漢方薬相談ブログ

桂枝茯苓丸や当帰芍薬散は更年期障害の薬ではありません

桂枝茯苓丸や当帰芍薬散は更年期障害の薬ではありません

  1. 桂枝茯苓丸と当帰芍薬散狗の本来の効果
  2. 桂枝加竜骨牡蠣湯の本来の効果
  3. 病院などの原因を追求しない漢方薬の選び方
  4. 実際に更年期障害はどう治療するのか?
  5. 世間の医者やほとんどの漢方薬局は体質を分析できない

ネットで更年期障害に効く漢方薬を調べてみると、「桂枝茯苓丸」、「当帰芍薬散」、「桂枝加竜骨牡蠣湯」、「加味逍遙散」、そして「五苓散」。じゃんじゃん出てくるわ、デタラメな情報が…

漢方薬は体質に合わせて選ぶもの。なので、体質が一致すれば、これらの漢方薬を使う可能性もあるのですが、そもそも医者は体質を分析できません。

漢方薬の説明にある「効能又は効果」に更年期障害と書かれているのだから「治る!」みたいに勘違いしているんだと思います。

そもそも、漢方薬のところに書いてある病名や症状、実は何の意味もなくて、『漢方薬を医薬品として販売する上で設定されているだけ』で、その漢方薬を飲めば「その病気や症状が治る」ってわけじゃないのです。

そもそも更年期障害と言っても、人によって、症状は色々ですから、『更年期障害を治す効果』って具体的になんなんだよって思いませんか?

「熱くなくても汗がダラダラ出る人」もいれば、「汗は出ないけど便秘がきつい人」など、いろいろな症状の人がいるのですが、そんな人たちを全部まとめて治してくれるのでしょうか?

漢方薬、都合良すぎませんか。

であれば、なぜ何種類もの漢方薬が存在しているのでしょうか?

効能又は効果って「何をどう治すのか」ってことなのに、そこに病名しか書いてないのって、よく考えたら日本語として意味不明です。

ぜひ、処方された先生や、その漢方薬を紹介している販売会社に、『桂枝茯苓丸の効能効果の欄に更年期障害が書かれていますが、具体的に私の更年期障害の何をどう治してくれるのですか?』って質問してみてください。

絶対に答えられないと思いますから

なぜなら、あなた自身の更年期障害の具体的な症状については何も知らないし、根拠も理由もなくマニュアルをみて処方しているだけなので!

今回の動画では、桂枝茯苓丸、当帰芍薬散、桂枝加竜骨牡蠣湯など一般的に更年期障害でよく使うとされている一部の漢方薬の、本来の効果はどういうものなのか?

なぜ、それらが更年期障害を治す漢方薬ではないのか、を解説したいと思います。

また、更年期障害は、どんな漢方で、どう治すことができるのかもあわせて解説したいと思います。

桂枝茯苓丸と当帰芍薬散狗の本来の効果

桂枝茯苓丸と当帰芍薬散の本来の効果は2つ一緒に説明するとわかりやすいです。

どちらも血の巡りを良くするものなのですが、効果が正反対なのです。

桂枝茯苓丸の本来の効果は、『陽の駆瘀血』『降気』というもの。
「陽の駆瘀血」 とは、血に不要な熱が宿って、その熱のせいで血の巡りが悪くなっている血の巡りを良くします。
「降気」とは、気が上がりすぎて、肩から上に偏った気を体の下に下げて、体全体の気の巡りを整えます。

そして当帰芍薬散の本来の効果は、 『陰の駆瘀血』と言って、体が冷えて血の巡りが悪くなっているものを体を温めて血の巡りを良くします。
『補血』『利水』という血を増やしてくれることと、水の巡りを活発にする効果もあります。

重要なのは、桂枝茯苓丸と当帰芍薬散は、どちらも血の巡りを良くしてくれますが、『体質も効果も正反対』だということ。

どちらの処方も原因は違っていますが、結果的に「血の巡りが悪い」というのは一緒なので、効果は正反対のものとはいえ、選ぼうとする時の症状としての「頭痛」「肩こり」「足の冷え」「耳鳴り」などが共通しています。

つまり、単発的な症状からだけでは、桂枝茯苓丸と当帰芍薬散のどちらが自分に合っているかは、絶対に判別できません。

そして効果は正反対なので、選び間違えたら余計に体が悪くなってしまうのです。

医者やネットなどは、なぜ、体質判断もせずに桂枝茯苓丸や当帰芍薬散を更年期障害の薬だとして勧めることができるのでしょうか?

