麻杏薏甘湯はどんな効果?本当に関節の痛みに効くの?麻杏薏甘湯の本来の効果と副作用
病院では、ツムラの78番でよく出されている麻杏薏甘湯。
「麻杏薏甘湯を飲み始めたけれど、効果がよくわからない。これ、本当に効いているの?」
こんな方は、結構、いるのではないでしょうか?
麻杏薏甘湯は、膝の痛みや肩や腰の痛みなどの関節痛のある方に効果的ですが、実は『どんな人の関節痛にでも効く』というわけではありません。
『漢方薬は体質に合わせないといけない』という話は聞いたことがあるかと思います。
漢方薬は、麻杏薏甘湯の効果とあなた自身の体質が合った時に、初めて効果を発揮します。
「膝の痛み」や「腰痛」があり、なおかつ、『麻杏薏甘湯の持っている効果が合う体質』であれば、抜群に効果を発揮しますが、「麻杏薏甘湯の効果と自分自身の体質」が合わなければ、「膝の痛み」や「腰痛」には全く効果がありません。
国際中医師で日本漢方家の松村です。
大阪であらゆる病気の漢方相談をさせてもらっています。
今回は、どんな体質の人やどんな状態であれば、麻杏薏甘湯が効くのか?
また、麻杏薏甘湯の効果とはどんなもので、なぜ、その効果だと、「膝の痛み」や「腰痛」が治るのかを解説します。
そして、その副作用を解説します。
麻杏薏甘湯の効果
麻杏薏甘湯には、病院の薬のような、関節の痛みを抑える有効成分は含まれていません。
麻杏薏甘湯の成分というか、構成されている生薬は、他の漢方薬でも使われているものばかりです。
麻杏薏甘湯の本来の効果は、
1滞っている水を巡らせる効果
手足や関節に滞っている水を強い利水効果で巡らせます。
2熱を鎮めて乾燥している状態を潤す効果
午後からの微熱や熱感、皮膚の乾燥などの熱感と乾燥を治す。
3皮膚表面を温める効果
皮膚表面などを冷やされた状態を温めていきます。
なぜ、麻杏薏甘湯の効果がわからないのか?
病院やネットでは、『麻杏薏甘湯は「膝の痛み」や「腰痛」に効く』みたいに漠然と説明されていますが、詳しくみてみると『具体的にどんな効果で治すのか』には一言も触れられていません。
「なんか、麻杏薏甘湯は、「膝の痛み」や「腰痛」に良い」とフワッと説明されているだけ。
もちろん、漢方薬は「飲んでいれば、なんとなく治してくれるよ」なんてものではありません。
漢方薬の効果は、何かの有効成分が効くわけではないのですが、医者は恐らく、全くどんな効果があって効くのかがわかっていなくて、単にマニュアルに「膝の痛み」や「腰痛」と書いてあるから…という、いい加減な理由で処方していると思います。
その証拠にどんな効果なのか?を聞いてみれば、明確に答えられないと思います。
本来の漢方薬の効果は、難しそうですが、実はわかっってしまうと単純な効果で、「関節周辺の水の巡りを巡らせる」というもの。
麻杏薏甘湯は、⭐️4種類の生薬で構成されていますが、主役となる効果は、温めて水を巡らせて関節の痛みを治すものなので、あなたの関節の痛みの原因が、冷えと水の滞りでなければ、全く効果がありません。
関節の痛みには、人それぞれ、色々な原因がありますが、漢方薬を選ぶ際の問題は、自分の関節の痛みの原因が、「不要な水が溜まっているのか?」、「不要な熱がこもっているのか?」、「血が巡っていないからなのか?」の分析が難しいこと。
ちなみに「膝の痛み」や「腰痛」で使う漢方薬は40種類以上ありますので、その中から自分の原因に合ったものを選びます。
越婢加朮湯、麻杏薏甘湯、薏苡仁湯、二朮湯、防已黄耆湯、疎経活血湯、真附湯、麻黄湯、小青竜湯、桂枝加朮附湯、麻黄附子細辛湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、五積散、大防風湯、芍薬甘草附子湯、四逆湯、八味丸、六味丸、牛車腎気丸、桃核承気湯、通導散、治打撲一方、桂枝茯苓丸、四物湯、八珍湯、温経湯、当帰芍薬散、十全大補湯、大柴胡湯、四逆散、柴胡桂枝乾姜湯、加味逍遙散、防風通聖散、四君子湯、六君子湯、人参湯、補中益気湯、桂枝加芍薬知母湯、五積散、苓姜朮甘湯、烏頭湯、小建中湯。【終わり
