病院の薬と漢方薬の治療の違い(根本治療と対症療法)
病院の薬と漢方薬は、とんでもない違いがあります。
しかし、現状、医者の説明やネットの解説では、はっきりした違いがわからない人も多いのではないでしょうか。
「漢方薬は自然の薬だから安全?」みたいな、ぶっちゃけよくわからないところですよね。
実は漢方薬を処方している医者も漢方薬という商品を販売しているだけで、治療薬としては、何がどんな風に効いて治してくれるのか全くわかっていないことが多いです。
また、病院の薬もその使い方をみていますと、実はよくわかってないんじゃないかと思うことがあります。
当の医者がわかっていないっぽいですから、一般の方はもっとわからないですよね。
今回は、実はちゃんと知られていない、『漢方薬の治療って何なのか』を病院の薬の治療と比較しながら解説していきたいと思います。
2つの治療の違いをハッキリと知ることによって、自分の病気にとって、何が最適なのかを考えてもらえたらと思います。
病院の薬による治療はなぜ無意味?
「病院の薬による治療って、ほぼ意味のないものが多いのをご存知ですか?」
今回、炎上させたいわけではないので、誤解がないように説明すると、手術や外科的処置、救急救命や、病院の設備や特定の薬がないと、どうしても健康を維持できない状態、一部の感染症に関しては、病院の治療が最適です。
しかし、それ以外の病気に関しては、初期の例えば、3日前から頭痛があるなどの急性病以外は、正直、治療を受ける意味がないです。
つまり、特別な病気でなく、大半の人が悩んでいる、何年、何ヶ月と地味に続いている病気や症状は実質、治療できません。
特に風邪に関しては、熱を下げたり咳を止める薬は、市販のものでも効果は変わりませんので、わざわざ病院に行く必要がありません。
温かくして寝てるほうがマシだと思います。
なぜ、病院の薬による治療は、ほぼ意味がないのか?
それは、病院の薬は対症療法という『症状を一定時間だけ抑えるだけのもの』だからです。
そして、この効果は、どの病気に対しても、ほぼ同じです。
簡単に言うと病院の薬は『症状を誤魔化しているだけ』なのですね。
症状を誤魔化しているだけがなぜ、ダメなのか?
それは『症状は、その病気の原因ではない』ので治療が延々と終わらないからです。
病院の薬は症状を一時的にごまかすだけ
痛いとか、かゆいとか耳鳴りが鳴っているなどの症状ってすごい不快ですよね。
ですので、その症状をなくしてくれる薬って、なんだか治してくれたように感じます。
でも、そもそも『症状って、その病気の原因のことではない』のです。
例えば、アトピーの人は、湿疹とかゆみが抑えられれば、治ったように感じると思いますが、湿疹とかゆみを一定時間、抑えても、『湿疹とかゆみを発生させている原因』を治療しない限りは、延々と出続けます。
人間の体は、体内に何らかの原因があって、その不調を自覚させようとして症状を発しています。
車が故障した時に警告灯が点灯しますよね。
あれが人間で言えば、頭痛とか湿疹という症状です。
車の警告灯は、オイルが切れているとか、エンジンが熱すぎると故障を知らせるために警告を出してきますが、病院の薬は、『その警告灯をガムテープで隠す』みたいな効果です。
ガムテープで警告灯を隠せば、とりあえずは何もなかったように感じることができます。
(症状が一時的に治る)
とりあえず、かゆみを抑えたり、とりあえず、痛みを抑えたりすれば、何もなかったようになるのです。
ただし、原因は何も解決していないので、どこかで、エンジン停止などのツケを支払わされます。
なぜなら、いくら警告灯を隠したところで、原因は全くのほったらかしなのですから。
残念ながら、どんな病気に対しても病院の薬は、全てこういった対症療法となります。
急性病に限ってはなぜか病院の薬で治る
とはいえ、病院の薬で治ることもあります。
それはどんなケースかというと急性の場合の病気です。
2、3日前になったばかりの病気は、なぜか薬を飲み終わった後に治っています。
実は、薬理からすると非常におかしなことなのです。
なぜなら、薬の化学成分が症状を発生させないように、体内の働きを無理やり変えているだけで、尚且つ、その役目を担っている成分は一定時間が経てば、体の外へ出されるようになっています。
理論上は、薬の成分のおかげで、症状が抑えられていて、その成分は排出されるようになっているので、薬を飲めば、症状が治り、薬の排出がされれば、症状が復活するというのを繰り返すはずなのです。
(作用の理論上、症状が再発しないとおかしい)
でも、急性病に限りますが、時々、3、4日間、薬を飲むだけで根本的に治ることがあります。
