漢方薬相談ブログ

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腰痛や膝痛、肩の痛みに効く漢方薬

  1. 腰痛や膝痛、肩の痛みに効く病院の薬
  2. 腰痛や膝痛、肩の痛みに効く漢方薬
  3. なぜ体質から選ばないといけないのか

芍薬甘草湯麻杏薏甘湯が、『関節の痛みに効く漢方薬』かのように説明されていることがありますが、これは漢方薬に対する大きな誤解です。

病院の関節炎の治療は、結局は、一時的な痛み止めを出すだけになっています。

そして、漢方薬で関節炎を治療する場合、本来は、人それぞれの原因を分析して、(これを体質とも言います)その原因を治すことによって、結果的に痛みがなくなり、関節が動くようになります。

つまり、原因を分析して、その原因に合わせて漢方薬を選ばないと効果を発揮しません。

しかし、医者は、ほぼ100%、ほとんどの漢方薬局の先生達も、原因を分析できないので、芍薬甘草湯や麻杏薏甘湯に鎮痛効果があるかのように勘違いして、選んでいるようです。

残念ながら、芍薬甘草湯や麻杏薏甘湯に鎮痛効果があるわけではなく、鎮痛成分が含まれているわけでもないので、腰痛や関節の痛みという病名や症状にあてはめて選ぶような、いい加減な方法では、「漢方薬を結構、飲んでいるけど、効果がわからない」とう感じに陥ります。

本来の漢方の世界では、病名や症状から選ぶ方法は、存在しないのです

このいい加減な方法は、なんと、漢方薬メーカーであるツムラやクラシエでも、表立って体質のことには触れずに、まるで、ある病名に効く漢方薬があるかのように解説されています。

今回は、芍薬甘草湯や麻杏薏甘湯以外にもある、人それぞれの腰痛や膝痛、肩の痛みの原因に効く漢方薬を紹介します。

また、なぜ、漢方では、腰痛や膝痛、肩の痛みの場合も、その病名ではなく、体質に合わせて選ばないと効果がないのかも説明していきたいと思います。

腰痛や膝痛、肩の痛みに効く病院の薬

漢方薬の説明の前に、そもそも病院で腰痛や膝痛、肩の痛みに使う薬はどんなものがあるのでしょうか?

病院での治療は、ほぼ鎮痛剤一択です。

湿布も使いますが、湿布も温める、冷やす以外の湿布は鎮痛薬の湿布になります。

目的は、痛みを抑えること。

確かに腰痛や膝痛、肩の痛みなど、メインになる症状は「痛み」ですが、何が難儀って、『痛みを止めても、根本治療にはつながらないこと』です。

この辺りは、本当に注意しないと病院に行って、レントゲンを撮ってもらって、鎮痛剤をもらうと、いかにも治療している気分になりますが、痛みというのは、「軟骨がすり減っている」とか「筋を痛めている」という状態を「痛み」によって知らせているだけなのです。

確かに痛みは辛いですが、警告サインでしかないので、それを抑えたところで治療にはつながりません。

それどころか、そもそも痛みは、体を動かさないで修復力を高めるように仕向けているのですね。

鎮痛剤を使えば、痛みがなくなるので、ある程度、その場所を動かせるようになります。

こうなると本末転倒、修復するためにじっとしてもらおうと思っているのに、動かしちゃう。

自然治癒力からみると痛み止めは、ある種、『根本治療の邪魔』をしているわけです。

膝の痛みに関しては、鎮痛剤だけでなく、膝にたまった水を抜いたり、ヒアルロン酸を注射して、骨との摩擦を和らげてくれたりしますが、どれも効果は、一時的で、すぐにまた悪くなります。

本当の原因とは何ら関わりがないので、まさにその場だけ一時的になんとかする対症療法なのです。

次にブロック注射があります。

痛みが発生している付近の神経に麻酔薬を注射して、痛みが伝わらないようにします。

痛みを直接、遮断するので、中には劇的に痛みが、ほぼなくなる人もいますが、これも要は鎮痛剤とやっていることは同じです。

『痛みを止めているだけ』

関節炎は、筋や筋肉、骨や軟骨の損傷によって痛みが発生しますが、痛みは単なるダメージを受けた箇所を知らせる役割だけなので、痛みを止めたところで、ダメージは修復されません。

そして、理学療法というものがあります。

関節の機能を取り戻すためのリハビリですね。

これは、実はすごく効果的ですし、根本治療にもつながります。

ただし、問題もあります。

それは、関節の痛みなんて、それこそ、人それぞれ色々違うので、一人一人に対して治す計画を綿密に立てないといけないと思うのですが、現実は、そこまで細かく対応されていません。

僕も実際、昔に靭帯を断裂した時に理学療法を受けたことがあるのですが、医者から体の状態の連絡が入ってないし、時間が15分だったか、決まっているのですが、とてもじゃないけれど、治療としては時間が短すぎ!

そもそも、コンディションを説明するだけで5分くらい使って、後はほとんど時間が残ってないのです。

僕の印象では、病院のリハビリは、形式上は「やってなくもない」という感じで、本気で理学療法で治そうと思ったら、『もっと一人の人に時間を使わないといけない』のではないかと思いました。

でも、保険適用で安くでいるので、多分、次から次へと患者さんが来ると、短い時間でさばかざるえないのかもしれません。

ちなみに結構、通いましたが、ほとんど効果がなかったです。

まとめると、腰痛や膝痛、肩の痛みを病院で治療する場合は、痛みを抑えることくらいしかできなくて、ダメージを受けた箇所は、結局は、自然治癒力に任せていると言った感じです。

それだと、根本治療につながらないので、苦し紛れにマニュアルだけをみて、医者自身が効くと思っていないし、効く根拠も分かってない漢方薬をテキトーに出しているとういのが現状です。

