漢方薬相談ブログ

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花粉症の10タイプの原因

  1. 小青竜湯は花粉症の漢方薬ではない
  2. 病院の花粉症の薬と漢方薬の違い
  3. 花粉症の原因
  4. 花粉症の10個の原因
  5. まとめ

今年は、早くも花粉が飛散しているようですね。

小青竜湯が、花粉症に効く漢方薬だと勘違いしている人が多いですが、漢方薬は、人それぞれの体質に合わせて選ぶものなので、誰の花粉症にも効く漢方薬というものはありません。

本気で、漢方薬で花粉症を治そうと思ったら、小青竜湯だけでなく、色々な漢方薬があります。

今回は、花粉症の原因にはどういったものがあるのか、花粉症の10タイプの原因を解説したいと思います。

また、小青竜湯を飲んでも花粉症が、ちっとも治らなかった方は、ぜひ、読んでいただければ、なぜ、効かなかったがわかるようになると思います。

小青竜湯は花粉症の漢方薬ではない

小青竜湯が、花粉症に効く漢方薬のように思われていますが、漢方薬は、本来は病名や症状から選ぶことはありません。

では、なぜ、小青竜湯が花粉症に効く薬だと勘違いされているのは、おそらく、小青竜湯の添付文書に「効能又は効果」の欄に水様鼻汁とか、くしゃみと書いてあるので、それらに効くものだと勘違いして処方しているのだと思います。

そもそもの勘違いなのですが、この「効能又は効果」に書いてある症状を治すというわけではありません。

なぜ、「勘違いしてしまっているのか?」

その理由は、こちら

漢方薬が効かない理由を徹底解説!病名や症状から選んでも効くわけがない!

をお読みいtだけたらと思います。

とにかく、漢方薬で重要なのは、その症状の原因が何なのかを分析して、その原因に合わせて選ぶというもので、本来の選び方から考えれば、人それぞれの原因別で、36種類くらいあります。

小青竜湯というのは、その36種類のうちの1つでしかありません。

もちろん、あなたの花粉症の原因が、小青竜湯の効果と合えば、効果がありますが、他の35種類の原因であれば、いくら飲み続けても治りません。

自分の花粉症の原因は何なのか?

それを分析して、選んでいく必要があります。

病院の花粉症の薬と漢方薬の違い

漢方薬と病院の薬と決定的に違うところは、病院の薬は、鼻水やくしゃみなどの症状を一時的的に抑えることを目的にしていて、漢方薬は、鼻水やくしゃみなどの症状の原因を治すことを目的にしているところです。

病院の薬は、飲んでから数時間だけ、鼻水やくしゃみを抑えてくれます。

時間が経って、効果が切れると症状は元通りとなります。

そして、どんな体質であろうと、ある程度、症状を抑えてくれます。

よく勘違いされることが多いですが、病院の薬は、1回毎の効果で、効果が積み重なっていくわけではないので、飲んだ都度、「数時間だけ抑えてくれて、その後、元通り」を繰り返すので、1年間、飲み続けても、1年前に最初に飲んだ時と体の状態は何ら変わりません。

何だったら、薬に慣れて、花粉症はより強くなっているかもしれません。

少なくとも肝臓には負担がかかっています。

一方、漢方薬は、効いてくるにしたがって、段々と症状が弱くなっていきます。

効果は、飲んでいる期間だけ、積み上げられるので、体質的に良くなって、終いには、その漢方薬をやめても花粉症の症状が出ないなんて状態になります。

ただし、自分の花粉症の原因と合っているかどうかがポイントになります。

自分の花粉症の原因と合っていなければ、10年飲んだって、体質は変わりません。

病院の薬は眠気などの副作用もあるので、小青竜湯だけで治していきたいと思っても、あなたの花粉症の原因が小青竜湯の効果と合っていなければ、飲み続けても意味がありません。