これは化学理論的にありえないのですが、もしかしたら、薬を飲んでも飲まなくても自然治癒の力で治ったのかもしれません。
僕の西洋医学の師匠である外科医に聞いたところ、「確かに治ることがあるけど、生体構造と薬の構造的にはありえない」とおっしゃっていました。
いずれにしろ、薬は症状を止めるだけで、根本的な原因にはアプローチしませんので、理論的には治らないことが証明されているようなものです。
医者の出す漢方薬は間違った使い方をされている
漢方薬とはどんなものかを説明する前に、そもそも漢方薬は、一般的には間違って認識されています。
間違って認識されているというよりも、処方している医者や下手したら漢方薬を提供している某メーカーですらよくわかっていないというのが今の現状です。
漢方薬は、体質に合わせて選ぶものですが、そもそも『体質』が何なのか、漢方薬を出している医者も答えられないと思うし、『根本治療』といったって、何をどう治しているのかもわかっていないと思います。
では、どうやってみなさんに漢方薬を出しているのかというと、過去に漢方薬を普及させるために医薬品として販売することになった時に、『東洋医学を無視して体質を分析しないで、病気や症状に対応する」といった設定をしました。
そして、その勝手な設定を利用して、医者がマニュアルを見て病名や症状に対応させて選ぶのが当たり前になってしまいました。
病院の薬の場合は、有効成分というものがわかっていて、それが症状を抑えるのですが、『漢方薬に有効成分というものはありません』
ですので、現状では、漢方薬のマニュアルの効能効果の欄に病名や症状が書かれていますが、有効成分はないので、具体的には何がどう効いているのか、まったくわからないという、とても曖昧でテキトーな感じになっているのです。
病院の薬と漢方薬は治療の種類が全く違っている
もちろん、漢方薬は本来はそんな曖昧なものではありません。
本来は、体質を分析して、その体質に対して、最適な漢方薬を選びます。
当たり前ですが、体質を分析する方法は漢方が誕生した2千年前には、すでにありました。
まさか、当時、適当に選んでいたわけではないので。
病院の薬と漢方薬の大きな違いは目的です。
病院の薬の目的は、『症状を一定時間だけ抑える』ことですが、漢方薬の目的は『根本的な問題を解決すること』
先ほどの話を思い出してもらいたいのですが、「頭痛」や「めまい」という症状は、体内の不調の原因を知らせる警告灯のようなものです。
漢方薬には、症状を抑える効果や成分は存在しません。
漢方薬は、症状を発生させている根本な原因を治します。
例えば、男性でじゅくじゅくしたアトピーの人なら、胃腸の問題と腎臓に関わるおしっこの問題が重なって起こっていると考えて、胃腸と腎臓を治します。
アトピーを根本的に治すには、皮膚だけでなく、消化器内科と泌尿器科にもかからないといけないような感じですね。
しかも、それを一人の先生でやってもらわないといけません。
そもそも、その人のアトピーの根本的原因が、胃腸の問題や腎臓の問題だったりするので、根本的原因が良くなれば、結果的に湿疹やかゆみは治ってくるわけです。
また、ある女性で強い赤みのあるアトピーの人は、肝臓と血の巡りの問題が重なっていることが原因の場合、肝臓の不要な熱を鎮めて、血の巡りを促すことによって治します。
2人は、同じ「アトピー」という病名ですが、体質として見た時は、全然違う病気みたいなものですし、体質も違えば、選ぶ漢方薬も違ってきます。
ですので、『アトピーに効く漢方薬』とか『めまいに効く漢方薬』など、特定の病気や症状に効く漢方薬など存在しません。
葛根湯は、風邪として使うこともあれば、体質によっては、蕁麻疹の薬として使うこともあるのですね。
いわば、病名や症状なんか、何の関係もなく、その人個人の体質に効く漢方薬を探す必要があります。
漢方薬は体質に合わせて選ばないと効かない
病院、ドラッグ、下手したら大半の漢方薬局もまるで漢方薬にも病院の薬のような特定の有効成分が症状を抑えてくれるかのように勘違いして出していますが、漢方薬を選ぶ際には、病名や症状は何の関係もありません。
あくまで『あなたの体質は何なのか?』になってきます。
さきほどのアトピーの方の話のように、病名や症状がわかっていても、結局、体質はひとり、ひとり、全然違ってくるので、病名が同じでも選ぶ漢方薬は全く違ってくるのですね。
症状を一定時間だけ抑えるけど、続けても根本的に治らない病院の薬。
原因を根本的に治して、結果的に症状がなくなっていく漢方薬。
場面に応じて使い分けるものではないかと思います。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社