越婢加朮湯、麻杏薏甘湯、薏苡仁湯、二朮湯などなど漢方薬は、原因に合わせて選ぶので、つまり、膝の関節の痛みや腰痛でも人によって原因が40パターン以上に分かれるということになります。
漢方薬を選ぶ際には、同病異治という大原則があります。
これは、同じ⭐️関節痛とか腰痛であっても、選ぶ漢方薬は異なってくるということ。
もちろん、関節の痛みの原因が、水の巡りの悪さではなく、血の巡りの場合は麻杏薏甘湯はちっとも効きませんが、では、冷えと水の巡りの原因であれば、麻杏薏甘湯が効くのか?というと、そうでもありません。
麻杏薏甘湯の効果は温めることと、水を巡らせる効果がありますが、先ほど、紹介した関節の痛みに使う漢方薬の中には、温めることと水を巡らせるという同じような効果があるものが何種類もあります。
同じような効果のものと麻杏薏甘湯との違いは、温めたり、水を巡らせたりする効果のレベルがどれくらい必要なのかで変わってきます。
漢方の場合は、大は小をかねませんので、巡りがかなり悪くなっている人にはいきなりドバーッと強く水を巡らせると余計に巡りの偏りが起こって、関節の痛みがひどくなったりします。
高速道路の渋滞を解消するのに、各車のスピードを上げたところで、ある箇所での渋滞が余計にひどくなっていくだけみたいなものですね。
重要なのは、全体的にバランスよく巡らせること、あなた自身の水の巡りの悪さと冷えの悪さのレベルに合わせること。
また症状の強さだけでなく、麻杏薏甘湯の合う状態である、水の巡りの悪さ、冷えがある、熱と乾燥がある。という3つの状態に合うのかも考える必要があります。
体内に3つの状態があり、それを治す3つの効果が合うことを『体質と漢方薬が合う』ということになってきます。
医者は「膝が痛い」とか「腰が痛い」という症状だけを聞いて麻杏薏甘湯を出していることが多いので、これでは、何の根拠もなく、効果があるほうがおかしいのです。
「膝の痛みは、どんな時に起こるのか?」
「足はむくみやすいのか」
「オシッコやむくみなどから体全体の水の巡りの悪さはどうなっているのか?」
「手足は冷えやすいのか?」
「肌が乾燥しやすいのか?」
「のぼせやすいのか?」
などなど、色々と聞いて、麻杏薏甘湯の3つの状態と3つの効果が合うのかを考えないと治りません。
「膝の痛み」だけで選んで効果がある方がおかしいのです。
そして、さらに麻杏薏甘湯が合うかどうかの条件があります。
病位の時間の経過と飲めるかどうかのレベル
漢方薬は、「麻杏薏甘湯の3つの効果と自分の体が、その3つの状態であるのか?」だけでなく、病気になってから、どれくらいの期間が経っているのか?と、どの程度のレベルの漢方薬が飲めるのか?というものも見ていく必要があります。
病気になってからの期間には、5つのステージがあり、病気が始まってから、弱りきって、その病気で死んでしまうまでの期間によって、飲む漢方薬が分けられています。
麻杏薏甘湯は、少陽病といって病気が始まってから、2番目のステージで使うようにされている漢方薬で、期間的に言えば、関節の痛みなどが発生してから、しばらくしてから慢性期に使うものとされています。
ただ、厳密に何ヶ月以上経っていたらというものではなく、1つの目安なので、この辺りの分け方は、漢方医の経験がポイントになってきます。
そして、『どの程度のレベルの漢方薬が飲めるのか?』というのは、漢方薬の成分のようなものである生薬をみて、その生薬の効果の強さや負担率から考えていきます。
例えば、麻杏薏甘湯には、麻黄という生薬が含まれ、麻黄は効果が高いですが、胃にさわりやすいです。
いくら効果が高くても、胃にさわったりすれば、効果を得ることができないので、意味がなくなります。
ですので、自分の体の状態のレベルにあった漢方薬を飲む必要があります。
インフルエンザで40℃近い熱がある時に、いくらエネルギーがあるといってもステーキなんて食べないでしょ?