また、ある時期だけ、症状がひどいのであれば、ひどい時は、一時的に症状を抑えるために病院の花粉症の薬を飲んで、普段は、漢方薬を飲んでいくという方法もあります。

とにかく、漢方薬の場合は、小青竜湯が花粉症に効く漢方薬ではなく、自分の花粉症の原因が何なのか?を分析する必要があります。

花粉症の原因

医者やネットの情報では、病名や症状からあてはめて漢方薬が選べるという間違った情報が広がっていますが、本来の漢方で、病名や症状から選ぶ方法は存在しません。

花粉症といっても、1月から、水鼻が出る人もいれば、4月、5月だけ目がかゆくなるとか、1月から5月まで、目もかゆいし水鼻もひどいという人もいたり、片方は水鼻が出て、片方は常に詰まると言う人もいます。

要は、細かくみると、色々な状態の人がいるのですが、それらをまるっとまとめて花粉症といっています。

そして、花粉症には小青竜湯みたいな感じのマニュアルにしているのですが、いろいろな状態はの人は、当然、原因も色々と違うので、漢方的には、それらの人をまるっと「花粉症」にされても困るわけです。

漢方の場合は、花粉症に効く漢方薬という感じのものはありません。

花粉症も含めて、いろいろな鼻炎の人の原因を分析して、その原因に合わせて選びます。

それでは、花粉症や鼻炎の人の原因やそれに使われることのある漢方薬を紹介します。

花粉症の10個の原因

1皮膚表面や上半身が冷えていることが原因
皮膚表面や上半身が冷えていることが原因で、鼻水やくしゃみなどが発生しているタイプです。

鼻水やくしゃみなどの割合が多く、鼻水は、水のような粘りのないことが多く、目のかゆみはあまりなかったりします。

体質改善的に使われるのではなく、対症療法的に使われることが多いです。

温める効果があるので、4月、5月の花粉症に使うことはあまりありません。

使われる漢方薬は、大青竜湯、麻黄湯、葛根湯、葛根湯加川芎辛夷、小青竜湯、桂枝湯などです。

2体の水の巡りが悪いことが原因
体全体の水の巡りが悪いことによって、水と滞り、目に滞っているとかゆくなり、鼻に滞っているとくしゃみや鼻水を発生させるタイプです。

粘りのある鼻水よりも水鼻になることが多いです。涙も出やすいです。

オシッコが多かったり、夜中のオシッコがあったり、むくみやすかったりといった症状があります。

使われる漢方薬は、麻杏薏甘湯、五苓散、薏苡仁湯、防已黄耆湯です。

3冷えが原因
体が冷えていて、冷えが原因で鼻水が発生しているタイプです。

粘りのない水鼻が多いです。

手足の冷えや、周りの人よりも寒がりだったり、風邪をひきやすかったりします。

使われる漢方薬は、苓甘姜味辛夏仁湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、麻黄附子細辛湯、甘草附子湯、茯苓四逆湯です。