腰痛や膝痛、肩の痛みに効く漢方薬

腰痛や膝痛、肩の痛みに効く漢方薬は、芍薬甘草湯や麻杏薏甘湯以外に68種類くらいあります。

漢方薬は次のものとなります。

葛根湯、桂枝葛根湯、葛根黄連黄芩湯、桂枝加竜骨牡蠣湯、桂枝加附子湯、甘草附子湯、附子湯、桂枝加芍薬知母湯、五積散、鳥頭湯、越婢加朮湯、薏苡仁湯、二朮湯、麻黄湯、麻黄附子細辛湯、麻杏薏甘湯、大防風湯、芍薬甘草湯、芍薬甘草附子湯、疎経活血湯、真附湯、八味丸、六味丸、牛車腎気丸、補陰湯、三黄瀉心湯、荊芥連翹湯、半夏瀉心湯、甘草瀉心湯、生姜瀉心湯、防風通聖散、呉茱萸湯、半夏白朮天麻湯、五苓散、桂枝加苓朮湯、桂枝加苓朮附湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、四逆湯、半夏厚朴湯、鈎藤散、香蘇散、大柴胡湯、小柴胡湯、四逆散、柴陥湯、柴朴湯、柴胡桂枝湯、柴胡桂枝乾姜湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、柴胡疏肝散、加味逍遙散、補中益気湯、防已黄耆湯、清湿化痰湯、六君子湯、人参湯、小建中湯、黄耆健中湯、十全大補湯、四物湯、温経湯、四君子湯、桃核承気湯、通導散、桂枝茯苓丸、治打撲一方、当帰芍薬散、延年半夏湯、烏薬順気散、苓姜朮甘湯

単体の処方だけで70種類くらいあります。

なぜ、これほど、種類があるかというと、「水の巡りの問題」、「血の巡りの問題」など、人それぞれ違う原因に合わせられるようになっていますし、そのほか、年齢によって自然治癒力の修復能力が変わってきますので、それに細かに合わせられるようになっています。

また、腰痛だけ。や肩の痛みは首にも響いている。とか、首も肩も腰も痛い。など、その組み合わせによって、使う漢方薬は変わってきます。

人によって、原因、状態が全く違ってきますので、それに合わせて、2つの漢方薬を合わせたりもしますので、候補となる漢方薬は、実際は、70種類より多くなり、そこから自分に合った漢方薬を選ぶ感じです。

芍薬甘草湯や麻杏薏甘湯は、この中の一部でしかありません。

『腰痛や膝痛、肩の痛みに効く漢方薬』があるのではなく、『腰痛や膝痛、肩の痛みで使うこともある漢方薬』があるのです。

最終的には腰痛や膝痛、肩の痛みという病名や症状ではなく、原因に合わせて漢方薬を選びます。

ですので、全身の症状や状態から原因の分析もしないで、膝の痛みだからって、麻杏薏甘湯を飲んだって、原因と合っていなければ、無意味となります。

「漢方薬を飲んでいるけど、効果がよくわからない」とよく思われるのは、そもそも医者などが、ちゃんと選んでいないからです。

いわば、あてずっぽうで選んだ漢方薬を飲んでいるから効果がないのは当たり前。

本来は、70種類の中から、たった1つの漢方薬に絞らないといけないし、漢方薬で関節炎を治療する場合は、鎮痛効果で痛みを止めることではなく、筋や骨、筋肉のダメージ自体を治療し、肝心のダメージが治るから痛みがおのずとなくなっていくのです。

例えば、芍薬甘草湯は、気や筋肉の緊張を緩めることが目的なのですが、痛みの原因が筋や骨のダメージの場合は、全く効きません。

原因を考えずに「腰痛」という病名だけで、70種類の漢方薬の中から選べるわけがないのですね。

それだと、もはや、「どれでもいいじゃん!」ってレベルになります。

これだけの数の中からあなたにあった1種類の漢方薬を選ぶためには、腰痛の状態だけでなく、『全身の状態、全部から体質を分析』して、原因を探し出して、漢方薬を選んでいきます。

なぜ体質から選ばないといけないのか

病院の治療は、問題の先送りです。

痛みだけを抑えても、原因は何も変わらないので、通っても通っても、治りません。

そうこうしているうちにひどくなって、手術をすすめられるだけ。

痛みは筋肉の緊張だけでなく、筋や筋肉が痛んでいたり、骨が痛んでいたりして発生しています。

痛み自体を無理やり抑えるのではなく、ダメージを受けている部分をどうするのかを考えないといけないのです。

腰痛といっても、「腰全体が張って、重くて痛い人」や、「腰のある箇所に、するどい痛みがある人」

「膝を曲げたら痛い人」、「膝がひどく浮腫んで痛い人」

「肩を動かすと痛い人」や「肩から手まで痺れている人」

本当に人それぞれ体の状態が違ってきます。

漢方薬は、痛みを抑えることが目的ではないので、痛んでいる箇所や全身の血の巡りや水の巡りの状態から、原因を分析していかないといけません。

病名や症状的に腰痛や膝痛、肩の痛みであっても、細かにみていくと状態や原因が全く違うので、治し方も変わってくるのですね。

漢方薬で治療すれば、結果的に痛みはなくなっていきますが、本来の目的は関節炎になっているダメージを修復して、この先、ずっと痛みがなくなることです。

70種類も使う漢方薬があるわけですから、どの漢方薬が自分に合っているかを決めるのは、人それぞれの状態の違いなんですね。

ですので、腰痛や膝痛、肩の痛みも、人それぞれの体質をしっかりと分析して、それに見合った漢方薬を選ばないと意味がないのですね。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方処方応用の実際:南山堂
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠⅡⅢ:薬局新聞社刊
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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