麻杏薏甘湯は、実証といって、関節の痛みなどが強かったり、体力がある人が飲むものなので、関節の痛みがあるけれど、かなり体力がなかったり、胃腸が弱い人には合いませんので、そういった状態の人には効果がありません。
麻杏薏甘湯の副作用
漢方薬の副作用は、病院の薬のように薬ごとに決まっているわけではなく、体質と合っていなければ、副作用を起こします。
例えば、あなたの関節の痛みの原因が、実は血の巡りの悪さが原因で起こっているのに水の巡りの悪さで起こっている場合に麻杏薏甘湯を飲むと、水の巡りが実は悪くないのに、水の巡りを活性化しようとするわけです。
こうなると、普段のあなたの水の巡りのペースを無視して、漢方薬が水の巡りを活性化して、その影響は徐々に体全体に及んでいきます。
そうなると水の巡りのバランスが変わってしまい、足のむくみや顔のむくみ、夜中のオシッコが出現するようになってきたりします。
漢方薬は病院の薬と違って、症状を抑えるものではありません
良いも悪いも変化を与えるものなので、単純に言えば、熱中症みたいな不要な熱がこもっている人に温める漢方薬を飲んでもらったら、余計にひどくなって副作用になるのです。
そして、病名や症状から漢方薬を選んでいる医者などは、患者さんの体質は全く分析していないので、そもそも合っているかどうかがわかっていません。
当然、副作用を起こしているかどうかすらわかりません。
足のむくみが麻杏薏甘湯のせいかどうかがわからず、本当は合ってない漢方薬をやめるだけでいいのに、余計な薬を増やそうとしたりします。
たくさんの漢方薬の中から絞り込む。
漢方薬は色々な効果があって、色々な部分に効く。というわけではありません。
体の弱点を全て分析して、その弱点全部を調整してくれるものとピッタリと合わせる必要があります。
パズルみたいな感じですね。
ですので、漢方薬は、膝の痛みだけを治すとしても、常に全身の問診が必要となってきます。
これが正に『麻杏薏甘湯が体質に合っているかどうか」ですね。
麻杏薏甘湯が効くかどうかは、あなたの膝の痛みが、関節周辺に不要な水が滞っていて、熱感を持っていたり乾燥部分があり、皮膚表面が冷えていて、関節の痛みが慢性的になっていて、体力があるかどうかと関係しています。
関節の痛みに手足の冷えなどが加わってくると、麻杏薏甘湯が治せる条件とは違ってくるので、麻杏薏甘湯は効きませんし、合っていない状態なのに飲み続けると副作用を起こして、余計な症状が増えていきます。
おまけにその副作用が続くと、その体の状態が定着し、漢方薬に作り出された新たな病的な体質になっていきます。
麻杏薏甘湯で「膝の痛み」や「腰痛」を治したければ、自分の体全体が麻杏薏甘湯の効果と自分の体の状態がぴったりと合っていないといけないのです。
ですので、漢方薬で治療するには、まず、『自分の体質がどんな体質なのか?』を分析する必要があります。
『特に特別な問診なく医者に漢方薬を出してもらった』
『他の膝の痛みや腰痛で悩んでいる人が麻杏薏甘湯で良くなったと紹介されていた』
『ネットや動画で麻杏薏甘湯は、「膝の痛み」や「腰痛」に効く』と解説されていた。
こんな漢方薬の選び方では、意味がありません。
自分の体質は麻杏薏甘湯と合うのか?
それを調べるためには、6つの東洋医学の体質分析理論を使って調べていきます。
かつて皇帝の体を調整していた、漢方薬が、病名や症状だけで選んで治るような、そんな単純な医学なわけがないのですね。
当店では、人それぞれの体質を分析して、その人独自の原因に合わせて漢方薬をお選びします。
「漢方薬を飲んでいるけれど効果がよくわからない」「漢方薬で体質改善をしたいけれど本当にできるの?」と思っている方は、概要欄にネット相談や店頭相談の予約カレンダーを貼ってありますので、ご相談ください。
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【引用先及び参考図書・Webサイト】
◯ ツムラ医療用漢方製剤マニュアル
◯ オースギ医療用漢方製剤マニュアル
◯ 漢方方意辞典:緑書房
◯ 漢方診療医典:南山堂
◯ 類聚方広義解説:創元社
◯ 勿誤薬室方函:創元社
◯ 漢方処方応用の実際:南山堂
◯ 中医処方解説:神戸中医学研究会
◯ 漢薬の臨床応用:神戸中医学研究会
◯ 近代漢方薬ハンドブックⅠⅡⅢ:薬局新聞社刊
◯ 平成薬証論:メディカルユーコン