卵巣嚢腫の原因と治療を東洋医学と西洋医学から解明する
卵巣嚢腫は、卵巣がんにもつながる病気です。
漢方的にみていくと卵巣嚢腫は「なりやすい人」、「なりやすい体質」があったりします。
放っておいて、勝手に治るものでもないので、体質的に傾向がある人は、何らかの治療をする必要があります。
今回は、そんな卵巣嚢腫の原因と治療を西洋医学と東洋医学(漢方)の両方から分析してみたいと思います。
東洋医学では、漢方薬を選ぶ前に『体質(原因)』を分析しますので、これは同時にあなたが『卵巣脳腫になりやすい体質なのかどうか』ということもわかります。
ご自身の体質が卵巣嚢腫になりやすいかどうか、あてはまる症状をチェックしてみてください。
卵巣嚢腫とは
嚢腫とは、腫瘍、ポリープなどと呼ばれるものの仲間です。
色々なタイプがあり、大半は、がん化しませんが、放っておくと嚢胞が破裂して、中に溜まった血や組織の液体が体内に漏れ出て、とてつもない痛みに見舞われることがあります。
うちの患者さんの中に嚢腫が破裂した人がいて、駅で痛くなってうづくまり、痛すぎて意識が飛んだと思ったら、次が病室だったらしいです。
卵巣嚢腫の症状
右の卵巣や左の卵巣などに嚢腫や腫瘍ができて、左側だけが痛く感じる時があったり、右側だけが痛く感じる時があったりするという人もいますが、大半の人は、無症状で、気づいた時には、かなり大きくなっていたり、強い痛みと破裂によって、知った時にはもう手遅れ…ということが多いです。
現実的には、自分自身の自覚症状のチェックだけで嚢腫ができているかどうかを知ることは難しいです。
卵巣嚢腫の原因
世界的な医学書であるMSDマニュアルや他の医学書を調べてみると、『卵巣嚢腫の原因』は書かれていませんでした。
エコー(超音波)検査によって、卵巣が大きくなっていなければ、問題ありません。
5cm未満のものだと大体が自然に小さくなって、元に戻ります。
卵巣嚢腫は無症状なので、エコーでしか見つけることができないとも言えます。
卵巣嚢腫が発生するメカニズム
卵巣嚢腫が発生するメカニズムですが、西洋医学の医学書には『原因もメカニズムも記載されておらず』、発生した後の嚢腫の種別だけが書かれているので、僕の方から生理学的に解説したいと思います。
元々、卵巣の中で卵子が発育して、それが大きくなって排卵するので、排卵直前などは、誰でも卵巣は大きくなっています。
逆に大きくなっていなければ排卵がないかもしれないということです。
そして排卵後、卵巣は自然に元の大きさに縮んでいきます。
卵巣は卵子を育てるために大きなエネルギーを必要とするので、そこに栄養素の豊富な水が巡ってきたり、血が巡ってきたりしているのですが、このような環境のため、水や血の巡りが滞ると、チョコレート嚢腫になったりします。
そもそもが大きくなったり、小さくなったりする場所なので、体全体のバランスや体調が悪くなると嚢腫や腫瘍が発生しやすい部分だったりするのですね。
卵巣嚢腫の影響
卵巣嚢腫を放っておくと何に影響してくるのでしょうか?
