気づきにくい、ちょっとした症状の場合もあるので、気づかずに続けていると、誤治壊病といって喘息体質が、更に拗れる可能性があります。

もちろん、こういった事態は、漢方薬を選ぶ際に病名や症状をマニュアル的に当てはめるのではなく、しっかりと全身の症状と状態から「体質」を分析して選ぶということをしておけば、副作用にもすぐに気づけますし、合っていないと判断したら、他の漢方薬に変えれば良いだけです。

漢方薬はなぜ根本治療になるのか?

病院で処方される喘息の薬の種類は、色々な名前、効果の強さなどの微妙な違いはありますが、要は『2種類』だけしかありません。

『炎症を抑える薬』『気管支の筋肉を緩めて拡張させる薬』です。

そして、薬の作用時間は決まっていて、作用時間が過ぎれば、元通りの喘息の状態に逆戻りです。

漢方薬は、西洋医学の薬とは、目的も治療方法も全く違ってきます。

では漢方薬を続けることがなぜ、根本的な治療になるのでしょうか?

漢方薬を症状に合わせて選ぶ先生がいますが、これは根本から間違っています。そもそも漢方薬は、症状を抑えることが目的ではありません。

漢方では「症状」という存在を正しく捉えています。

「症状」は体内の不調を知らせるためのサインである、というものです。

「骨折した時に体はなぜ痛みを発するのか?」それは痛みを発生させて、傷んだ部分を動かさせないようにして、治癒を進めるためです。

そう考えると、咳は何かの異物を体の外へ出すために発生したり、肺や気管支が何らかのダメージを受けているから、それを知らせようとして出てくるものなのです。

体的には「咳」によって体の中のダメージを知ってもらいたいので、その咳を薬で無理やり止めたところで、咳によって気づかせようとした原因は、何も変わらないのです。

咳は体力を消耗し、気管支などの粘膜を傷つけるので、薬で無理やり止めることによって、そのダメージを和らげることはできます。

ただ、本来、治さないといけないのは、体内の不調なのです。

そして、この不調は、人それぞれで微妙に違ってきます。

同じ喘息の咳でも、人によって原因が変わってくるということですね。

この原因を体全体の症状や状態から分析して、そこを治してあげる漢方薬を選ぶことが本来の漢方治療です。

体内の不調の原因が漢方薬で治れば、体は自ずと症状を発生させる必要がなくなり、喘息の咳はなくなります。

本当に治さないといけないのは咳という症状ではなく、咳につながっている体内の不調なのです。

漢方薬の治療の方法

咳を発生させている原因のことを漢方では「証」と呼びます。これは病的な体質とも言い換えることができます。

原因は人それぞれ違ってくるのですが、大きく9のパターンに分かれます。

これらの原因は、漢方独特の理論でかなり難解で複雑なので、どんな証があるのかだけ紹介します。

1上焦の水滞証
喉から上に不要な水が滞って咳を発生させます。

2上焦の気滞の証
喉から上に不要な気が滞って 咳を発生させます。

3上焦の熱証
喉から上に不要な熱が滞って 咳を発生させます。

4胸脇の熱証
胸周辺で発生した熱が、気管支に不要な熱をこもらせて咳を発生させます。

5脾胃の虚証
胃腸を含む、消化器が弱って、体力がないので、喘息の炎症に対して抵抗できない状態です。

6水証
1と同じような水の巡りの滞りがあるタイプですが、こちらは、喘息の期間が長くなって、水の巡りの悪さが全身に及んだ状態です。

7腎虚の証
6の水の巡りの悪さが更に進んだ状態です。
病状的に重くなっている感じですね。

8寒証
冷えによって気管支が収縮したりして咳を発生させます。

9痙攣、急迫の証
筋肉の緊張で気管支が収縮して咳が止まらない人に多い原因です。

病気の原因となると、この9つのうちのどれか1つが自分に当てはまるのではないかと考える人が多いかもしれないですが、実際は、「134」とか「568」みたいな感じでこれらの原因が、何種類か合わさっています。

とはいえ、漢方薬はその原因ごとに用意する必要はなく、例えば3つの原因、全てを治してくれる漢方薬を1種類だけ厳選して選ぶといった感じです。

『喘息に効く漢方薬』という選び方は本来の漢方ではありません。

喘息体質から卒業する。

体質を分析しないで、「喘息という病名や咳」という症状に合わせて漢方薬を選んでも無意味です。

また、食べ物やサプリで治そうとしても、それは無意味ではåないですが、「やらないよりはやったほうがマシ」程度です。

そこは治療にはなりません。

ただし、漢方薬などの積極的な治療と合わせていけば、効果を発揮します。

ちなみに食べ物も、一般論的にある「体に良いもの」は意味がありません。

食べものも『自分の体質に合っているもの』を選んでいく必要がありますので、自分なりの養生で治していくにしても、まずは「自分の体質や喘息の原因が何なのか?」を調べることが治療の第一歩となります。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方処方応用の実際:南山堂
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠⅡⅢ:薬局新聞社刊
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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