専門的にみた場合は「謎」でしかないですが、おそらく、ざっくりと血の巡りを巡らせば、勝手に治るとでも思っているのでしょう。

もちろん、そんなテキトーでいい加減な選び方で治るはずがありません。

ちなみに桂枝茯苓丸には、水の巡りを動かす力がほとんどないので、汗が異常に噴き出す人には、まず合ってないですね。

飲んでも無駄になるのではないかと思います。

僕が実際に更年期障害の方を治療してきた感じでは、桂枝茯苓丸の「降気」の効果だけでは、のぼせを抑えるのはちょっと力が弱いかなと思います。

当帰芍薬散に関しては、前提として冷えて血の巡りが悪くなっていることが条件で、温める効果があるので、今度は、『ホットフラッシュがある人』には合わないと思います。

もし、処方されているとしたら、さっき説明した通り、医者なんかはテキトーに選んでいるだけなので、考え直してもらった方がいいです。

その先生に体質を診断できる能力があれば、ですが…

桂枝加竜骨牡蠣湯の本来の効果

桂枝加竜骨牡蠣湯の本来の効果は、気を引き下げる「降気」、そして、腎の臓の気を補う「補腎」、水の巡りを良くする「利水」です。

気が頭に滞ると興奮性が増すので、眠れなくなります。

また寝つきだけでなく、夜中に目が覚めたりするので、不要な気を下げて自律神経の興奮性を鎮めるのですね。

腎の臓というのは東洋医学的に考える臓器で、腎の臓には、ホルモンの元になるようなエネルギーがあるとされているので、これを補ってあげます。

この気は、更年期障害に関わるホルモンというよりは、性欲を増す方に使います。

それも女性ではなく男性です。

更年期障害の人は既にホルモンが少なくなっている状態ですが、桂枝加竜骨牡蠣湯は、更年期障害になりそうな以前のホルモンが減る前の時に使うといった感じですね。

また更年期障害で不眠がある人に使うとしても、不眠しか症状がないのであれば、「それでは、なぜそれを更年期障害だと診断したのか?」という疑問が出てきます。

この場合、更年期障害ではなく不眠症の治療で考えたほうがいいですね

病院などの原因を追求しない漢方薬の選び方

病院やネットなどで説明されている「更年期障害に効く漢方薬」は、更年期障害という曖昧な状態に対して選ばれています。

でも、漢方ってそんないい加減なものではなく、実際にその人自身が、どんな症状に悩まされているのか?

それをじっくりと分析します。

冒頭でお話ししたように更年期障害といっても「ホットフラッシュがひどい」「汗が異常に出る」、「便秘になった」、「不眠気味」、「肩こりがひどい」これらの症状のいずれかがある人もいれば、いくつかの症状が重なっている人、もっと色々と症状がある人もいます。

また、漢方治療は、全身を調整していく治療ですので、「更年期障害+高血圧」があったり、「+逆流性食道炎」があったりすると、それらの状態も合わせて考えて、体質を分析して、漢方薬を選んでいく必要があります。

これを勘違いして、更年期障害は桂枝茯苓丸、逆流性食道炎に六君子湯(僕的にはありえないが)と症状ごとにバラバラに処方する先生もいますが、これは本当に大間違いです。

病院は婦人科、消化器内科など各科に分かれているので他の病気の兼ね合いを考えようがなく、漢方マニュアルの効能又は効果の欄に「更年期障害」と書いてあるから、という理由で処方しますが、漢方薬は、『必ず全身の状態を全部分析して、体質を診断し、その体質に対して漢方薬を選ぶ』のです。

実際に更年期障害はどう治療するのか?

それでは、『実際に更年期障害はどう治療するのか』を紹介したいと思います。

漢方薬は本来、西洋医学の病名とはなんの関係もなく、また症状ごとに合わせて選ぶものでもありません。

全身の症状や状態から体質を分析して、その体質にあわせて選びます。

体質を分析していくと、更年期障害だと言っても、人それぞれ原因が違いますし、他に持っている病気なども合わせて分析するので、本当に、誰一人同じ状態ではありません。

ですので、僕の治療経験では、その人の体質によっておよそ「40タイプの体質」にわかれます。

つまり、更年期障害という状態を治す漢方薬は「40種類」あって、そこから最も自分に合ってそうなものを選ぶのですね。

40種類の漢方薬の中には、先ほどの桂枝茯苓丸や当帰芍薬散、加味逍遙散、桂枝加竜骨牡蠣湯なども含まれます。

この中で自分に最も合っているものが選べれば、更年期障害に関係してそうな『あなたが悩んでいる症状』を治すことができるのです。

世間の医者やほとんどの漢方薬局は体質を分析できない

残念ながら、保険適用の漢方薬を処方している医者は、体質を分析できません。

その証拠に、全身の詳しい問診なんてとっていませんから。

最低限、やらないといけないことすらやってないのです。

更年期障害という病名は深く考えてみると、現実には誰にも当てはまらない病気に対して、テキトーに漢方薬を処方しているだけなのです。

そりゃあ効果があるわけがありません。

漢方薬で治したければ、ちゃんと『全身の問診』『あなた自身の原因(証)』『その原因をどんな漢方薬でどんな風に治すのか』を理論的に説明できる先生にお願いしないと時間とお金の無駄使いです。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方処方応用の実際:南山堂
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠⅡⅢ:薬局新聞社刊
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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