4水の巡りの悪さと不要な熱のこもりが原因
体の水の巡りが悪く、それに加えて肩から上に不要な熱のこもりが合わさったタイプです。

鼻水は水鼻の時もあれば、粘りある色のついた鼻水だったり、目の痒さが出てきます。

のぼせやすかったり、唇が乾燥しやすかったり、ふけが出やすい、喉を痛めやすいなどの症状があります。

使われる漢方薬は、麻杏甘石湯、五虎湯、越婢加朮湯です。

5体力がないことが原因
体力がないことで、体の水分を保持する能力が落ちて、それが、鼻水やくしゃみ、涙などにつながります。

水鼻や涙がでやすかったりします。

疲れやすかったり、長く寝ないと体力がもたない、食が細いなどの症状があります。

使われる漢方薬は、小建中湯、十全大補湯です。

6胃腸に水がたまっていることが原因
胃と腸に余分な水がたまっていて、その水が鼻水や涙などにつながっています。

胃がぽちゃぽちゃとなったり、軟便や下痢になりやすかったりします。

使われる漢方薬は、平胃散、小半夏加茯苓湯、人参湯、二陳湯です。

7肩から上に熱がこもっていることが原因のタイプ
肩から上に不要な熱がこもって、それが原因で、粘りの強い鼻水や鼻詰まり、目のかゆさなどの症状があるタイプです。

水鼻よりも片方は詰まって、片方からは、粘った鼻水が出てきます。

目や鼻がかゆくてしょうがないという感じになります。

のぼせやすかったり、夕方に目が赤くなる、肩こりが強いなどがあります。

使われる漢方薬は、黄連解毒湯、辛夷清肺湯、桔梗湯、荊芥連翹湯、十味敗毒湯などです。

8肝臓に熱がこもってアレルギー反応が高くなっていることが原因のタイプ
漢方では、肝臓では肝の臓と呼びます。

西洋医学の肝臓とよく似ていますが、一緒ではありません。

肝の臓は、アレルギー反応と深く関わってる臓となります。

この臓は熱が滞りやすく、熱が滞るとアレルギー反応が高くなります。

アレルギー反応が高まると、鼻水やくしゃみ、目のかゆみが発生しやすくなります。

これが原因の方は、1月〜3月よりも4月、5月がひどくなる傾向があります。

湿疹ができやすい、のぼせ、肩こり、イライラするなどがあります。

使われる漢方薬は、柴胡桂枝湯、加味逍遙散、逍遙散、柴胡桂枝乾姜などです。

9血の巡りの悪さと水の巡りの悪さが重なっていることが原因のタイプ
血の巡りの悪さと水の巡りの悪さが重なっていることが原因のタイプです。

女性の場合は、月経と花粉症の関連もあったりします。

水鼻、くしゃみが中心的で、手足の冷えや月経不順などがあります。

使われる漢方薬は、当帰芍薬散です。

10.便秘が原因のタイプ
漢方では便秘は、タイプによって花粉症の原因になります。

熱が原因なので、水鼻というよりは、目のかゆみの症状が多かったりします。

便秘だけが原因ではない場合も多いので判断は慎重に。

使われる漢方薬は、大黄甘草湯などです。

まとめ

実際は、花粉症の症状である、鼻水やくしゃみ、目のかゆみだけで、どの原因かを分析はできません。

それぞれの原因で、例に出している症状は、あくまで特徴的な症状をあげているだけで、実際は、全身の症状と状態から判断します。

ざっくりと大きく分ければ、水鼻、涙の冷え、水系の原因と粘りのある鼻水、鼻つまり、目頭の痒みなどの熱系の原因にわけられますが、実際は、その時の気温や湿音によって、症状が変わったり、どの症状も出ている人もいます。

また、今回、紹介した10個の原因も、代表的な原因を紹介しましたが、実際は、水の巡りが悪いことと、肝臓に熱がこもっていることの2つが合わさっていたりしますので、花粉症を漢方薬で治す場合は、全身の症状や状態を分析して、あなた自身の花粉症の原因を探し、その原因に合わせた漢方薬を選びます。

ちなみに小青竜湯は、冷えと水の巡りの悪さが原因で花粉症の症状が出ている人に合うものなので、寒い時期の花粉症に合うことが多く、春先などの花粉症は、熱の問題のことが多いので、合わなくなっていることが多いなど、自分の体質が外気によってどう変わっているかなども分析する必要があったりします。

誰の花粉症にでも効く漢方薬というものは存在しませんので、ご注意ください。

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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ 漢方概論:創元社
◯ 漢方方意ノート:創元社
◯ 漢方臨床ノート(論考編):創元社
◯ 金匱要略ハンドブック:医道の日本社
◯ 傷寒論ハンドブック:医道の日本社
◯ 素問:たにぐち書店
◯ 漢方治療の方証吟味:創元社
◯ 中医診断学ノート:東洋学術出版社
◯ 図説東洋医学:学研
◯ 中国医学の秘密:講談社
◯ 陰陽五行説:薬業時報社
◯ まんが漢方入門:医道の日本社

ブログの著者 国際中医師 松村直哉

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