一番、難儀なのは、確率としては少ないとはいえ、嚢腫ががん化することです。
絶対に、がん化しないとは言えないので、やはり治療した方がいいでしょう。
次に難儀なのは、子供が欲しい場合、赤ちゃんが授かりにくいということです。
卵巣は、卵子を育てる役割を持っているので、そこに嚢腫ができていると、卵巣の機能がうまく働かずに排卵に問題を抱える場合があります。
不妊症などの原因になるので、こういう場合もやはり治療した方が良いでしょう。
また、先ほどの例でお話した、放っておくと『嚢腫自体の破裂』ということがあります。
僕が聞いた話では、体験したことのないような痛みらしいので、破裂の前に治療してしまうのが良いでしょう。
西洋医学での治療
卵巣嚢腫に悪性腫瘍の特徴がなく、嚢腫が卵巣の外側にくっついているような袋の感じで、なおかつ5cm~8cmであれば、手術せずに様子を見ることが多いです。
ただ、これは「手術しなくても良い」と言う意味ではなく、人によっては、途中でがん化したり、破裂したりする可能性があるということです。
また病院によっては、やたらと手術したがる先生もいます。
僕のカウンセリングの経験上では、どうも関東圏の先生はやたら手術したがり、関西圏の先生は様子を見る人が多い感じがします。
どっちが良いとか悪いとかいう意味はありません。
漢方が考える卵巣嚢腫の原因
西洋医学的には原因がわかりませんが、東洋医学的に分析すると大きくは、「血の巡り」、「水の巡り」が関係しています。
それにプラスして「ホルモンのバランス」が関係しています。
漢方は体質に合わせるので、絶対はないのですが、まず女性にしか使わないと言う漢方薬があります。
例えば、当帰芍薬散です。
これは、ほぼ女性にしか使いません。
ではなぜ、女性にしか使わないのかというと、月経に関わる女性ホルモンを整える効果が強いからです。
月経や女性ホルモンを整えるので、月経がない男性には使うことがないのですね。
当帰芍薬散や桂枝茯苓丸など、月経や女性ホルモンの調整に使う漢方薬には、桂枝や当帰という生薬が含まれているものが多く、これらの生薬で構成されている漢方薬が卵巣嚢腫治療の候補になってきます。
漢方から考える卵巣嚢腫の原因
月経やホルモンを整える処方も色々な種類がありますが、卵巣嚢腫の場合は、1つ大きな特徴があります。
例えば、他の婦人科系の疾患で子宮筋腫がありますが、これは、『血の巡りの悪さ』や『肝臓の機能』が、原因として関わっていることが多いです。
そして卵巣嚢腫の場合は、血と水の巡りの悪さの両方が重なって原因となっていることが多いです。
症状としては、「ヘルペス」ができやすかったり、「耳鳴り」、「めまい」、「頭痛」、「足冷え」、「むくみやすさ」、「軟便になったり、逆に硬い便になったりと安定しなかったり」します。
ただし、これはあくまで特徴的な症状を挙げただけで、厳密には、お一人、お一人、全身の症状や状態を調べて、総合的に判断した方がいいです。
漢方の卵巣嚢腫の治療
漢方は誤解が多いです。まず、卵巣嚢腫に効く漢方薬というものはありません。
卵巣嚢腫に限らず、漢方薬は特定の病気に効果のあるものはありません。
その人の卵巣嚢腫の原因が何なのかを調べ、その原因がわかれば、その原因を調整する漢方薬を選びます。
卵巣嚢腫は、3つの原因が基本になります。
『ホルモンの調整』、『水の巡りの調整』、『血の巡りの調整』
この3つの掛け合わせですね。
水の巡りの悪さと血の巡りの悪さは、その比率が人によって変わってきます。
どちらの要素がより多いのか、少ないのかを分析します。
血の巡りの調整と水の巡りが「1:1」の人もいれば「1:2」の人もいたりするので、漢方薬もそれに合わせて選びます。
この時に「足が冷えたり、肩こりがきついから血の巡りが悪い」とか、「足がむくむから水の巡りが悪い」と単純な要素での決めつはダメです。
何度も言いますが、全身の症状や状態を総合的に判断していきます。
まとめ
西洋医学における卵巣嚢腫の原因、発生するメカニズムは、何もわかっていません。
単に観察して、がん化しそうなら手術で切除するというのが現状です。
そして卵巣嚢腫の破裂もがん化も、どんな要素でそうなるのかはわかっていません。
漢方の場合は、 『ホルモンの調整』、『水の巡りの調整』、『血の巡りの調整』 である3つの調整を行います。
そして、この調整も、水の巡りの悪さや血の巡りの悪さが、人それぞれ違うので、人それぞれに合わせる
といった感じです。
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